60枚目 JETZT「鼓動」(1990年)/不運だった日本のU2
先日のJR80'sのラジオでもかけましたが、JETZT(イエッツ)はほんとに不運なバンドでした。 このメジャー2枚目では、日本のU2と言いたくなるほどに(ジャケット写真は絶対に意識しているでしょう)骨太かつ大きな広がりを持ったサウンドを聴かせるようになりました。
当時、氷室京介のバックでも弾いていた宍倉州吾のギターは、余裕のあるフレージングを奥行きのあるエコーを駆使したサウンドでスケール感たっぷりに聴かせます。 特にすごいのがシングルにもなった「Sunday」。ダイナミックさを増した内山和一のドラムス。田中潤哉のゴリゴリのベース・ラインと、宍倉のコード一発の説得力を持ったギター。メッセージ・ロッカーを気取った池上久のヴォーカル。当時のロック系では佐久間正英と並ぶヒットメーカーだった笹路正徳のプロデュースも的確。どう考えてもバンドにとって自信作だったはずなのに、ヒットにはかすりもせず。
当時のEpicは、2アーティストを同時にデビューさせて、当たった方をプッシュするという方針だったらしいのだが、そのもう1つのバンドがなんとドリカム。不運にも程がある。
今聴いても新鮮なカッコよさがあるし、現在は復活してまた活動しているようだが、「Sunday」のあのサウンドは、あの時代にこそ鳴らす意味があったと思う。
【収録曲】
1. Boy Friend
2. Love & Hate
3. Last Heaven
4. She Loves
5. Sad Girl
6. Wake Up!!
7. Bird
8. Monocrome Garden
9. Giving Tree
10. Sunday