フラワーロス削減のプロジェクトを行いました🌷全3回の活動報告と学びについて
5月26日、6月30日の越中大手市場、そして7月6日・7日のまちなか学生シェアハウスfil発イベント「fil×マチユクアナタ」にて、フラワーロス削減の取り組みとして廃棄されるはずだったお花のプレゼント企画を行いました。
いろんな媒体で告知してきたので、知ってくださっている方もいらっしゃるかもしれないのですが、3回やってみてフラワーロスに対する認識や周りからの反応が蓄積されてきたので(笑)改めてどんなことをどんな思いでやってきたのかをまとめました。
フラワーロスを知ったきっかけ、問題意識と行動に至るまで
私はもともと家にお花を飾るのが好きだったので、生産から消費者の元に至るまでに廃棄されているお花の存在、というのはなんとなく知っていました。
でも、たとえば食糧問題とは違い、お花の廃棄というものが一定程度必要なんじゃないかとも思っていました。お花屋さんのお花はいつだって綺麗だし、そういうものが求められる世界で当然だし、これはプロジェクトをやってみた今も変わらない気持ちです。
しかし、コロナ禍でイベントの中止などによりお花の消費量が減り、問題が目に見える形で入ってきました。他にも輸送費の高騰や温暖化等の影響による輸入切花の高騰などから、どこかお花が「嗜好品」のように思われている風潮も感じ取っていました。
そんな時に、北陸を中心に「花まつ」などの店舗展開を行っている株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションの代表取締役社長、松村吉章さんにお会いする機会があり「もっとお花を持って歩く人が増えたらいいよね」という話に。時期同じくして毎月最終日曜に開催されている越中大手市場の出店の話もfilで流れてきて、じゃあお花を配ってみよう!と、文字通りとんとん拍子で事が進みました。
街ゆく人がお花を持っている風景を実現させるために、「捨てられるお花」を活用しようと決めたのにはいくつか理由があります。
安価で仕入れられる
大量のお花が必要(しかも無料で配る)だったので、コストを抑える必要がありました。通常のお花に比べてぐっと安く、それでも生産者の方々へ利益が還元されるのが「捨てられるお花」でした。ストーリー性を持たせることができる
普段お花を自分から買わない人にも届けるのが目標だったので、何かひっかかりがあるといいな、「お花にもこんな問題があったんだ」って思ってもらえたら、ということでフラワーロスについて広く周知することにしました。大学生だからできる活動
無料で捨てられるお花を配るなんて、お花屋さんには絶対できないことじゃないですか。リスクリターンのない大学生だからこそ、お花を配って日常に馴染ませる→購買行動に繋げることができるんじゃないかと思い、活動を決めました。
余談ですが、私が住んでいる「まちなか学生シェアハウスfil」には、県内企業によるサポートクラブが存在していて、お花の購入費用やラッピングにかかる費用はそこからお金が出ています。県内企業が学生をサポート→学生が金銭の負担なく活動→地域還元という図式があるのです…!(本当にすごいねありがとうございます)
5月26日越中大手市場に向けて取り組んだこと・当日感じたこと
そんな流れで、まずは5月26日の越中大手市場に向けて準備を進めました。
まずはフラワーロスについての認識を深めることに。1年で捨てられるお花は国内で10億本にのぼること。この10億本に関わる農家さんの労力や水資源のことを考えたら、到底これが売られるお花のための必要資源とは思えませんでした。調べれば調べるほど、ちゃんとこれらの問題に向き合って伝えていかないとなと強く感じました。
そしてラッピングも色々考えてみました。全3回、全て違う形で、封入するフリーペーパーもそれぞれ作って用意しました。5月26日の回では、filのみんなに聞いた、好きな映画と音楽、まちなか暮らしのエッセイの3種を用意。
まちなかにまつわる10問程度のアンケートに答えてくれた方にお花をプレゼントしました。内容が複雑だったこともあり(「学生におすすめしたい富山のスポットは?」など)ほとんど空欄で提出される方も。悔しかったですが、次回へのいい反省となりました。
地域活動としてのお花のプレゼント、そしてフラワーロスの周知、と主題がいっぱいあるので、伝え方はやっぱり難しくて。コミュニケーションの仕方も試行錯誤でした。
