7月8日~7月10日までの米主要企業決算【週前半決算振り返り】

※7月8日(月)は主要企業の決算が無いためスキップいたします。


■7月9日 (火)

◆サラトガ・インベストメント (SAR)

火曜引け後、サラトガ・インベストメント (SAR) は第1四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第1四半期の純投資収益 (NII) は1株当たり1.05ドルで、コンセンサス予想を0.10ドル上回りました。

総投資収益は3868万ドル (前年同期比+11.7%) で、予想を221万ドル上回る形となりました。

2024年5月31日時点で、サラトガ・インベストメントの運用資産 (AUM) は10億9600万ドルでした。
これは昨年5月31日時点のAUMである10億8400万ドルから1.1%増加しましたが、前四半期の11億3900万ドルから3.8%減少しています。

今年5月31日までの直近12ヶ月間の自己資本利益率 (ROE) は4.4%で、前年同期の7.2%から低下しました。
また同日に終了した四半期の年率換算ROEは7.2%でした。

1株当たり純資産価値 (NAV) は今年5月31日時点で26.85ドルでした。
これは昨年5月31日の28.48ドル、今年2月29日の27.12ドルと比較して減少しています。

この決算結果より同社の収益が予想を上回り、運用資産も前年比で増加していることが読み取れる一方、ROEの低下とNAVの減少により同社の「稼ぐ効率」が落ちていることが示唆され、これが今後の課題となりそうです。

また同社は2022年から値動きにキレがなく、動意のない展開が続いています。
小規模な株ということもありここから積極的な買いを打つのは難しいと考えられます。


◆ヘレン・オブ・トロイ・リミテッド (HELE)

同日、ヘレン・オブ・トロイ (HELE) は第1四半期の決算を発表しました。全体として悪い決算でした。

第1四半期のEPSは0.99ドルと発表され、アナリスト予想を0.60ドル下回りました。 これは市場の期待を大きく下回る結果となりました。

売上高は4億1680万ドル (前年同期比-12.2%) で、予想を2905万ドル下回っています。

●2025年度の見通し

同社は2025年度通期の連結純売上高を3.5%~6%、実際の数字にすれば18億8500万ドル~19億3500万ドルへと引き下げました。
コンセンサス予想では1%~2%の引き下げに収まると考えられていました。

調整後EPSは7.00ドル~7.50ドルへ引き下げられました。
コンセンサス予想では8.7ドル~9.2ドルになるとされていたためこちらも見通しが悪化しています。

調整後EBITDAは2億8700万ドル~2億9700万ドルへ引き下げられ、フリーキャッシュフローも2億2000万ドル~2億4000万ドルに引き下げされています。

なおフリーキャッシュフローはコンセンサス予想で2億5500万ドル~2億7500万ドルとされていました。

同社は世界中でホーム&アウトドア製品やビューティ&ウェルネス製品を展開しており、食品用保存容器から調理器具、シャンプーや血圧計に至るまで日用品が主な収入源となっています。

しかしながら今回の決算及び来期以降の見通しが大幅に悪化したことにより同社は決算発表後に前日比-27%を記録してしまいました。
収益の改善が見込まれるまで同社への投資は控える方が良さそうです。


■7月10日(水)

◆WD-40カンパニー (WDFC)

水曜、WD-40カンパニー (WDFC) は第3四半期の決算を発表しました。全体として良い決算でした。

第3四半期のEPSは1.46ドルで、コンセンサス予想を0.19ドル上回りました。

売上高は1億5505万ドル (前年同期比+9.4%) で、予想を925万ドル上回りました。

●2024年度の見通し

為替変動の影響を除いた純売上高は6%~12%の成長が予想されており、数字上では5億7000万ドルから6億ドルになる見込みです。

粗利益率は51.5%~53%になると予想されています。

広告宣伝費への投資は純売上高の5%~6%になると予想されています。

純利益は6770万ドル~7180万ドルになると予想されています。

希薄化後EPSは5.00ドル~5.30ドルになると予想されています。

WD-40カンパニーは世界中でグリースやスプレー潤滑剤などのメンテナンス製品、及び消臭剤などのクリーニング製品を開発・販売している企業です。
同カテゴリーでは大型の企業ですが、今回の決算を受け時間外で+12%ほど、長期で見ても再上昇が期待できる銘柄となりそうです。

今年1月に付けた高値278ドル付近を超えれば新高値で上昇に弾みが付くと思われますが、今回の決算発表で調整モードから上昇モードへ切り替わってもおかしくない銘柄だと見ています。


◆AZZ (AZZ)

同日、AZZ (AZZ) は第1四半期の決算を発表しました。全体としてそこそこの決算でした。

第1四半期の非GAAP基準のEPSは1.46ドルで、予想を0.18ドル上回りました。

売上高は4億1321万ドル (前年同期比+5.7%) で、予想を1125万ドル上回りました。

EBITDAは9410万ドルで売上高の22.8%となり、前年の8540万ドル (売上高の21.8%) から改善しました。

セグメント別EBITDAマージンは、メタルコーティング部門が30.9%、プリコートメタル部門が20.2%でした。

営業キャッシュフローは7190万ドルであり、2500万ドルの負債を削減することに貢献しました。

●2025年度の見通し

2025年通期の売上高は15億2500万ドル~16億2500万ドルと見込んでいます。

調整後EBITDAは3億1000万ドル~3億6000万ドルと予測しています。

EPSは4.50ドル~5.00ドルを見込んでいます。

AZZは腐食防止用のコーティング、及びめっきや塗装を提供しており、主としてインフラ事業者などを顧客に事業を行っています。
同社は順調に株価を伸ばしていましたが、2024年になり再び最高値を超えた銘柄でもあります。

上昇相場の最中にありますが、これから夏~秋口の調整相場が来るとダメージを受ける可能性がありそうです。
長い目で見れば引き続き成長する銘柄と見られますが、短期~中期では高値87ドル付近を上限とした横ばい相場となる可能性に留意したいところです。


※当記事はファンダメンタルズにおいて事実の正確さを満たすために尽力していますが、万一事実と異なる点等ございましたらお気軽にご教示ください。

※企業決算は売上高やEPS、ガイダンスを考慮し、更に市場の反応とトレンドなど総合的な観点から「良い」「そこそこ」「悪い」と三段階評価としています。
この評価は飽くまでも個人の評価であること、見る方によって十人十色の受け止め方があることをご了承ください。

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たかし
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