見出し画像

ライブハウス再開に向けて、関係者はどうすべきなのか

東京都も5月25日には緊急事態宣言が解除になるのではないかという報道がなされています。その中で、東京都の小池知事は、<新型コロナウイルスを乗り越えるためのロードマップ>を発表しました。

そこにあったのは、ステージが進んで、1000人規模の会場が解禁されても、ライブハウスやカラオケはNG。補償もないままで。一体何を根拠にこんなことを言っているのか。

これは私感ですけど、ライブハウスはスケープゴートにされたんだと思います。つまり、徐々に社会・経済活動を解禁していく中で、それでもまだ警戒を解いてはならないと。まだ営業再開できない業種があると。そういう<演出>が必要だったんだと思います。そこで選ばれたのが、営業できなくても社会的には何の問題もなく、興味がない人も多いであろうライブハウスだったのではないかと思います。

では、実際にライブハウスの営業実態がどうかと言われれば、スシ詰めの会場で若者が腕を振り上げて盛り上がるロックのライブ、なんてものはごくごくわずかだと思います。いまは椅子に座ってゆったり飲みながら、または食事をしながらみたいなお店も多いです。また、カフェの一角で1〜2人くらいで生楽器の演奏をしたりなど、演奏形態は多様なものになっています。音楽の流行的にも昔のように、ライブハウス=激しいロック・ミュージックという状況ではありません。

こういったことは、多くのライブハウス関係者、ミュージシャン、そしてお客さんなら、当たり前のようにわかっていることです。でも、世間のイメージはそうではないのでしょうね。実際には、例えば、飲食店のカウンター席の方が何倍も「密」です。

そんな状況の中、各お店ごとにクラウドファンディングなどの救済プログラムは立ち上がってますが、行政に物申す動きはありません。SNS上で個人が吼えても、それが行政に届くわけではありませんし。

しかし、ようやくキャンペーンが立ち上がりました。

これを立ち上げてくださった方、本当に素晴らしいと思います。
誰も動かない中、業を煮やしたんだと思います。
もちろん僕も署名しました。
ただし、ちょっと厳しいこと書きます。
内容があまりにも足りないことだらけだからです。

誰に向けての署名なのか。
なぜ2500人でOKなのか。
誰が賛同してこれを立ち上げたのか。
最終的にいつを期限に何を達成しようとしているのか。
本文を読むと、以前から対策しながらやっているんだから、それでいいだろう、という内容。本当にそれで納得してもらえるのか。

そして、いちばん大事なこと。
これを誰に提出するのかが書いてないんです。
国に提出してもまず受け取ってもらえません。
では、自民党なのか。それも違います。
これは各自治体に提出する内容なんです。
例えば、東京都知事。
では、神奈川のハコはどうするのか。
千葉は?埼玉は?

集めた署名をどうするのか。
たった1人で都庁に署名を持って行って、どうにかなるのか。
それで受け取ってもらえると思うのか。
受付でお預かりしますって言われて、知事に上がる前に止まっちゃいますよ。

これで失敗したら、関係者全員意気消沈して終わり。
やっぱダメだった〜って。

やはりここは、実働部隊を作って、現場の人たちも巻き込んで、法的な部分を担当してくれる人にも声をかけてやるべきでしょう。
ネットなどでキャンペーンを張ってくれる人がいたらもっといい。
個別に動いてもダメなんです。
ちゃんとチームを作って動いてほしいです。

行きつけのハコに声をかけて、そこに出演してるミュージシャンに声をかけて、そのミュージシャンたちが出演してるハコに声をかけて、弁護士なども巻き込んで、ある程度の人数が集まったら具体的に何を目指すのかを決めて、その上でキャンペーンを張っていく。
話題を大きくして、ネット上だけでなく、テレビを通してもこんな動きがあると紹介されるくらいに大きな話題にしてほしい。
可能なら、いまのライブハウスとはどういうものなのか、そういうところまできちんと紹介されれば、ライブハウス=悪というイメージは緩和するでしょう。
今からでもいいので、そういう実働部隊を作ってください。
これは当事者がやらないとダメです。

例えば、電気グルーヴの商品回収問題のときのキャンペーンには、数人の発起人とそれに賛同する著名人たちが賛同人として名を連ねていたはずです。
そういうことはやらなくちゃならない。

数で大きく見せるのはいやらしいと思うかもしれない。
特にミュージシャンはそういうのを嫌うかもしれません。
でも、国や自治体に物申すってそういうことなんですよ。

そして、これを書きながら、とあるお店の方と意見交換していました。
なぜライブハウスは横のつながりを持てないのか。
ここでは詳しくは書きません。
ただ、今回は個別のお店の危機ではなく、ライブハウス業界全体の危機であり、それはライブ主体で生活するミュージシャンたちにとっての危機であり、音楽産業全体にとっての危機につながることです。
内輪の話はひとまず横に置いて、なんとか乗り越えてほしい。

このままだと、他業種が営業再開する中で、テレビはそちらばかりを報道して、ライブハウスは営業停止のまま置き去りにされるでしょう。今後も、ライブハウス業界は叩いても何も文句を言わないと、何かあった時にまた標的にされます。警察や国会議員が風営法を持ち出して点数稼ぎに利用するかもしれません。

でも、せっかくキャンペーンが立ち上がったわけですから、今からでも遅くないので、ライブハウス関係者、ミュージシャンの皆さんは、周りの人に相談して、力になれる人を巻き込んで、本気で勝ちに行ってほしいと思います。

※追記 署名を誰に提出するか書いてないと書きましたが、発起者の方のお名前の横に「都知事宛て」とあったことに気づきませんでした。お詫びして訂正させていただきます。でも、こういう大事なことは本文の中で触れて、そこに向けてやるんだ!という意思表明をしていただきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?