6月24日~28日の米国主要企業決算プレビュー
今週も複数の注目企業が決算報告を発表する予定ですが、特に米国株の指数が好調な中、大型株と評される企業の決算発表により市場のセンチメントに水を差すかどうかが重要となりそうです。
消費財大手ではナイキ (NKE)、ゼネラル・ミルズ (GIS)、カーニバル (CCL)などが最新の決算結果を公開し、現環境下でこれらの有名企業がどのようなパフォーマンスを示しているかを垣間見ることができそうです。
加えて、ブラックベリー (BB)、物流大手のフェデックス (FDX)、半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー (MU) も決算発表を行いますが、通信株からテクノロジー株、更には工業株 (フェデックスは貨物輸送サービスですが、セクター上では工業に入ります) まで市場の様々な分野の決算発表により、サマーラリーがどこまで続くかのヒントが見えてきそうです。
以下は、6月24日から28日の週に予定されている主要な決算報告の概要です。
【6月24日 (月)】主要企業無し
週の初めは比較的少ない決算報告で始まります。
主要企業として取り上げられることは少ないですが、マネーヒーロー・リミテッド (MNY)、エナーパック・ツール・グループ (EPAC)、ウペキシ (UPXI) が市場開始前 (プレマーケット) に決算を報告し、ビヨンド・エア (XAIR) が市場終了後 (アフターマーケット) に報告を発表する予定です。
【6月25日 (火)】フェデックス (FDX)
メンフィスを拠点とする宅配大手フェデックス (FDX) は、火曜日の取引終了後にFQ4 (Fiscal 4th Quarter, 第4四半期) の決算を発表する予定です。
今月初め、フェデックスは配当を9.5%増加させ、欧州で最大2,000人の人員を削減する計画を発表しました。
また2022年のサービス停止以来、ウクライナでの国際優先インバウンドおよびアウトバウンドサービスを再開しました。
フェデックスは世界経済の減速、コスト増加、配送量の減少により、今年はS&P 500を下回るパフォーマンスを示しています。
しかし2023年6月から同社の株価は横ばい相場に突入しており、フォワードPER (今後12か月における株価収益率) が15倍を下回る水準で取引されているため、大幅なマージン拡大の可能性があります。
テクニカル的にも上昇の機運を探す段階と言えますが、昨今のようなテクノロジー企業の一方方向への伸びを期待するよりじわじわと上がるイメージがより適していると思われます。
コンセンサスEPS予想:$5.38
コンセンサス売上高予想:220.8億ドル
備考:フェデックスは過去8四半期のうち5回でEPS予想を上回りましたが、売上高予想はすべての四半期で下回っています。
他、クルーズ旅行が主力であるカーニバル (CCL) や、TDシネックス (SNX)、クラウンクラウツ (CRWS) などが予定されています。
【6月26日 (水)】マイクロン・テクノロジー (MU)
マイクロン・テクノロジー (MU) は、水曜日の取引終了後にFQ3 (第3四半期) の決算を発表する予定です。
アナリストは人工知能におけるメモリチップ需要の増加により、前年同期比で78%もの売上高増加を予測しています。
同社は先月開催されたJ.P.モルガンのテクノロジー・メディア・通信カンファレンスにて登壇しましたが、最高財務責任者のマット・マーフィー氏いわく、昨今の人工知能のブーム及びその支出増加により、同社は今年の設備投資予測を以前の75億ドルから80億ドルに引き上げています。
またマイクロンは最近、米国銀行であるバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのUS 1リストに追加されました。
このリストは買い評価を受けた米国上場株の中から同銀行が評価する「最高の投資アイデア」として知られていますが、リスト追加と決算発表による更なる上昇がみられるか?はまた別問題となりそうです。
マイクロンのHBM3E生産が2024年後半の売上を押し上げ、AIサーバーと次世代の「HBM4E」を搭載した一般的な計算用サーバーの更新サイクルにより、2025会計年度に強い成長が期待されると予測する向きもあります。
コンセンサスEPS予想:$0.52
コンセンサス売上高予想:66.7億ドル
備考:マイクロンは過去8四半期のうち6回でEPS予想を上回り、売上高予想は半数の四半期で上回っています。
他、ブラックベリー (BB) やジェネラルミルズ (GIS)、ユニファースト (UNF)、ペイチェックス (PAYX)、ジーンズで有名なリーヴァイストラウス (LEVI)、ダクトロニクス (DAKT) などが予定されています。
【6月27日 (木)】ナイキ (NKE)
スポーツアパレル大手のナイキ (NKE) は、木曜日の取引終了後にFQ4 (第4四半期) の決算を発表する予定です。
アナリストは前年同期比で約28%の利益増加を予想しています。
最近、米国の投資銀行であるオッペンハイマー・ホールディングスはナイキを消費者成長およびeコマース分野におけるトップ・メガキャップ (先導する超大型株) 銘柄として再選定し、格付けをパフォームからアウトパフォームにアップグレードし、目標株価を9%引き上げて120ドルとしました。
ナイキは現在の収益予想をわずかに上回ると予測される向きが多いですが、アナリストや投資銀行の推奨銘柄にあまり引っ張られず、また銘柄として値動きも派手ではないため、同社株を保有するホルダーは冷静に決算を見届ける必要がありそうです。
コンセンサスEPS予想:$0.84
コンセンサス売上高予想:128.6億ドル
備考:同社は過去8四半期のうち7回でEPSと売上高の予想を上回っています。
他、ウォルグリーンブーツ・アライアンス (WBA)、アキュイティ・ブランズ (AYI)、アポジーエンタープライズ (APOG) などの発表が予定されています。
【6月28日 (金)】主要企業無し
この日は決算がありませんが、経済指標としてPCE価格指数が発表される予定です。
そちらの動向に注目が集まると予想されます。
他、小型株ですが、アイヒューマン (IH) やハイウェイホールディングス (HIHO) の決算が予定されています。
※当記事はファンダメンタルズにおいて事実の正確さを満たすために尽力していますが、万一事実と異なる点等ございましたらお気軽にご教示ください。
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