ベトナム・タンソニャット空港のぼったくりタクシー
私は、ベトナム・ホーチミン市に住んでいるのですが、ここ2年程は新型コロナ感染防止の入国規制のため、自由に日本とベトナムの往来ができませんでした。しかし2022年春になって感染防止策が緩和されたので、久しぶりに日本へ一時帰国しました。その帰りのベトナム入国の時のことです。
配車アプリ「グラブ」を名乗るぼったくり詐欺
私の搭乗便が順調にべトナム・タンソニャット空港に到着し、スーツケースを引っ張りながら空港ビルを出たところで、数名のおじさんに声をかけられました。みんなぼったくりタクシーの客引きです。
適当に無視して歩いていると、ある客引きがグラブ(Grab)のロゴの入った身分証明書とスマホを出してきて、「自分はグラブのサービス係だから、スマホでグラブを予約してあげる」と言います。グラブというのは、ベトナムで最大手の配車アプリです。
私は単なる白タクの客引きなら無視するのですが、グラブを配車するという手口は初めて見ましたので、この客引きと少し話をしてみました。すると、客引きは私の予約したホテルの住所を聞くとグラブを予約して、グラブのチケットを買うのでお金を払ってほしいと言います。グラブは、降りるときにドライバーにお金を支払うシステムですから、チケットなんか必要ありません。私がお金はドライバーに直接払うというと客引きは、どこかへ行ってしましました。もし私がグラブを利用した時の支払い方法を知らない旅行者なら、この客引きに騙されて、お金を支払ってしまったかもしれません。グラブのロゴの入った身分証明書もたぶん偽物だったんでしょうね。
カオスなタクシー乗り場
タクシー乗り場に歩いていくと、胡散臭そうなタクシーばかりが並んでいています。安心して乗れる大手タクシー会社のタクシーは1台もありません。いかがわしいタクシーには乗りたくありませんでしたが、疲れていたのと他に移動手段がなかったので仕方なくホテルまでタクシーに乗ることにしました。
タクシー乗り場に近づくと、今度は数人のタクシードライバーに一斉に声をかけられました。その中の一人のドライバーは何の断りもなく、私のスーツケースを自分のタクシーに載せようとします。さすがに頭にきて、スーツケースを取り戻すと他のタクシーに乗り込みました。その後のことは詳しくもう書きませんが、タクシー代をいくら払うのかでもめました。
ベトナム人の友人にぼったくりタクシーのことを話すと、そういう時はスマホで写真を撮って、「公安に通報するぞ」と言えば相手が大人しくなると教えてくれましたが、そんな時は写真を撮れるような雰囲気ではありませんよね。そもそもスマホがひったくられるかも知れません。
ベトナムのタクシーの現状
ベトナムでは、ビナサンタクシーとマイリンタクシーが大手タクシー会社で、乗っても安心とされていますが、ネット報道によると両社ともコロナ禍と配車アプリのため大幅に台数が減っています。
おまけに最近は、ビナサンタクシーではなくビナタイタクシーという紛らわしい名称のタクシーが、夜の繁華街で日本人客相手にトラブルを多発しているそうです。
これについては、ホーチミン日本総領事館も注意喚起を行っています。
【タクシー及びバーやカラオケなどでの金銭トラブルの注意喚起】
https://www.hcmcgj.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00685.html
ベトナムの進歩と発展
タンソニャット空港のタクシー乗り場のカオスぶりは10年以上前から変わっていません。
経済発展につれて少しはマシになるかと期待していますが、今のところその兆しは、全くないように思われます。皆さんが日本人だけでベトナムに来られるときは、ベトナム在住の友人に迎えに来てもらうなどの自衛手段が必要だと思いました。
私は、ベトナムが大好きですし、一人でも多くの日本人にベトナムに来ていただきたいのですが、タンソニャット空港のぼったくりタクシーは注意が必要です。ベトナムの発展のためにも、ベトナムのイメージを悪化させないためにも、ぼったくりタクシーが何とかなればいいなと思います。
(2022年8月の情報です)