80年代Japanese Rockの30曲 21位〜25位

続きいきます。

25位 EARTHSHAKER /ざわめく時へと(84)

シェイカーはいい曲多いんで迷いました。最終的にはこれと「夢の果てを」のどっちにしようかと悩み、この曲の"誰か俺たちにその答えを…教えてくれ"というセリフを僕が(誰にも分かってもらえない)ギャグとしてよく使ってたんで、コレにしました。
シェイカーって結局はマーシーだと思うんです。なんていうと、唯一のオリジナルメンバーであるシャラに申し訳ないんですが。シャラって懐が深いというか、一歩引いてサポートに回る感じがあるんですよ。そうなったときに、こういうメランコリックな曲は、マーシーのヴォーカルありきで作られていると思うんですね。前任のヴォーカルだった二井原実ではこうはならない。そういうものを引き出すシャラのうまさ。そして、ハードロックなのに深いエコーをかけてしまうという叙情性。実はハードロックかどうかって部分は、彼らにとって最優先ではなかったんではないかと。

24位 すかんち/恋のマジックポーション(91)

すかんちを知ったのは、ロッキンf誌のデモテープコーナー?でした。賞を取って紹介されてたのかな?でもローリーの写真は冴えないし、バンド名はヘンだしで、気に留めてませんでした。まだアマチュア時代のことです。その数年後、メジャーデビューして、そのデビューアルバム『恋のウルトラ大作戦』を聴いてビビるわけです。B級ブリティッシュ・ロック・マニアな完成された楽曲、ラブコメのような歌詞、そして、まるっきりブライアン・メイなギター・オーケストレーション。そんなわけで、インパクトは1stアルバムがいちばんなんですが、1曲となったとき、「君は窓辺のパントマイム」にしようか、とも思ったんですが、やはりいちばん有名なコレになりました。
コレは曲もいいんですが、歌詞の世界が見事に完成されてるんです。"ロックンロールの神様と呼ばれてた僕はどこへ行ったの"とか、なかなか自分で言えないっすよw サビ前で"Sugar Baby Love"と言っているのは、ルベッツの名曲から取ってますね。つまりこの曲は、ロックンロールでありつつ、英国版バブルガム・ポップってことなんです。ほかにも「Love Potion No.9」を思わせる歌詞だったり、ネタの仕掛けは多いです。もしかしたら、ギターパートに関しては、クリス・スペディングの「Guitar Jamboree」並にいろんな人のマネが入ってるような気がしてるんですが、未検証です。
1つ残念なのは、ラストの1分強はインストパート。ちょっと長かったかな。その入り口あたりでむりやりフェイドアウトさせたヴァージョンを作って欲しかったです。そうしたら3分に満たない究極のパブルガム・ポップ・チューンだったのに!

23位 布袋寅泰/Dancing In The Moonlight(88)

BOOWYを選ばすに布袋さんを選ぶというw 実は、BOOWYをよくよく聴き直してみると、出来が粗っぽいものが多いということに気付きました。『JUST A HERO』までは手探り感ありあり、あえての売れ線を狙った『BEAT EMOTION』や気持ちが覚めてる『PSYCHOPATH』は選ぶ気になれず、楽曲単位なら「Blue Vacation」かなと思いつつ、でもスタジオ盤にライブの勢いはないなとか考えているうちに、布袋さんのソロしか残ってませんでした。
この曲の16ビートはBOOWYではやれない感じだし、それでいて布袋さん以外の何者でもない。ソロになったことの開放感が凄いんです。曲調としてはデイヴィッド・ボウイあたりを意識したのかなという感じもあり、自分で歌うことになったのは予想外の展開だったとしても、外国人の女性コーラスをガッツリ入れているあたり、海外でのヒットを狙っているなというのが如実に現れています。この曲はUKで12インチを切ったんですが、わずか2週間で廃盤という洗練を浴びます。どんだけ売れなかったんだ。とはいえ、そういったことを経て、凄まじい勢いでソロ・キャリアを築いていくことになるわけです。BOOWYのキャリアってのは、ヒムロックも含めて、彼らにとってはソロへの助走というか、プロトタイプみたいなものなのかもしれないなと。

22位 DEAD END/So Sweet So Lonely(89)

彼らの作品はそれぞれに違った色合いがあるので、どれがいちばんというのは難しいんですが、4thアルバム『ZERO』の特別というより特殊な感じはちょっと無視できないところがあります。前作『shambara』に「Heaven」という変化の予兆的な曲があったとはいえ、バンドの音ってここまで急激に変わるものなのかと驚かされました。初期の魑魅魍魎な世界観から解放され、世紀末の背教的な世界観に舞台を移し、サウンドからもおどろおどろしさがなくなり、バキッとクリアになりました。プロデュースを担当したのはPINKの岡野ハジメ。
「So Sweet So Lonely」は、そこからのシングル曲で、これまでになくポップかつキャッチーな楽曲。かといって売れ線でもなく、音楽的なポップという、非常にバランス感に優れたところが良いです。MORRIEの歌の上手さを伝えるには絶好のゆったりしたメロディや、YOUちゃんのギターもお得意のレガードなフレーズが全開。このサイバーでグラムな音空間は、PINK〜ちわきまゆみ〜DEAD ENDを経て、やはり岡野がプロデュースしたラルク・アン・シエルに結実します。

※これを書きかけにしていたまさにその間に、足立祐二さんが亡くなってしまいました…。高校時代、DEAD ENDのギターは何曲もコピーしました。ご冥福をお祈りします。

21位 NEWEST MODEL/知識を得て、心を開き、自転車に乗れ!!(91)

ニューエストで1曲はほんとに迷いました。いい曲が多いし、シングルカット曲も多い。でも、中川さん流の"最新作が最高傑作"という法則に沿って選べば、ニューエストの最終作である「ユニバーサル・インベーダー」から選ぶのが適当でしょう。
この曲は、自分の中ではP-FUNKなんですよ。リズム・パターンこそPではないけども、このわさわさと群れる感じや、やたら分厚いコーラス、オープンなメッセージ、どれもPのマインドに即したものだと思います。で、この頃のニューエストのシングルのジャケは洋楽のジャケのパロディを連発していて、この曲は当然P-FUNKがネタになってます。面も裏もFUNKADELICの「Uncle Jam Wants You」。実はこのジャケは2種類あって、一般的なのは白地にジョージ・クリントンの写真のやつ。で、ここで元になってるのは、レアなサイケデリックなイラストの方。しかも、裏ジャケまでパクってるという徹底ぶり。中川さんのレコードマニアぶりがよく分かる仕上がりです。

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