見出し画像

001 松本伊代/ポニーテイルは結ばない(1985年)

作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄

京平さんの曲をいろいろ聴き返していて、これがすごく響いちゃったので紹介します。

伊代ちゃんが大人路線に転換する少し前の作品で、ロッカバラードの名曲です。
京平さんの曲は特に凝ったところはないんですが、典型的なロッカバラードにならない、歌詞の物語を運ぶメロディの良さが素晴らしいです。

で、売野さんの歌詞がイイんです。

夏の終わりの別れの歌なんですが、舞台は絶対に湘南のはず。
ちょっとワルい地元の男の子とのひと夏の恋ってやつです。
なんでそう思うかっていうと、女の子がポニーテールとくれば、男はリーゼントでダックテールですよ。
湘南のツッパリ君たちのロックンロール・ライフはオールディーズですから、だからこの曲もロッカバラード。

「ひとりぼっちのラストダンスね」ってのはThe Driftersの「Save The Last Dance For Me(ラストダンスは私に)」から取ってるはずだし、「キャンドルが消えた時」は(原曲との意味は繋がらないけど)The Crests「16 Candles」、「頬にかかる涙小指で」はBobby Solo「Una lacrima sul viso(ほほにかかる涙)とか、オールディーズのタイトルを思わせるワードが散りばめられているのもまた粋です。

ちなみに、「ラストダンスは私に」のラストダンスは、家に帰ってからのラストダンスって意味っぽいので、ここではそのダンスじゃないだろう!とかそういう勘ぐりは無粋ですw

「都会(まち)へ帰ったらこの長い髪切るから」

やっぱりこういうのにグッときてしまうのが80年代なんですよ。

さらに
「西風が吹く都会(まち)で長い髪切るから」

西風ってのは秋の始まりの風ですから、これは単純に季節の意味だけじゃなくて、恋が終わって心に吹く風って意味でしょうね。
こういうのは作詞家のセンスですね。

マニアックなこと言うと、50年代風のストリングスは、あえてモノラルっぽい中域を強めに出した音になっているように聞こえます。
これもオールディーズ感の演出。
萩田さんならそのくらいはやるでしょう。

ひと言ふた言だけ書くつもりが長くなっちった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?