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アパレルECサイトの限界を考察して【ZOZO】の長期戦略を勝手に考えてみた

皆さんこんにちは、「勝手に経営者ヅラ労働者」清原です。

勝手に経営者ヅラと名乗っている以上、今回のようなテーマを書かなければいけないなと思い、書くことにしました。
当たり前のことが書いてあるかもしれませんがお付き合いください。

今日のテーマは、「もし僕がZOZOの社長だったら」です。
現在の一般的なアパレルのECサイトの問題点を考えつつ、どう解決するかを考えていきます。
単なるいち大学生のたわごとなので、ご意見、ご批判あればどんどん言ってください。

◆前説

2017年11月22日、スタートトゥデイ社(現株式会社ZOZO)がZOZOSUITを発表しました。

このリリースが出た当時、僕はまさにユニクロの本社でインターンとして働いている最中でした。
リリースを見た瞬間、少なくとも僕は、アパレル業界がひっくり返ると感じ、すぐにZOZOSUITを申し込みました。

これまで服をインターネット経由で購入する最大の悩みは、試着ができないこと。サイズが合うかどうかがわかりづらかったことにある。ゾゾスーツは、着るだけで身体のサイズが自動で計測されるというシンプルなソリューションで世間を驚かせた。(日経MJより引用)

という意見に見られるように、当時の僕は、インターネットで洋服を購入する際の最大のボトルネックサイズだと思っていました。

しかし、ZOZOSUIT以後、ZOZOTOWNでの取引量が急増したというようなニュースは耳にしたことはありません。

まだZOZOSUITが広く行き渡っていないという可能性もあるとは思いますが、ZOZOTOWNでの取引量が増えない理由に、2つ仮説を立てました。

◆仮説整理 -アパレルECサイトの限界とは-

仮説1:洋服にぴったり感はあまり求められていなかった
仮説2:服をネットで買うときの最大のボトルネックはサイズではなかった

これら2つの仮説は、決してZOZOTOWNに限った話なのではなく、全アパレルのECサイトにも当てはまることだと思います。

仮説1:洋服にぴったり感はあまり求められていなかった

洋服を大まかに、カジュアルウェア、ビジネスウェア、下着(肌着)の3つに分類します。
僕はZOZOSUITで得たデータをもとに、ジーンズとカットソーを注文しました。

最初はジーンズとカットソーのぴったり感に驚いたものの、次第にぴったりでなくてもいいかなあと何となく思うようになっていきました。

確かにジーンズは、ベルトをしなくていいというメリットはあったのですが、食べ放題とかに行くとお腹がふくれて苦しいというデメリットも同時にありました。

カジュアルウェアにぴったり感は必要なのでしょうか?

一方、ZOZOHEATに関しては、ぴったり感との親和性はものすごく高いと感じました。密着する分かなり保温されている感じがあり、また上にセーターなどの重い服を着てもZOZOHEATがずれないので、肌着が見えることが決してありません。
肌着は、初めてぴったり感が活きてる領域だなと感じました。

仮説2:服をネットで買うときの最大のボトルネックはサイズではなかった

サイズがボトルネックであったならば、それが解消した今では、注文数は伸びるはずです。
しかしそうなっていない以上、サイズが最大のボトルネックではなかった、または大きなボトルネックが他にもあったと考えるのが自然です。

そして、そのボトルネックは次の2つだと考えています。

①ディテールが分からない
②自分に似合うかが分からない

①ディテールが分からない
一般的に、高い服ほどディテールに気を遣っています。
いわゆる素材感であったり、ボタンだったり、縫い方などにです。

しかし、どんなにこだわられて作られた洋服でも、インターネット上にリスト化されてしまったら、違いがそこまで出ないのです。

僕はジーユーで1年働いていたので、ジーユーの商品かどうかは実際に目の前で見たら分かります。しかし、ネットの画像では、ジーユーの商品とそのほかの商品の違いは分かりにくくなります。

ディテールが分からないので、インターネットではある程度以上高い商品を買うことは、少なくとも自分にとってはハードルが高いのです。

購入後1週間以内は返品無料のようにすればいいという意見もあると思いますが、やはりそれはめんどくさいのです。
店舗での様々な面倒を嫌ってインターネットで買い物しているような人たちが、返送にかかる時間コストを受け入れるようには思えません。

②自分に似合うかが分からない
先日、Onimeganeという表参道にある眼鏡屋さんで、眼鏡をつくる機会がありました。
Onimiganeさんの品質や一連のサービスは素晴らしかったのですが、その中でも特に新鮮に感じたことがありました。
それは、店員さんが、お客さんのスマホで、お客さんのメガネ着用写真を撮ってくれるというサービスです。
このサービスを受けたことで、初めて自分で納得したメガネフレームを選ぶことができました。

このサービスのすごいところは、もちろん視力が悪い人でも自分の姿を間近に確認できるというのもありますが、使い慣れたスマホの画面という「いつもの文脈」で自分自身を眺めることができるという点にあると思います。

