【オランダ家探し】400件以上応募した私が気付いた進め方のコツ(前編)
こんにちは。オランダ在住コンサルタントのTakashiです。2024年10月からめでたくアムステルダムへの移住を果たしましたが、その準備で一番のネックだったのが家探しです。
そこで本記事では、日本から400件以上応募して物件の契約に漕ぎつけた私の体験談と気付いたコツをご紹介いたします。これから家探しをされる方のお役に立てばうれしいです!!
※本記事は前編です。
家探しの期間、応募数など
私は2024年7月下旬から家探しを開始し、437件(!?)応募→10件内見→3件オファー獲得→1件契約という成績です。
期間は10月上旬まで約2か月半。。。本当に辛くて長い戦いでした。
そもそもオランダ都市部の賃貸市場は圧倒的に需要過多(供給不足)なのでめちゃくちゃ売り手市場です。よって借り手は選ぶ余地なんてほとんどありません。
但しこれは私の予算が1500ユーロ/月だったためです。予算が2000ユーロ/月を超えればかなり選びやすくなると思われます。(Asunaro https://asunaro.nl/nl/など外国人向け不動産会社が使えます)
なお、ほぼすべてのステップを日本からリモートで対応しました。時差のおかげでこれも辛さに拍車をかけた気がします(泣)圧倒的に寝不足になりました。
ただし最終的にはアムステルダム南部の非常に立地の良い物件を契約できたので満足しています。契約できたときの達成感は半端ありません笑
家探しのステップ
家探しは以下のステップで進めました。日本と基本的に同じですが、ポイントは「全然内見できない」ということです。各章で詳細を説明します。
住みたいエリアを決める
内見に応募する←前編はここまで
内見する
正式に物件に応募する
契約書チェック、契約締結、物件引き渡し
住みたい(応募する)エリアを決める(選り好みしない)
勤務地や学校などの都合でおおよそのエリアを決めましょう。ただし、この時点で選り好みをすると詰みます。とくかく数多く応募するのが勝ち筋なので、理想は捨てて現実的な範囲ならかなり広めに設定しました。
私の場合は職場がアムステルダム南部(ただし在宅勤務可)なので、以下の通りアムステルダム及び近郊都市、そして最終的にはハーグとロッテルダムまで範囲を広げました。
アムステルダム(Amsterdam)全域
アムステルフェーン(Amstelveen)
ディーメン(Diemen)
ハールレム(Haarlem)
ユトレヒト(Utrecht)←家探し中盤まではここまで
ザーンダム(Zaandam)
ハーグ(Hague)
ロッテルダム(Rotterdam)
一度検討エリアに足を運ぶことをオススメします。私は7月に1週間オランダに滞在し街を散々見て回ったことで各地の雰囲気や利便性が分かり、おかげで応募時もリアリティを持って考えることができました。
また、「絶対にイヤ」と感じるエリアが分かることもメリットです笑 私の場合、ホーフドドルプ(Hoorddorp)という街は出勤可能範囲でしたがあまりに何も無いため応募しませんでした。
ちなみに、アムステルダムから離れるほど内見に進める確率は上がりました(当然っちゃ当然ですが)
各エリアの特徴は今後別の記事で紹介します!
