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夏のある日、一日目(2024年8月19日)

 目が覚めた、と思うと眠気が襲ってくる。緊張で眠れないのはよくあることだ。寝た気がしない、と思いながら支度をする。

 バッグの中でお弁当のドレッシングが漏れていることに気づく帰り道。だがしかし、いつものようにイラつく元気は残っていない。

 緊張、歩き、そして体にしみる汗、すべてが電車の冷房と化学反応を起こし、体に寒気をもたらす。「あー、よく眠れていれば」

 事務所に着く、仲間が二人いたようだ。広島と福岡からだそう。東京、それはまことに不思議なまちで、住んでいるとつまらないのだ。彼らが楽しみを求めているのかは「」にいれて、私は東京というまちに最近飽きが来ている。

 事務所内では東京以外のプロジェクトが進行しているようだ。様々な地名が飛び交いながら、私より少ししか違わない先輩方が、施主やパートナーと打ち合わせをしている。不思議だった。

 以前私はベテランの事務所に行っていた。所員の方々はみな、ある程度経験を積んでいるだろう風貌で事務所を駆け回っていた。私が求めていたのはこのギャップなのだろうか。

 そういうことなのだろう。としておくしかない。まだ一日目。今日はたくさん座ってPCをいじった。社会に触れよとするたび、己の未熟さに気づくばかり。反作用のほうが大きいではないか!といつも思う。でも違う、その分糧になる材料を得ているともいえる。

 一歩ずつ行く必要はない。もはや前に進まなくても大丈夫。そう思いながら、いっぱいいっぱいに広がったドレッシングをシャワーに流す。


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