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7月25日・26日の米主要企業決算

■7月25日(木)

◆アッヴィ (ABBV)

アッヴィ (ABBV) は第2四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第2四半期のEPSは2.65ドルで、予想を0.01ドル下回りました。

売上高は144億6000万ドル (前年同期比+4.3%) で、予想を4.3億ドル上回りました。

グロスマージン比率は85.2%でした。これは市場予想の84.7%を上回っています。

営業マージンは42.6%でした。

●製品ごとの売上高

ヒュミラ (アダリムマブ) の売上高は28.14億ドル (前年比-29.9%、前期比+24%) でした。

スキリージ (リサンキズマブ) の売上高は27.27億ドル (前年比+44.8%、前期比+35.8%) でした。

リンヴォック (ウパダシチニブ水和物) の売上高は14.3億ドル (前年比+55.8%、前期比+30.8%) でした。

イムブルビカ (イブルチニブ) の売上高は8.33億ドル (前年比約-8%) でした。

ヒュミラは関節炎治療薬として同社の主力製品を先導していましたが、2023年に特許が切れた関係で徐々にスキリージやリンヴォックが売上を伸ばしています。

●2024年度通期の見通し

同社は2024年度のEPSを以前の10.61~10.81ドルから10.71~10.91ドル (中央値10.81ドル) へ上方修正しました。


◆トタルエナジーズ (TTE)

トタルエナジーズ (TTE) は第1四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第1四半期のEPSは2.14ドルで、予想を0.09ドル上回りました。

売上高は518億8000万ドル (前年同期比-11.0%) で、予想を50.6億ドル上回りました。

営業キャッシュフローは22億ドルでした。なお前年同期は51億ドルであり、大幅な減少となっています。

純負債額は142億ドルでした。なお2023年末の純負債額は63億ドルでした。

石油・ガス生産量は石油換算で日量246万バレルでした。炭化水素生産量は同246.1万バレルでした。

●第2四半期の見通し

同社は来期の炭化水素生産量を240万~245万バレル (中央値242.5万バレル) と見込んでいます。

また精製・精油稼働率は85%を超えると見込んでいます。

純投資額は170億~180億ドル (中央値175億ドル) を見込んでおり、内50億ドルが統合型発電事業に割り当てられる予定です。

同社は石油開発・精製企業ですが、現在ナミビアにて油田開発をする関係でキャッシュフローが一時的に悪化しています。

同じような油田開発は南米の北東部に位置するガイアナでも行われていますが、ガイアナではエクソンモービル (XOM) 一社が主導して開発を行うのに対し、ナミビアでは複数の企業が平行して開発を進めており、その分現地でのオペレーションが複雑になるリスクがあるとされています。


◆RTX (RTX)

RTX (RTX) は第2四半期の決算を発表しました。全体として良い決算でした。

第2四半期の非GAAP基準のEPSは1.41ドルで、予想を0.11ドル上回りました。

売上高は198億ドル (前年同期比+7.5%) で、予想を5.2億ドル上回りました。

民間航空部門の受注残額は1290億ドル (前年比+15.2%、前期比+3.2%) でした。

防衛部門の受注残額は770億ドル (前年比+5.5%、前期比±0.0%) でした。

●セグメント別売上高

コリンズ・エアロスペース部門は70億ドル (前年比+9.7%、前期比+4.9%) でした。

プラット&ホイットニー部門は68億ドル (前年比+19.3%、前期比+5.3%) でした。

レイセオン部門は65.8億ドル (前年比-1.8%、前期比-1.2%) でした。

●2024年度通期の見通し

同社は2024年度通期の見通しを更新しています。

EPSは5.35~5.45ドル (中央値5.40ドル) を見込んでおり、予想を0.03ドル上回っています。

売上高は787.5億~795億ドル (中央値791.25億ドル) を見込んでおり、予想を2.5億ドル上回っています。

フリーキャッシュフローは前期の57億ドルから47億ドルまで引き下げており、予想を9.5億ドル下回っています。 


■7月26日(金)

◆ブリストル・マイヤーズ (BMY)

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ (BMY) は第2四半期の決算を発表しました。全体として良い決算でした。

第2四半期のEPSは2.07ドルで、予想を0.44ドル上回りました。

売上高は122億ドル (前年同期比+8.9%) で、予想を6.8億ドル上回りました。

グロスマージンは75.6%で、予想を1.8%上回りました。

米国の売上高は13%増の88億ドルでした。
国際売上高は1%減の34億ドルでしたが、主に為替損益で7%のマイナスを計上したこと、レブラミドの販売減少によるものとされています。

●2024年度通期の見通し

同社は売上高をやや上方修正し、以前の一桁台前半から5%近くの成長を見込んでいます。

EPSは前期の0.40~0.70ドル (中央値0.55ドル) を改め、0.60~0.90ドル (中央値0.75ドル) に上方修正しています。
なお市場予想は0.51ドルであり、今回のEPSガイダンスは0.24ドル上回りました。

実効税率は前期の69%以内から66%以内に見通しが更新され、前期よりも改善しています。

同社は不況に強い、いわゆる「ディフェンシブ銘柄」の代表選手として知られていますが、今回の好決算を受けて+11%を超えて引けています。

もちろん同社の決算が非常に良いものであったことは疑いありませんが、ディフェンシブ銘柄が台頭する際に米国株指数が代わりに軟調となりやすいことには別の意味で注意すべきと考えられます。


◆3M (MMM)

3M (MMM) は第2四半期の決算を発表しました。全体として良い決算でした。

第2四半期のEPSは1.93ドルで、予想を0.25ドル上回りました。

売上高は60.2億ドル (前年同期比+1.1%) で、予想を1.9億ドル上回りました。

営業キャッシュフローは10億ドルでした。
またフリーキャッシュフローは12億ドルでした。

同社は7.86億ドルを自社株買い、および配当にて株主に還元しています。

●2024年度通期の見通し

EPSは前期の6.80~7.30ドル (中央値7.05ドル) から新ガイダンスとして7.00~7.30 (中央値7.15ドル) が提示されました。
なお今回の結果は市場予想を0.03ドル下回りました。

売上高は前期と同様、-0.25%~+1.75%の範囲と予測しています。


※当記事はファンダメンタルズにおいて事実の正確さを満たすために尽力していますが、万一事実と異なる点等ございましたらお気軽にご教示ください。

※企業決算は売上高やEPS、ガイダンスを考慮し、更に市場の反応とトレンドなど総合的な観点から「良い」「そこそこ」「悪い」と三段階評価としています。
この評価は飽くまでも個人の評価であること、見る方によって十人十色の受け止め方があることをご了承ください。

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