内見に応募する(とても辛い)
ここが一番辛かったです。しっかり準備して、効率的にやることをオススメします。
家探しは就活と同じです。「絶対にイヤ」と思わない限りはまず応募! 内見の招待が来てから真剣に考えれば十分です。
また、応募しても日本のように簡単に内見できません。内見の時点でかなり絞られるので、「応募メッセージ」と「応募スピード」を意識しましょう。おそらく内見はほぼ早い者勝ちなので、物件が公開されてから早く応募するほど内見率が高まります。
実は物件にはいくつかのタイプがあります。以下、私が勝率が高いと感じたタイプ別に応募方法を紹介します。
①個人オーナーの物件に応募する
正直、初めてオランダに住む外国人が都市部で家を借りるには、大手不動産会社経由は非常にハードルが高いと感じました(理由は後述)。そこで、借りた後のトラブルリスクは(結構)あるものの、内見率の高さで言うと個人オーナー物件が最高と思います。
応募方法は以下の通りです。
Huurwoningen https://www.huurwoningen.com/:個人オーナー+大中小不動産会社の物件が対象。個人オーナー物件は内見率が高い。登録した条件の物件が公開されたらリアルタイム通知を受け取れるので、その瞬間に応募するのが勝ち筋。私はここから数件内見できました。
Kamernet https://kamernet.nl/en:物件を見るだけなら無料。応募機能は有料。私は使いませんでしたが、良さそうです。
SNS(Facebook等):詐欺が多いらしいので要注意。契約サイン前にお金を振り込むよう要求されたら詐欺だと解釈するのが安全です。
実は私は妻(台湾人)が台湾人Facebookグループから見つけてきた物件を契約しました(オランダ在住台湾人が大家)。
②中小不動産会社の物件に応募する
次に内見率が高いのはこれです。ここでは「応募時にmyQiiが不要かつ提出書類が2種類までの不動産会社」を中小不動産会社と呼ぶことにします(myQiiについては④で触れます)。
というのも、大手不動産会社と比べて応募時に提出が求められる書類が少ないので、必然的に内見の選考ハードルが下がるためです。書類も不要で年収・月収を自己申告するだけで応募できる会社も多いです。
私は以下のサイトから応募しました。
Pararius https://www.pararius.com/english:無料。但しリアルタイム通知機能が有料。中小不動産会社の物件のポータルサイト。fundaより返信率高め。私はここから数件内見できました。
有料機能は使いませんでしたが、効率化のためには使う方が良いと思います。funda https://www.pararius.com/english:無料。大中不動産会社の物件のポータルサイト。但し1件も内見に進まなかった。大手不動産会社の物件fundaから直接応募できないので効率悪い。物件数は多いが思い切って使わないのも手。
Huurwoningen https://www.huurwoningen.com/:①の記載の通り。
③新規建設プロジェクトに応募する
私が見た限りアムステルダム近郊ではアパートの建設が相次いでおり、建設時から入居者を募集しています。
応募時の必要書類は比較的多いものの、おそらく入居者は外国人も分け隔てなく(ある意味機械的に)選んでいるので、初めて住む日本人でも契約できる可能性は比較的高いと思われます。
私はこれで1件オファーをいただきました(但し契約締結前により条件の良い物件と契約できたので辞退)。
但し物件の引き渡し条件はあらかじめFAQ等で確認することをオススメします。オランダの慣習で新築物件には壁紙と床が無いことが多く、入居者が自費で用意するケースがあるためです。私の場合はこれに該当したので辞退しました。
新規建設プロジェクトを探すには、Webで「Amsterdam new apart project」等で検索するか、fundaから見つけるかが効率的と思います(fundaの中に新規建設プロジェクトの物件が公開されることがある)。
④大手不動産会社の物件に応募する(正直しなくても良い)
ここでは「応募時にmyQii and/or 大量の書類提出が必須の不動産会社」を大手不動産会社と呼びます。myQiiとはオランダ政府のデータベースに登録されている自分の個人情報をDigiD経由で連携するためのシステムです(DigiDについては別の記事で紹介します)。要するに不動産会社は応募者の本人確認をシステム上でできるわけですね。
これの何が問題かというと「オランダで住民登録済じゃないと使えない」ということです。なので、「これからオランダに行く」という方は必然的に利用できません。
また、大手不動産会社は応募時に提出する書類も非常に多く初めて住む外国人には用意できないものも含まれるので(詳しくは後述)、一気に競争が不利になります。
ということで、物件数は多いのですが内見率・成約率ともに低いため、思い切って一切応募しないのもアリです。
私は7月の視察時に住民登録を済ませたのでmyQiiを使えたのですが、頑張って書類を用意して200件以上応募したものの内見に呼ばれたのは1件だけでした。
一応、応募できるサイトを紹介します。不動産会社はまだまだあると思うので興味ある方はお調べください。
Huurwoningen https://www.huurwoningen.com/:①の記載の通り。大手不動産会社の物件は応募ページに直接飛べるので効率的。
funda https://www.pararius.com/english:②の記載の通り。大手不動産会社の物件はfundaからではなく自分で不動産会社のサイトを探す必要があるので効率悪い。正直使わなくて良いです。
