【一級建築士試験問題から見る実務】令和3年 学科Ⅲ(法規)No.2-2 面積、高さ及び階数
(2176文字)
おはようございます、橘たかしです!
今回も過去問で出題された問題を一問、実務に役立てていただけるようにお話ししたいと思います。
一級建築士試験 学科Ⅲ(法規)に関する心得
🔺過去問だけで勝負せよ
🔺暗記科目と考えよ
🔺必ずイメージして考えよ
🔺勉強時間がない人は、間違っている正答肢だけを解け
🔺計算問題は漏れがないように法令集に順番をつけよ
🔺法令集の線引きはしないよりは、した方がよい
(試験当日に早く引けるように作成すべし)
解釈についての考え方
なるべく、分かりやすく、楽しみながら読んでいただけるようにしたいと思っていますが、建築基準法の解釈は、ご存じの通り、行政、機関、担当者によって様々です。
民間は法文に書いてあること以上のことは言えません。
行政は行政指導がありますので、そこがまた複雑化しているのも事実です。
ですので、私が話している考え方は「ひとつの解釈」として理解した上でお読みください。よろしくお願いします。
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🔷問題🔷面積、高さ及び階数
〔No. 2 〕 面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
⭕️2.建築物の宅配ボックス設置部分の床面積は、当該建築物の各階の床面積の合計の1/100を限度として、当該建築物の建築基準法第52条第1項に規定する容積率の算定の基礎となる延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係るものを除く。)に算入しない。
宅配ボックスは都会で仕事をしている方にとってはありがたい緩和規定なのではないでしょうか。 地方では駅前の一等地ぐらいしか関係ないようなもんですな。
自動車車庫等部分 1/5
備蓄倉庫部分 1/50
蓄電池設置部分 1/50
自家発電設備設置部分 1/100
貯水槽設置部分 1/100
宅配ボックス設置部分 1/100
建築基準法施行令第2条第4号へ記載があるので比較的早くたどり着くことができますが、これも全部覚えておきましょう。
覚え方は・・・ありません。私も知りたいです(^^;
ありませんが、私は大体こういう時は、100㎡の建物で考えます。
100㎡の建物に対して、
が、容積算定上除外されるんだなーって。(イメージが分かるようにGoogle検索を上記にリンクに貼っておりますので、アンダーライン部分をクリックして画像を確認してください)
あくまで容積率算定上は除外されるだけで、実際の床面積には算入しますからね。お間違えないようにお願いしますね!
ここで、よくある事例を2つ紹介します。
🔹車庫(容積率算定に関する事例①)
自動計算してくれる申請プログラムなどで、よくある現象?です。
車庫の床面積の1/5を限度に引いた数値を建築確認申請書に入力すると、申請プログラム内の自動計算でさらに1/5を限度に引きます。もう何の数値か分からなくなってしまいます(^^;
便利な機能なのですが、これが当たり前になるといずれこの考え方が抜けてしまう可能性がありますので、しっかり理解して入力しましょう!(私が作成した申請書も自動入力するようにしておりますので、この問題はおきますが、もう想定内です(^^)v)
計算方法も一応解説しておきます。
たとえば70㎡の住宅に30㎡の車庫があったとします。
床面積の合計は100㎡。
本来なら、100㎡に対して容積率の算定をするのですが、
車庫の場合は、100㎡に対して1/5を限度に容積率の算定から除外されます。
つまり容積率算定上の床面積で除外される床面積は
100㎡*1/5=20㎡
よって最終的には100㎡-20㎡=80㎡
これが、容積率算定上の床面積となります。
このように、「車庫の床面積」が「全体の床面積の合計の1/5」を超える場合は、ただ車庫の床面積を引いたのでは間違えてしまいますので気を付けてくださいね。
🔹備蓄車庫(容積率算定に関する事例②)
備蓄倉庫も容積率算定からは1/50を限度に除外できます。
が、備蓄倉庫を検索してもらったらお分かりのように、どの画像も何か書いてますよね?
そうです! 備蓄倉庫には「備蓄倉庫です!」って分かりやすく表示しなければなりません。そして備蓄に必要なものしか入れてはいけません。
ただ、申請書に「備蓄倉庫」って書けば、容積率から除外してもらおうなんて甘いわー!(^^;
備蓄倉庫の中に入れてはいけないもの
タイヤ(有事の際はこのタイヤの中に入ったらね、ぽかぽか温かいんですよー。寒さをしのぐためにいるんです!→❌)
スキー板(有事の際は急いで逃げるために家族分いるんです!→❌)
よろしいですね! 家財道具は入れてはいけませーん!
参考
建築基準法施行令第2条第4号ヘ
建築基準法施行令第2条第3項第6号
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少しでも試験勉強と業務に役立てつことが出来れば幸いです。
最後まで読んでくれてありがとう!
お昼までご苦労様でした!
そして、昼からもしっかり生きていきましょう!
今日もお元気で!
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