【リアル松本の独り語り】2つのアプローチで国際的に研究を続けよう!これからのAIガバナンス
欧州AI規制が正式に合意!
欧州AI規制が正式に合意したそうです。
欧州委員会の方々は30時間以上にもわたる討議お疲れ様でした。LinkedInでもEU関係者の投稿が盛り上がっていますね。
日本は包括的なハードローではなく、ソフトローでのアプローチを取っていますが、AI技術自体が常に進化し、AIガバナンスの在り方もどちらのアプローチが絶対に正しいということはないため、この世界に二種類のAIガバナンスのアプローチが存在することは「AIガバナンスの在り方」を検討していく上で好ましいことだと考えています。
個人的な予測ですが、両アプローチとも以下のような検討が進み、最終的には近づいていって、Interoperableな AIガバナンスが実現していくのではと期待しています。
EUの包括的なハードロー・アプローチ
→ 禁止AIに該当するが、社会課題解決目的のユースケースは限定的に許可する(例. 労働者のメンタルケア、障害者向けのストレス緩和支援、自殺の予防等)
日本のソフトロー・アプローチ
→ 重要な産業で領域別もしくは特定ユースケースに規制(例. 医療、金融、教育、モビリティ、社会インフラ等)
また、今回の欧州AI規制ではゲーム関係は低リスクと分類されていますが、韓国ではオンラインゲームやメタバースに関わるリスクが従来から指摘されているので、ゲーム空間でAIとユーザーが対話するようなシチュエーションでのリスクについては継続検討が必要かもしれません。
Microsoftは生成AIを用いて、Xboxのゲーム内にAIキャラクターを作ろうとしていますね。
ちなみに、韓国では一度深夜帯のプレイ時間を禁止する規制を行ったものの、経済的な機会損失から2022年に規制を廃止しました。
ハードローが現実にフィットしなかった事例という点で重要な学びですので、今後国際的に事例や研究が共有されていくと良いですね。
どうする?日本のAIガバナンス
今後日本が取るべきスタンスですが、前述の通りソフトロー・アプローチのままで良いものの、欧州でのイノベーションやルール形成の状況は継続的に研究していくことが必要と考えています。
むしろ、相互にベストプラクティスを共有し合うことが重要だと思います。
短期的には規制の強度が低い日本が、AIの研究開発や社会実装は進みやすくなると思いますので、欧州の専門家も日本の事例やAI普及状況を知りたくなるのではないかと。
逆に規制の強い欧州で今後発生するAIイノベーションは、本当に洗練されたAIガバナンスの実例になり得るとも考えられます。
欧州企業にとってはかなり高いハードルかもしれませんが、チャレンジして欲しいですね。
日本企業にとっては、短期的にはAIの開発・利活用を一気に進めるチャンスだと思います。
ただし、1つのインシデントで実現したユースケースが簡単に水泡に帰すので、AIガバナンスの実現をユースケースのレベルで同時に進めていくべきです。
つまるところ、AIの社会実装を広げていく上では、イノベーションと信頼性を偏りなく検討していくことが必要です。
日本国内でもAIガバナンスの有識者と名乗る専門家が様々な領域で増えてきましたが、一部以下のような方もいるので要注意です。
対処法も簡単にコメントしましたので、是非ご参考にしてください。
「欧米がハードローなんだから、日本は遅れている。日本もハードローにすべきだ」と主張する人
→ ハードローじゃないと遅れているなんてことはないです。是非スルーを。「ルールが国ごとに違うと面倒くさいので、もう一緒にしたいと言う人」
→ 残念ですが、各国で事情が違います(そもそも憲法も文化も違います)。早期にあきらめていたただくように伝えてあげてください。とにかく、具体性がない人(とりあえず、公平性、透明性、プライバシーとか言っておけば良いと思っている人)
→ 「AIに期待するパーパスとAIに懸念するリスクを具体例で教えてください」と聞いてみてください。そこで具体的なコメントが出てくるかどうかで社会実装の関心度合が見極められると思います。
リアル松本の「たまには俺に言わせろ!w」
昔から何度もブログを3日坊主でやめてきたリアル松本ですが、デジタルMATSUMOTOさんが毎日投稿してくれるので、たまに本当に言いたいことだけ書けるようになりました。
川柳も思いついたのでリアル松本が作成しています(川柳と言うか、CMのパロディですが)
デジタルMATSUMOTOを始める前後で比較すると、以前よりも多くのニュースに関心が向いたり、デジタルMATSUMOTOの生成してくれた考察自体から学びがあったり、考察以外にもいろいろ質問へ回答してくれたり、当初想定していなかったメリットもたくさんあるなと感じているので、年末辺りにまた振り返り記事を作成しようかなと考えています。
ちなみに、この記事自体もデジタルMATSUMOTOの知識へ新たに追加する予定です!