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相談された時に気をつけていること

「ちょっといいですか?聞いてもらいたい話があって」

こんな風に聞いて欲しいって時は、だいたい人間関係に関係する相談。そして相談してくれる人に共通しているのは、どう考えても、それは怒っていいよとか、自分の意見を言ってもいいよって思う状況にあるということ。

悩みの発端はちょっとした一言、言い方から始まる。
単にきつい言い方をされたのではなく、例えば明らかに相手が忘れているのに自分のせいにされた、誰かのためにした行動や発言が他者を経由した結果、意図とは全く逆のことに発展しているなど。

ここまでなら、まだ自分一人でも立ち直れるかもしれない。
しかし狭いコミュニティ、職場などで自分が少数派になってしまうと、全て自分が原因だと感じてしまい「これはおかしい!」と声があげられなくなるのが恐い。こんなことで悩んでいるということが、誰にも相談できなくなると危険だと思う。

その後もモヤモヤした感情を持ち続け、その内そんなことが続いていくと、感情の矛先が全部自分に向いてしまう。

「全部自分が悪いんだ」

だからそんなことになる前に、相談をしてくれた人に対して、個人的に気をつけていることはその人だけを悪者にしないこと。

結局、振り返ってみると些細なことで、原因は突発的な感情によるものに過ぎなかったと思えるかもしれない。
でもそれはまともな精神状態、余裕のある状況でなければ中々そうは思えないだろう。

だから相談したい(=私の話を聞いて欲しい)という人に対して、ただ単に聞くだけではなく、共感できるエピソードがあれば自分の例も話して、相手が「そう!そういうこと!」と逆に共感できるような話もするようにしている。

あなたが悩んでいることを、少しでも理解できるかもしれないというメッセージだ。そうすることで、この人には話したら伝わるって安心して、堰を切ったように次から次へと話が溢れてくる。「話してもいいんだ」って。

その中で少なからず、他人の悪口が出てくるだろう。
例えその登場人物に対してこちらが嫌な感情を持っていないとしても、その場ではその悪口は否定しない。否定すると、その人だけが悪者になってしまうから。

相談に乗るということは、その人が打ち明けてくる一切をひとまず受け止めきることが大事だと思う。

そして特に気をつけるべきは、人の否定をした後に必ずと言っていいほど「いや普段はいい人なんですよ」「自分にだって非があるかもしれないのであまり言えないですが」など、何か悪いことがあった時は、どんな事柄であっても、絶対に自己反省をしなくてはいけないと強く思い込みすぎている可能性がある人。

これが個人的には一番やっかいなマインドだと思う。
DVを受けている被害者なのに、加害者側の気持ちを考えて「DVするのは自分にも原因があるかもしれないから仕方がない」と考えてしまう思考になると、もはや洗脳に近いものがある。

自己反省とは、失敗した物事から学び、次に活かすためには必要な考え方なのは間違いない。僕もそうしているし、何か嫌なことがあったらまずその原因は自分にあると疑い、そこを見直さなきゃいけないと思っている。

でもいきすぎてしまって、なんでもかんでも自分のせいにして物事を「仕方が無い」に片付けてしまうクセがついてしまうと危ない。そうなってしまうと一人で客観視することは難しいから、ただ無条件に話を聞いてくれる、正確には受け止めてくれる存在はもの凄く大事だ。

全然関係の無い話かも知れないが、今僕はClubhouseを始めたくて招待をしてもらえないか奔走している。始めることができれば、ここでまた、新しいコミュニケーションが生まれ新しい人々に出会うだろう。

新しい価値観、魅力的な人たち、これだけオンラインで繋がれる中、行動しないなんてもったいないし人脈を増やすことが大事なのも重々わかる。
だから新しいものにも飛びつく。

だけどそういった新しい人脈だけでなく、とても身近にいてくれる存在、ずっと隣じゃなくても、肝心な時に話を受け止めてくれる人をたった一人でもいいから作ることが大事だと思う。

もしくはそんな人が作れないという人のために、カウンセラーのようなお仕事をされている方がいる。一人で悩まず、頼れるものは頼った方がいい。

ただ思っていることを話すだけなのに、条件や立場なんて関係ないし必要ないんだ。思っていることを吐き出して、間違っていたら怒られて、そしたら謝って「はい次」。

そんな感じで気楽に付き合おう。

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