Van Der Linden https://www.vanderlinden.nl/vestigingen/:不動産会社。新築プロジェクトも抱えているので、それだけ応募するのもアリ。
REBO https://rebowonenhuur.nl/:不動産会社。2件までしか内見申し込みできないので不便。
vesteda https://www.vesteda.com/nl:不動産会社。5件まで内見申し込み可能。
MVGM https://ikwilhuren.nu/ :不動産会社。5件まで内見申し込み可能。実は私はこの会社の物件で内見→内定をもらったのですが、契約前のTenant Check(本人確認や収入確認)で1か月半以上待たされたため辞退しました。このせいで渡航が予定より1か月遅れました。。。
Wonen bij Bouwinvest https://www.wonenbijbouwinvest.nl/:不動産会社。
vb&t https://vbtverhuurmakelaars.nl/:不動産会社。
⑤外国人向け不動産会社から応募する
予算が潤沢で早く見つけたいならこれです。
アムステルダムには外国人駐在員等をターゲットにした不動産会社があり、相場より高い家賃で家を提供しています。この層に応募すると市場の競争に巻き込まれないので比較的早く見つかると思います(私は使わず、おかげで苦労しました笑)
日本人向けに有名なのは以下です。
Asnaro: https://asunaro.nl/ja/
仲介業者を使うべきか
結論、いらないと思います。そもそも日本のような仲介業者が非常に少ない上に、1500ユーロ/月程度の予算だとサポートを断られます。
一方、実際の物件契約前に契約書のチェックや書類のやり取りを代行してくれるのは大きなメリットかもしれません。
私が知る範囲の仲介業者は以下の通りです。
SEM Rentals https://semrentals.com/nl/ :アムステルダムにある小規模仲介業者。予算に関係なくサポートしてくれます。
実は私はこの会社と契約したのですが(成約時に家賃1か月分の成功報酬型)、まったく役に立ちませんでした笑 なぜか紹介してくるのはネット上に公開後の物件ばかりで、そこも自分で応募しないといけないという。。。
結局、自分でも別途応募していた物件のフォローアップを依頼し続けていたらSEM側から契約解除の申し入れがあったので、契約を途中で解除しました(費用発生せず)。私の対応がめんどくさくなったのかもしれません笑PCW Housing https://www.pcwhousing.nl/ :私が問い合わせた限りでは2000ユーロ以上の物件しか紹介できないとのこと。
iRent 020 https://www.irent020.nl/:私が問い合わせた限りでは2000ユーロ以上の物件しか紹介できないとのこと。
応募用のメッセージを事前に用意する
さて、色々と応募先はありますがとにかく100件以上は応募する可能性が高いため、いちいち応募時のメッセージを考えていたら一生終わりません。
そこで、効率化のために最初に応募用の定型文を用意しましょう。
これは結構バカにできなくて、ここで大家が知りたい情報が端的に(英語的に)正しく書けているかによって内見率が変わると思います。
私がメッセージに含めた情報は以下の通りです。
名前
家族構成(家に住む人数)
出身(日本から来た旨)
職業、社名
いつからオランダにいるか、いつから借りたいか
収入
ペットの有無
オランダに住む理由
ちょっとしたアピール(収入が安定している、家を傷つけずに使う等)
長すぎると逆効果なので分量は短めにしましょう。
よく提出を求められる書類を事前に用意する
特に以下の書類は応募時に必要なケースがあるので事前に用意するのが効率的です。
パスポートの写真
会社の在籍証明書(Employer statement):会社員の場合のみ。
年収証明書(Annual statement):会社員の場合は会社が出してくれます。
今住んでいる家の大家からのレター(Landlord statement):家賃はいくらか、遅れずに支払っているか等を大家が証明するものです。英文なので大家に用意してもらうのは難しいかもしれませんが、ご相談ください。
大手不動産会社の場合、上記に加えて資産・預金証明(銀行通帳のコピー等)、過去3か月分の給与明細、過去3か月分の給与振り込み記録など多くの書類提出を求められます。
しかし、初めて住む場合は日本のものしか用意できないため圧倒的に不利になります。よって、そのような物件にはそもそも応募しないのも一つの戦略です。
とにかくタイムリーに応募する
先にも書きましたが、内見に選ばれるかは応募のスピードに大きく依存します。そこで、「有料のリアルタイム通知機能を使う」、「サイトをチェックする頻度を上げる」などしてタイムリーな応募を心掛けましょう!
私は日本にいながら活動したので、毎日日本の夜11時から深夜1時くらいまでコツコツ応募し続けることになり非常に辛かったです。。。
おわりに
長くなってしまったので今回はここまで! 後半は以下の内容で作成予定ですのでお楽しみにー。
内見する(実はアピールの場)
正式に物件に応募する(すぐやること!)
契約書チェック、契約締結、物件引き渡し
私のnoteでは海外移住、オランダ生活、グローバルキャリアについて発信しています。
私は移住アドバイスやキャリアコンサルティングのサービスを提供しているので、ご関心がある方は是非お気軽にDMください! ではでは。
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