サルでもわかるNISA講座 その16「NISA口座でもオルタナティブ投資してみる?」
なんかタイトルが煽りサムネ化してるなあw
(気を取り直して)投資では「卵は一つのカゴに盛るな」と言われます。自分が持っている卵を一つのカゴに入れていた場合、それをひっくり返すと全部の卵が割れちゃうからカゴはいくつかに分けた方がいいよねってことで、分散投資を勧める際によく使われる格言ですな。
個別株で言えば、一つの銘柄ではなく複数の銘柄に分散するといいってことなんだけど、せっかく複数の銘柄に分けても、それらのパフォーマンスが似通っていたら、分散効果は少ないってことになるんだな。例えば「これから金利が上昇しそうだな」と思って「金利上昇で業績が上向くだろうから銀行株を買おう。でも分散した方がいいから、みずほ銀行と三菱UFJ銀行の株を買おう」だと、あまり分散効果はないってことになる。「金利上昇で業績が上向くのは銀行セクターだな。金利上昇によって円高になればその恩恵を受けるのは原料を輸入する企業だし、海外旅行もまた盛り返すかも。銘柄は分散した方がいいから、みずほ銀行と日清製粉と日本航空の株を買おう」というのは、少し分散効果はあるよね。でもその三銘柄は「金利が上昇すればパフォーマンスが上がる(だろう)」という点で、パフォーマンスに影響を与える要因とパフォーマンスの方向が同じなわけ。であれば、金利が上昇するとパフォーマンスが上がる銘柄と逆に金利が下降するとパフォーマンスが上がる銘柄を組み合わせた方が分散効果は高くなるわけ。
投資のパフォーマンスに影響を与える外部要因ってのは様々なものがあって、例えば上に挙げた国内株の例では、金利とか為替ってのは代表的なものだけど、業種(セクター)も重要なファクター。なので、「よー分からんから、全部買っちゃえ」ってのがインデックス投資。国内株で言えば、日経平均とかTOPIXとかJPX400というのがそう(インデックスの話はまた別の機会に)。でもそれは結局、国内株である以上、日本の景気全般の影響に関しては同じ方向だよね。そうすると、国内株だけじゃなくて海外株にも投資対象を広げると更に分散の効果が望めるってわけだな。
とは言っても、株ってのはあくまで景気のバロメーターだから、各国それぞれの事情は異なれど、地球レベルの景気ってのもトレンドがあるから、株だけに投資してたんじゃ分散効果は少ないんじゃないか?ってのは当然バリッドな議論だよね。
投資対象となる資産で代表的なものは株と債券。株のファンクションは景気、対して債券のファンクションは金利、そして景気と金利は循環サイクルがずれているから、株と債券とに投資を分散するのは分散効果が高いとされるんだな(←「ここ試験に出るから!メモっとけよ」)。ただ現時点の超低金利というマーケットコンディションと、金利の変動性の低さを勘案すると、「別にNISA口座で債券を買う必要はないんじゃね?」ってのは以前に述べたところ。
そして株と債券以外の投資対象を「オルタナティブ投資」と言います(ジャーン!)。オルタナティブ投資の特徴は、「株式、債券の伝統的な投資との低い相関」と「伝統的な投資よりも高い潜在リターン」だな。まあ、後者は期待込みだけど、株や債券よりもリターンがそもそも期待できなければやる必要なしってことだから。分散効果を考えるとオルタナティブ投資ってのはかなり有効なんだな。
オルタナティブ投資には様々なものがあって、ググるとなんかカタカナのかっこいいネーミングの投資手法が挙げられてるけど(「オルタナティブ・クレジット」「プライベート・エクイティ」とかね)、先に述べたように「株と債券以外の投資」=「オルタナティブ投資」なので、例えば絵画やワインもそれを投資資産として保有するならそれはオルタナティブ投資なんだな。
で、今日のお題に戻ると、NISA口座でできるオルタナティブ投資ってのはかなり限られている。はっきり言ってREIT(リート)とゴールドの二択。
自分はマネックス証券で口座を持っているので、NISA口座で積み立てできる投資信託で検索すると、ヘッジファンドもわずかながらヒットするけど(ヘッジファンドも代表的なオルタナティブ投資の一種です)、パフォーマンスは今一つなのでここでは考慮しなくていいかな。
と、今日はここまでにしておいて、REITとゴールド投資の各論に関してはまた後日。
(Face Book 2/6/24の投稿を転載)