これによって、鏡で自分の姿を見るよりも、格段に納得して買うことができたと思っています。

また、ジーユーでのバイト中に試着室の中から、シャッター音が聞こえてきたことが何度かあります。
これは、調べたところインスタグラムに着用画像をアップロードしている人が一定数いるらしいのです。
この行為も、鏡越しで見るのではなく、スマホ越しという「いつも文脈」を通じて自分を見ていると言うことができます。

眼鏡も服も、その商品を買っているというよりは、着用したときの見た目を買っているのです。

このように、自分に似合うかで買うか否かで判断しているのに、インターネットの通販では似合うかを確認する術はありません

以上のことから、僕はアパレルのECサイトにおいては、サイズよりも、ディテールが分からないことや、自分に似合うかが分からないことの方がボトルネックなのではないかと思います。

ユニクロは、自社ECサイトで最も成功していると言われています。
それは、ユニクロの服のクオリティをみんな知っていて、なおかつ無難な服が多いから、上記の2つがボトルネックになっていないのです。

◆もし自分がZOZOの経営者だったら

ここからはもし自分がZOZOの経営者だったらどういう戦略をとるかを書いていきます。何度も言いますが、何のしがらみのない大学生の意見ですので、ご批判あればどんどんしてください。

一言で言うと、ZOZOHEAT以外のPB商品を取捨選択し、既存ブランドの支援会社へと転身を図るという戦略です。

PB商品の取捨選択

大胆な転換なので、かなりの反対はあると思います。
ZOZOがSPAになるというシナリオもあるとは思いますが、ユニクロ、H&M、ZARAと割と飽和状態なので、このnoteではSPAの可能性は考えませんでした。

ジーンズや、カットソーなどの商品は、既存ブランドとのカニバリゼーション(共食い)を起こすと同時に、あまりにユニクロ・ジーユーが強すぎるので、徐々に縮小します。
ただ、ZOZOHEATに関しては、自分で着用してみて、ぴったり感との親和性がかなり高く、他社商品とカニバリゼーションを起こさないので、むしろ拡大します。

既存ブランドを支援する会社に転身する

・リアル店舗での支援

2015年の記事なのですが、ユニクロで店員の測り方が人によって違うという記事があります。
これは、アルバイトが多く働いているファストファッションではどこでも起こり得ることです。

しかし、ZOZOSUITを使えば、知識がない人でも、正しくかつ詳しくサイズを測ることができます。

このようなZOZOSUITで一度測ったサイズをアプリに入れておいて、店舗でタグのバーコードを読み取ると、その型の服は何サイズが合うかが表示されるようになればとても便利だと思います。

店舗には1日に何人か、店頭にいいサイズがなく、取り寄せがめんどくさいため購入を諦めるというお客さんがいます。
自分のサイズを常に持ち歩いておくことで、確実に着られることが分かるので、そのような機会ロスをなくすこともできますし、アプリから注文できるようにすれば店舗側の在庫が最小限ですみます。

さらにサイズ表記が分かりにくいブランドであっても、購入をためらうことが少なくなると思います。
以上のように他社ブランドのリアル店舗の支援をします。

・ECサイトでの支援
次に他社ブランドのECサイトの支援です。

下記の記事のような、写真に買いたい服を合成できるアプリの開発を指示します。
これによって、ボトルネックのひとつである、自分に似合うかが分からないというものの解消を狙います。

この時に最近の3Dアバターのようなクオリティではなく、あくまで日常シーンで、その服を着るとどう人の目にうつるのかが分かるような設計にします。
これは先ほどのメガネ屋さんの話の「いつもの文脈」という観点です。
正直、鏡越しで見るよりも、スマホ越しで見る方が現代においてはリアリティがあって買いやすいと思います。

◆まとめ

いまのようなプラットフォーム企業のままでいることは正直難しいと思います。
ユーザー層の若さでいうとメルカリが参入してきたら勝ち目がないですし、PB商品もまだこれからという状況です。

大きな方向性としては、徹底的に支援にまわるか、SPA会社として貫き通すかの2択だと思います。
しかし、SPAはありふれているので、デジタルを最大限活かした新しいプラットフォームを見てみたいという気持ちの方が僕は大きいです。

以上、勝手に経営者ヅラでZOZOの長期戦略を考えました。

これからのZOZOは、かなり面白いフェーズに入っていくと思います。自分が大学3年生で就活していたら、間違いないく受けたい候補に入っているでしょう。

服作り的な発想に基づいて作られていない会社はとても貴重で、そのような会社にしかできないことがたくさんあると思っています。

皆さんも思ったこと、考えたことをぜひ共有してください。

ぜひTwitterで感想つきで呟いていただけたらと思います!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それではさよなら〜

清原(@Takashi0Zo)

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Takashi Kiyohara
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