それでも「こんな綺麗なのに、捨てられるんもったいないね」との声を多くいただけたので、廃棄されるお花の存在は知ってもらえたのかなと。100本のお花は5時間弱で全てお渡ししました。
ちょっとした休憩のタイミングで、小さい子がお花を片手に陽気に歩く姿を見て、やってみてよかったと心から思いました。ちょっと規格から外れてしまったお花だけど、こうやってご家庭で飾られて、お花のある暮らしっていいなって思ってもらえてたら、何か少しでもインパクトを与えられたのじゃないかなと感じました。
ソウルで見たお花のある暮らし、豊かさ、心地よさ
1回目の活動をしてすぐに、全く別軸の興味関心を深めるためにソウルに行く機会がありました。(私は気になることがあったら時間やお金の障壁考えずに行ってみるやってみるタイプです…)
日本よりもお花の市場が大きいソウル。また、日本と違って卸売市場に一般人が入り、購入することができるので、せっかくだからと思い入ってみることに。
韓国人はロマンチストと言いますが、地下鉄に乗っているだけでいろんな人がお花を持っているの、いいなあ〜なんて思いました。日本よりも全体的に安価な印象で、安いしおしゃれだしで若者からの需要が特に高そうでした。
別にお花屋さんになるわけではないんですが、思いがけず勉強になった渡韓となりました。数回だけの活動になるとわかっていて始めたけれど、自分が実現したいビジョンが目の前にあったことに感動しました。
打ち合わせを通して痛感したこと、2度目3度目の配布活動
1回目の大手市場が終わってすぐ、2回目もやってみようとなったので、6月末に向けて準備をしていくことに。
その前にジャパン・フラワー・コーポレーションの方々と打ち合わせの機会をいただき、フラワーロスの現状についてお話しを伺う機会を得ました。
特に印象的だったのが農家さんの課題。生産者さんは年々減っていて、花の取り扱い種数も減少傾向に。買いたいお花がないけど輸入のお花も高くて、手に取る人が減ってしまう、という悪循環に、このフラワーロスのプロジェクトはもちろん、一次産業を取り巻く様々な小売やサービスがちゃんと農家さんに還元される仕組みになっていないといけない、と痛感しました。
お忙しい中時間を作ってくださったジャパン・フラワー・コーポレーションさんには感謝しかありません。
2回目の開催にあたり用意したフリーペーパーには、打ち合わせを通して感じたことも盛り込みました。
雨の中の開催となりましたが、街ゆく人とコミュニケーションを楽しみながらお花をお渡ししました。
アンケートのテーマは「富山の好きなところ」「あったらいいなと思うもの」内容を簡略化しアナログな掲示方法にしたことで、立ち止まる人が増えてくれました。
「素敵な取り組みやねえ」と声をかけてくれる人や、ご旅行中に立ち寄ってくださった人も。一期一会の会話が本当に楽しかったです。
たくさん集まった付箋。内容は3回目の開催の時にフリーペーパーにしました(すぐ作りたがる)
3度目の開催は7月6日・7日の「fil×」というイベント。まちなかにあるシェアハウス入居者が企画したパネル展や夏祭りの開催に合わせて、お花のプレゼント企画も行いました。
猛暑や荒天で、思うような集客はできなかったのですが、それでも1日70本近くをお渡しできました。空きテナントを活用し行ったパネル展も好評でした。
普段、お花なんて飾らんけど、ただでもらったし飾ってみるか、と言っていた大学生の方もいて、狙い通り✊といった手応えを感じました。一本のお花をきっかけに、本当に様々な地域の方と交流できたように思います。
今後について
ただのお花好きの一学生が、勢いで始めてみたフラワーロスのプロジェクトでしたが、3回合わせて320人以上の方々にお花とフリーペーパーを届けることができました。
まずは知ってもらえたことが嬉しかったし、捨てられるはずだったお花を見て、でも綺麗だよねと共感する時間が、お花好きにとっては本当に幸せな瞬間でした。
そしてこのnoteを読んでくれた方に、フラワーロスに対する問題意識やお花っていいよねって思ってもらえたら、ますます活動に意味があったと思います。
今後私が富山でこのように企てていくことはできないかもしれないのですが、filや大手市場等を活用して続いていけばいいなと思っています!(し、できることはなんでもやります✊)
お読みいただきありがとうございました🌹