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2016年 夏、シンガポールから見える風景。当地はグローバル、南半球への玄関口。

2015年の北欧に続いては、アジアの中でも世界からヒト、モノ、カネが集まるシンガポールに出かけました。

日本の流通企業も、中国に進出を進め、次は東南アジアへ、ということで、その足がかりとして、シンガポールへの出店を検討する企業が増えていたところでした。

シンガポールは、かつてインド出張へのトランジットでは何度も利用しましたが、街を訪れるのは初めてでいた。

ショッピングストリート オーチャードロードとブギスエリア

シンガポールの面積は東京23区くらい、2016年当時、人口は547万人、そこへ年間1550万人の外国人観光客が訪れていたそうです。

まずはショッピングモールやブランド旗艦店が立ち並ぶオーチャードロードを歩きます。

ION(アイオン) OrchardはラグジュアリーブランドからグローバルSPA(アパレル製造小売業)チェーンがフロアー違いで共存し、
地元富裕層から観光客までを取り込むオーチャード地区の縮図のようなモールです。

オーチャードロードの次におさえるべきはBugis(ブギス)エリア。
ヤング向けショッピングモール(Bugis junction, Bugis+)、国立図書館、デザイン系の専門学校、アメ横のようなマーケットがあり、若い人でにぎわっているエリアです。
その中心とも言えるランドマークモールBugis+(ブギスプラス)の1階2階にはUNIQLOの大型店が。

UNIQLOはシンガポールに24店舗(当時)を展開。最多価格帯はS$39.90(約 消費税7%込み) 日本円で2990円くらいでしょうか。
日本より少し高めですが当地には良質ベーシックカジュアルチェーン不在のため、すでに日本と同じマーケットポジションを確立しているように思いました。

マリナベイサンズ、VIVO CITY他 ショッピングセンターめぐり

三棟の55階建の高層ビルの上に船のようなプールを乗せたマリナベイサンズ内にあるのは多数のラグジュアリーブランドやインターナショナルブランドを集めたショッピングモール。

同じモールに同居するカジノで儲けた人や観光客が客層です。
このような、日本では考えられないダイナミックな建造物が多いのはシンガポールが全く地震のない場所だからだそうです。

マリナベイサンズは明らかに非日常。
シンガポールの実際のショッピング事情を感じるにはハーバーフロントのVIVO CITY(ビボシティ)とその隣、館続きの庶民的なモールHarbor Front Centerを見るのがよいでしょう。日本で言えばららぽーとクラスなのがVIVO CITY、飲食店や食品や地場実用衣料チェーンが多いアピタのような存在がHarbor Front Centerです。

小売業は外資企業に任せた国

国策により、限られた人口を生産性の高い産業、例えば、金融、インフラ、貿易、重化学工業などに向けるため、製造業や小売流通業のような産業は外資企業に委ねた言ってよいシンガポールでは…ローカルチェーンというものがあまり見当たりません。

COTTON ON(コットンオン、同国75店舗(当時))を代表とするオーストラリア系のカジュアルチェーンストアが最も多く見られます。

そこにジョルダーノやBossiniのような香港系が絡み、21世紀には欧米日のグローバルSPAトップ5が参入。

IORAのようなローカルチェーンがわずかに存在するという構図であることがわかります。

リサーチをしていて目立ったアパレルチェーンの店舗数をオンラインで調べてみると以下の通りでした。
(いずれも2016年8月現在)

COTTON ON(豪) 74
Giordano(香港) 48
UNIQLO (日本)24
G2000 (香港) 17
H&M (スウェーデン)10
Victoria's Secret(米) 10
ZARA (スペイン)9
Muji (日本)9
iora (シンガポール) 7
TEMT(豪) 5  
Gap (米) 4
Forever21(米) 4

シンガポールは面積も狭く、家賃も高く(業界関係者によると大型店でなおかつ30万円以上の月坪売上を上げないと採算が取れない家賃とか)、人口も限られているので、インバウンド重要があるとは言え、上記の上位ブランドの店舗数もすでに限界に近づいている印象です。

英語を話す良質な人材が雇える世界のセンター的都市

シンガポール最後の夜は、大学時代の親友で、一緒に海外旅行にも出かけたことのある、総合商社の当地事務所に駐在をしているT君夫妻との楽しい会食でした。

彼によれば、51年前にシンガポール独立を果たしたリー・クアン・ユー時代およびその後継政権はいい意味での長期独裁政権。

赤道直下で、外は年中暑くてたまりませんが、室内温度を常に23度程度に保つのも、他の東南アジアの国々が暑くて仕事にならない、生産性が上がらない環境なのに対し、シンガポールが唯一高い生産性、ひとりあたりGDPの高さを支えている理由とのこと。

また、当地は、英語が話せ、コミュニケーション力があり、世界と交渉ができる優秀なスタッフを雇うのに最も適した都市のひとつ。それゆえに、多くのグローバル企業が当地に拠点を置く、とのことでした。

シンガポールは東南アジアの中心だけでなく、南半球の玄関口

シンガポールを拠点にアセアン、オーストラリアに展開しているZALORAザローラというファッションECモールのトップページを眺めていて思いましたが・・・

(出典:ZALORAサイト https://worldwide.zalora.com/ より)

この画像にあるように、シンガポールという場所は一国単体の市場を狙って、稼ぎに行く場所ではなく、アセアン&オセアニア商圏を攻略するための中心拠点(HQ)を置く場所ではないかと思えます。先の学生時代の親友の言葉もそれを裏付けています。

そのくらいのダイナミックな出店戦略を持つくらいのグローバルチェーンでなければ、当地だけの販売効率を求めてシンガポールに出店しても、経費高で討ち死にしてしまうだろうな?と感じたものでした。

当地のソウルフードはチキンライス

当地で外せないのは、やはり、チキンライスでしょうか。天天では、長蛇の列、暑さに耐えきれず、軟弱にショッピングセンターのフードコードで頂きました。でも、美味いっす♪

週末はバリへGETAWAY♪

ここまで来たら、生まれて初めての赤道越え。ホテルにスーツケースを預け、週末だけバリに出かけることにしました。


バリでは、森側のウブドでヨガ、ガムラン、海側のジンバランでスパ、ケチャックを楽しみました。

ウブドのホテルで迎えた誕生日のおもてなしです。ありがとう。

学生時代、民族音楽研究ゼミに属していた時、いつかは見たいと思っていたケチャック。僕の念願が叶いました。

海外視察では、拠点を決めて、週末リゾートにでかけ、また拠点に戻るパターンも悪くありません。

さて、2017年は、チェーンストアのクリック&コレクト(オンラインショッピングの店舗受け取り)が進むロンドン、そして多くのデザイナーを輩出した国、ベルギーのアントワープへでかけます。

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