メヒアさんの通訳@パ・リーグTV
こんにちは。タカサカモトです。
今月15日、久しぶりに通訳の仕事をしてきました。パ・リーグTVさんからの依頼で、お相手はベネズエラ出身のこちらのご家族でした。
プロ野球の埼玉西武ライオンズで長年に渡り活躍されたエルネスト・メヒアさんに、ご夫人のマイデさん、息子のアロンソくん7歳です。
西武ライオンズ初のOB戦『LEGEND GAME 2024』の招待選手として、引退後初の来日を果たした彼を試合前日、バッティングセンターで取材しました。
ところが僕、実は最近まで野球を真剣に観ていなかったこともあり、恥ずかしながらメヒア選手の現役時代のことは全く存じていませんでした。
彼の名前を認識したきっかけは数年前、当時楽天イーグルスの松井裕樹選手とオンラインで話していた時に、1985年生まれの僕がプロ野球選手では誰と同い年なのかという話題になったことでした。野球に詳しくなかったためグーグルで検索し、出てきた一覧を順番に読み上げたのですが、その中にメヒア選手の名前がありました。このとき何人もの名前がかった中で、「僕めっちゃメヒアに打たれてます」と松井選手から教えてもらったことで、自然とその名が最も記憶に残りました。今度から野球の話になったら、いわゆる「松坂世代」みたいな感じで「メヒア世代」と言えばいいんだな、と学習しました。
というのが今回の仕事のお話をいただいた時点で僕が知るメヒア選手の全てだったので、当然ですが当日に向けて、予習することにしました。
メヒアさんの出身や経歴などを把握することはもちろんですが、それと同じくらい大事なのが、彼の話し方を事前に知っておくことです。特に僕はこれまでの人生でベネズエラ出身の方にほとんど会ったことがなかったので、同国に特有のアクセントなどに対応できるか少しだけ不安でした。こういう時は事前にインタビュー動画などを確認して話し方の特徴をおさえておくことで、落ち着いて仕事に臨むことができます。そこでYouTubeを開き、「メヒア インタビュー」と日本語・スペイン語それぞれで検索を行い、出てきた動画を順番に再生してみました(ちなみにそのほとんどがパ・リーグTVの動画でした)。そしてあることに気が付きました。
メヒアさん、全部英語でした。
探してみた限り、スペイン語の動画はどこにも見当たりません。当初の目論見が大きく外れて戸惑いましたが、代わりに彼が非常に流暢な英語を話すことが分かったので、仮に彼のスペイン語が分からなくても英語で話せばいいやと開き直って、本番当日を迎えました。
そんな仕事の結果、公開されたのがこちらの動画です。
映像からも伝わると思いますが、とってもステキなご家族です。幸い、スペイン語でのコミュニケーションにも特に問題はなく、ご夫人のマイデさんに確認したところ、ベネズエラのスペイン語はコロンビアのそれに似ているとのことでした。幸いコロンビアのスペイン語には比較的慣れている方なので、それを聞いてかなり安心しました。
今回のこの動画、個人的な見どころはやはり、アロンソ君です。上に紹介した2016年のヒーローインタビューの動画で「3日後に生後9ヶ月」と紹介されていた赤ちゃんが、7歳の立派な少年になって再び日本を訪ねてきてくれたわけですから、当時を見守っていたファンの皆さんにはなかなか感慨深い映像に仕上がっているのでないかと思います。
それにしてもメヒア選手、運動着姿もバットを持つ姿も、完全に現役選手にしか見えないですね。
今回、自分の仕事としては、通訳だけでなく翻訳協力も行ったのが楽しかったです。ロケがお昼過ぎからで、その日のうちに動画として公開されていますので、パ・リーグTVさんの仕事の速さも改めて凄いなと思いました。
会場の浅草バッティングセンターを訪れたのは初めてでしたが、最速140km/hまで急速を出せる上、カーブやフォークまで設定できる仕様になっていました。時速90kmのまっすぐすら満足に打てない僕にはまだまだ縁のない話ですが、いつかは打ってみたいものです。
さて、迎えた翌日。僕は別の仕事があってライオンズのOB戦には行けなかったのですが、後で友人に聞いたところ、何とメヒアさん、ホームランを打ったんですね。
正直ちょっとびっくりでした。というのも前日に一緒にいた時には彼、「もう何年もまともに野球をやっていないから打てる自信がない」と真面目な顔で話していたからです。
テスト前に「全然勉強してないからヤバい」とか宣言して結局良い点を取るタイプの子ってどこの学校にもいるんじゃないかと思いますが、この結果を見るとメヒアさん、まさにその感じです。そしてそれを真に受けてしまう純粋な子というのも必ずいるものですが、それが今回の僕でした。
いやー、見事に騙されました。
それにしても本番に強いというか、ここぞというところで結果を出せるって、かっこいいですね。画面越しに観客席の様子を見ても、どれほどファンの皆さんが喜ばれているか伝わってきます。
何よりメヒアさんご自身にとってもご家族にとっても、忘れられない1日になったことでしょう。
試合後もしばらく滞在して久々の日本を満喫するとのことでしたが、ぜひ今後も定期的に日本に帰ってきて、楽しい時間を過ごしてほしいなと思います。
以上、とっても久々の通訳レポートでした。
それではまた。
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