オリンパスE-M1Xへの偏愛を語る
私の今の愛機はオリンパスのE-M1X。
マイクロフォーサーズなのに大きくて重いからと、色んな人にやめておけと止められたけど、我慢できずに買ってしまったカメラ。
購入したのは2022年2月。
そう、現在のフラッグシップOM-1が登場した頃でした。
東京のカメラ店に1月ころE-M1Xを買い求めに行ったとき、店員さんから、「少しだけ我慢した方がいいかもしれない。」とアドバイスをもらい、いったんは我慢した。
でも、OM-1発売の発表があり、OM-1の実機も触ってみたけれど、やっぱりE-M1Xを手にしたい衝動が抑えきれなかった。
当時は、キャノンEOS-6Dを9年間くらい使っていて、ボディを更新したいと考えていた時期だった。
さて、新しいカメラは何にしようとあたりを見回すと、気づけば世の中はミラーレス一色になっていて、なんとキャノンもマウントを変更してしまっていた。
レンズも24-105のLレンズと50㎜F1.8の2本しか持っていなかったので、これを気にマウントを変更しようと思って色んなメーカーのカメラを物色していたのだった。
そんな中、なぜマイクロフォーサーズだったのかと言うと、9年間フルサイズ一眼を使用してきて、正直フルサイズじゃなくてもいいなと思っていたからだ。
私の主な撮影対象は子供なので、どちらかというと必要なのは望遠域。保育園の頃は良かったのだけれど、幼稚園、小学校と大きくなるにつれて、運動場も大きくなっていった。
望遠端が105㎜だと、すぐに足りなくなったので、せめて300㎜、できれば400㎜が欲しいと思っていたのだけれど、あまりに大きくて重くて、何より高価だった。
個人的な傾向として、エントリーモデルはあまり好みではなくて、できればメーカーのフラッグシップを所有して使ってみたい気持ちが強かったのだけれど、望遠ズームのフラッグシップなど、普通のサラリーマンだとなかなか手が出る価格ではないと思う。
サンニッパどころか、大三元をそろえるだけでも一苦労だ。
だから、最初に買った24-105mmのLレンズだけで、ずっと頑張っていて、新しいレンズを買う機会がなかったのだ。
ボディにしても同様で、フラッグシップを買うことは不可能とまでは言わないけれど、相当の覚悟が必要なのではないだろうか。
ところがマイクロフォーサーズはというと、フラッグシップモデルでも手が届く価格帯だったし、F2.8通しの大三元レンズを揃えることだって、奥さんに説明可能な範囲(?)に思えた。
それに、フルサイズからマウントを変更しようとしている立場から見ると、APS-Cは中途半端に思えた。
望遠のことを考えるとマイクロフォーサーズの方がより有利だし、APS-Cのカメラは、いい感じのレンズはフルサイズ用のレンズになってしまうのではないかと思った。そうなると、結局高価なレンズを揃えないとけないし、レンズのイメージサークルはフルサイズなのにその一部分しか使っていないことになる。
もったいない感じがするし、設計的にも無駄が多いと言える。
そして、大学生の時に、父から譲り受けて最初に使ったカメラがOM-10だったのでオリンパスというメーカーには思い入れがあったし、発売時に30万もした縦グリップ一体型のE-M1Xが半額くらいに値下がりしていた。
そう、縦グリップ一体型。
プロ機、という感じがしてすごくいい。
昔からフラッグシップを使ってみたい傾向があったのだけれど、それは高価なものを所有したいということではなくて、メーカーが威信をかけて開発したその過程と、カタログに載らない細部の作りこみが響くからだと考えている。
それに、プロの使用に耐える剛健さを想像してしまうとたまらない。
(自分で使うときは大切に使ってしまうのだけれど、プロ機こそ乱暴に扱っても大丈夫なのだろうと思っている。)
だからできれば縦グリップ一体型を所有して使ってみたい気持ちはあった。しかし縦グリップ一体型のボディなんて、購入の検討の俎上に乗ったことはない。高価すぎる。。
そこへきてE-M1X。
もはやバーゲンプライスにしか思えなかった。
私が買うモノを決める動機として、コスパはとても重要だ(我ながら残念だけれど。)。
指名買いをすることもあるのだけれど、コスパが良いと感じてしまうと、最初に決めていたモノから方針変更することもよくあった。
多分根が庶民なのだろう。
仕事帰りにカメラ売り場に足を運んで、店内の撮影を繰り返した。
ここがこうだったらな、と感じるところも正直かなりあったのだけれど、メーカーのフラッグシップで、しかも縦グリップ一体型のカメラを手にすることが現実的に可能だと感じた時、他の選択肢を選ぶことができなくなっていた。
何よりE-M1Xは格好良かった。
そして、2022年3月、賢明な方々がOM-1を予約する中、キャノンのカメラを下取りに出して、E-M1Xを新品で購入したのだった。
購入した時のことを思い返してみると、カメラの性能がどうとか画質がいいとか、そういうことは全く購入の決め手になっていなくて、しかも甚だ庶民的な理由と格好いいという思い込みによる買い物なのだけれど、1年間使ってきて、あの時の選択は正解だったと感じている。
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