サルでもわかるNISA講座 その27「パズルの最後のピース=新興国株式投資信託」
初めに言っておくと、NISA口座では海外REITは積立購入しないことにした。商業用不動産の賃料という将来のトレンドが不明確な商品特性であることに加え、「為替リスク+金利リスク」と分散効果を天秤にかけるとまあそこまで手を広げることもないかな、と。ということで今回お題の新興国株式投信がパズルの最後のピースになります。
新興国というと筆頭は中国。2001年にゴールマンサックスが「BRICs」と命名して新興国投資推しをして、注目されてから以降の成長は目を見張るものがあった。だけどここからの成長には、個人的には大きな疑問があるってのは言ってきたところね。
中国は2022年から人口減少国に転じている。不動産市況が芳しくないことから、中国株はこのところ「1弱」状態だけど、自分が憂慮しているのは若年層の失業問題。先日目にした記事から引用すると、中国では大学進学率が8割と日本の6割を超えているんだけど、大学卒業後会社や公務員に就職できるのは57.6%と大学卒業生の4割がプチ失業状態らしい。そして昨年2023年の国家公務員の募集が3.7万人に対して受験者は152.9万人!41倍という倍率は日本の3.2倍をはるかに上回ってる。そうした状況から、公的部門への就職を希望する学生が71.5%で、民間部門を希望する学生の27.2%を大幅に上回ってるってさ。若者が超コンサバ化している社会に魅力はないんじゃないかな。
最近の新興国投資で言われるのが「脱中入印」。インド投資が人気してるよね。来年2025年には、中国を抜いて人口が世界最多になるってのは象徴的な出来事。確かにインド投資には注目していて、この連載を始めた時点では新興国投資はインド一択でいいかなと思ってたんだけど、少し考え直してはいるわけ。
新NISA投資が始まって、三菱UFJアセットマネジメント運用のeMAXISシリーズが人気してるってのは聞いてるよね。そのeMAXISシリーズではこれまで単一国の株式投資信託は日本株式とアメリカ株式の設定しかなかったんだけど、インド株式のファンドがデビューすんだな。2月22日から運用開始だけど、これは自分的にはbad sign。「『USA Today(アメリカの一般紙)』の一面で株式市況がニュースになれば売り」と同じニュアンス。まあ日本の個人投資家がわーわー言ったところで、影響するほどマーケットは小さくないけど、昨年11月頃から騰勢を強めていたインド株には既に投資していて、追加投資をした上で売りどころを探そうと思っているところ。それは短期の投資で、ここでお勧めしている長期積立投資では、インド一択ではなくて新興国でも分散したいところなんだな。
新興国投資で投資先が分散してかつ中国外しってあるかなと思って探したら、ありました。そしてそのパフォーマンスも悪くないんだな、これが。その名も「働きざかり~労働人口増加国限定~iTrust新興国株式」。名前がイケてるかどうかは置いておいて、趣旨は分かりやすいよね。運用はスイス系のピクテ・ジャパン。労働人口増加国ってことだと中国は外れるんだな。運用対象の上位国は、ブラジル20.0%、インド19.2%、メキシコ15.0%、南アフリカ12.8%、アラブ首長国連邦8.7%。5年のトータルリターンが7.95%、3年23.63%、1年は34.52%と伸びてるところが新興国株式らしい勢いだな。
ということで、新興国株式投信は「iTrust新興国株式」を選定。これでパズルのピースが全てそろったので、次回は「最終回-1.0」と題して、まとめと配分。「最終回」では実際に自分のNISA投資申し込み実況を報告しようと思ってまーす。
(Face Book 2/19/24の投稿を転載)