カレンダーの曜日略表示
腕時計は我々の世代にとっては一種のステイタスで、小学生の頃は、腕時計をすることは何となく禁じられていたような感じでしたし、実際に高価な腕時計をしている小学生は滅多にませんでした。
中学入学と同時に腕時計・万年筆・英和辞書がまるで「三種の神器」の如く与えられ、中学入学当時は時間の確認の必要のない時でも、しょっちゅう腕時計を見つめていた記憶があります。実際に腕時計は決して安いものではなかったですし、同じく三種の神器の一つ万年筆と並んで、「一生もの」カテゴリーに属するものだったように思います。
今や腕時計をしている小学生なんて珍しくありませんし、塾通いする小学生はスマホやスマートウオッチで時間管理はビジネスマン並みに行える時代です。しかも今や時計なんて使い捨てに近い存在です。新機能搭載機種が現れれば、どんどん最新型に乗り換えるユーザー続出で、腕時計が一生ものなんて言う発想は今や前時代の遺物なのかもしれません。
それは筆記用具にも同様に当てはまり、今や万年筆を筆記用具としている人の方が少ないように思います。勿論モンブランや、シェーファー、ペリカンなどの外国製万年筆を、一生ものとして有難く珍重していた時代を思うと、まさに別の惑星の話かと思います。今や仕事で筆記用具など使わない人間も多く、メモも書類も全てパソコン、スマホ、タブレットなどでデジタル処理されます。筆記用具を取り出して文字を書くという作業自体も徐々に珍しいものになりつつあります。大学で授業していても、板書を写メする学生も多いですし、流石にそれは控えたとしても、ノートにペンで書き写すより、PCにタイピングする方が早いという学生も増えています。
さて時計に話を戻しますが、今の腕時計は超小型のリチウムイオン電池で動いているものが圧倒的に多いと思われます。昔のゼンマイ巻き上げ式の腕時計なんて、今の学生に話したらいつの時代の話ですかって言われてしまうんでしょうね…それでも我々の頃は自動巻き上げ式で、リューズを回さなくても腕を振るとゼンマイが巻かれていたなぁ。
話が逸れてしまったので、再び軌道修正(笑)腕時計には時間表示以外にも情報表示機能があって、その中で今でも最低限必須だと思われるのが日付けと曜日の表示です。他にも色々機能がありましたが結局使わないものが多かったし、アラームなんて却って音を消さなければならない事の方が多く、結局使わない事が多くなってしまったように思います。だから結論的に時計に求めるものは、時刻、日付、曜日の3つに尽きるというのが私の実感なのです。その曜日の表示が、国産腕時計では「月、火、水…」という漢字表記でしたが、オプションで「Mon、Tue、Wed…」という英語表記が選択出来ました。中学1年生の頃は習い始めの英語に酔ってる状態でしたから、英語表示の曜日も一種のステイタスでしたけれども、長じて現在の生業であるフランス語を本格的に学ぶようになって、外国語としては英語よりフランス語を全てに優先するように当然なっていきました。さてそうすると毎日見る腕時計の曜日表示も、英語だとどうもピンと来ません。フランス語のものがあれば良いのですが、日本国内でそれを入手するのは困難でした。そもそもフランス製の腕時計というものがあるのかどうか知りませんが、(私の偏見かも知れませんが)フランス人に腕時計のような精密機器が扱えるとは到底思えず、またフランス製腕時計というものも寡聞にして聞いたことがありません。まぁフランス語圏にはスイスという精密機器で世界のトップがいるので、スイス製の腕時計を探せばフランス語での曜日表示されたものなど容易に見つかると思いましたが、何しろスイス製の腕時計は高価です。たかが曜日表示の為だけに大枚を叩く気にもなれず、この件は一旦お蔵入りになりました。
数年前に、細かい作業をコツコツやるのが好きな兄が、カスタマイズされた腕時計を組み立てるという趣味に嵌まり、私の誕生日にフランス語の曜日表示にした腕時計を作ってプレゼントしてくれました。これはこれで気に入ったのですが、如何せんゼンマイ巻き上げ式であまり機能的ではありません。フォーマル用には良いのですが、あまり仕事向きではないので実際に腕にはめる機会は多くはありません。
そしてさらに数年が経ち、腕時計が本当にTシャツと同じ位の価格で購入出来る今、ネットで安い腕時計が目に留まり、クーポンなどを駆使して2000円ほどで購入出来ました。「こんな安価な腕時計であるから、曜日表示などオプションはあるまい、どうせ英語だろう」と思っていたら、なんと月曜日に「lun」と表示されたのです。これはフランス語、イタリア語、スペイン語の可能性があります。勿論フランス語であれば文句無しですが、仮にイタリア語やスペイン語でも、ほぼ似たようなものですから、英語よりは遥かに都合が良いのです。
翌日の火曜日には「mar」の表示。ここまではまだ3か国語の可能性があります。因みに曜日は(月曜日から順番に)
フランス語だとlundi-mardi-mercredi-jeudi-vendredi-samedi-dimanche、
イタリア語だとlunedi-martedi-miercoledi-gioverdi-venerdi-sabato-domenicaスペイン語だとlunes-martes-miércores-jueves-viernes-sábado-domingoなので、月、火、はこの3か国語は全て「lun-mar」となる筈です。
水曜日には「mer」の表示。「おっ、これでフランス語確定か」と一瞬快哉を上げそうになりましたが、木曜日には「juev」の表示。これは明らかにスペイン語、ということは水曜日も「miér」を「mer」と書いたということでしょうか?これではまだはっきりしませんが、金曜日以下が「ven-sab-dom」となるような気がします。これならイタリア語でも、スペイン語でも通じるということになるでしょう。恐らくスペイン語話者人口の多さから考えて、これはスペイン語が優先されたとみるのが正しいように思います。
まぁ曜日の名が天体の名称から付けられたことを知れば、これらの国で曜日の表記が類似していることには納得なのだし、更に英語の表記が語源的に全く異なることも実感で出来る格好の例になっているのです。
(なおポルトガル語は月曜から金曜までを「2番目の日~6番目の日」と言い、天体由来の曜日名を使っていないので除外しました。)
(追記)金曜日になって、時計を見ると、曜日は「vier」となっていました。これは完全にスペイン語であるとこの時点で決定、従って土‐日は「sáb-dom」で決まりだろうと思います。
(追記2)次の週の水曜日に曜日を見ると「mier」となっていました。これは上記本文中の「mer」が見間違いであったという事… おそらく曜日は3文字表示だという思い込みが私にあったためだと思われます。まぁこの時点でスペイン語は確定してたということです。なお土日は予測通り「sab-dom」と表示されていたことも最後に付け加えておきます。
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