セアカゴケグモの営巣状況
セアカゴケグモは海外から日本に定着した外来種です。1995年に大阪で初めて発見されましたが、現在では全国45都道府県に分布が拡大しています。
人が咬まれることで健康被害を生じることが知られていて、自治体では様々な対策が講じられています。そんな身近な危険として問題となっているセアカゴケグモですが、意外と知られていないことがあります。
それはセアカゴケグモの巣です。一般的にイメージされるクモの巣とは違ってセアカゴケグモ非常に個性的な巣を作ります。
また、この巣は一見するとクモの巣とは思わない見た目をしているので、気づかずに触れてしまうと言う問題が生じています。
今回は僕が駆除してきたセアカゴケグモの巣を紹介しながら、セアカゴケグモがどんな巣を作るのかと言うことをお伝えしようと思います。
上記の写真はベンチの下に巣を作ったセアカゴケグモです。ニュース等ではよくこういった人工物の陰に巣を作ることが紹介されます。セアカゴケグモはとにかく人口物が大好きです。ベンチや側溝の蓋、ブロックの穴、プランターの縁裏と言った様々な隙間に巣を作って潜んでいます。
これもニュース等では紹介されることですが、セアカゴケグモの巣は様々なゴミが絡まっています。一般的なクモの巣はクモの糸だけで作られていて、肉眼ではクモの巣を確認することが難しいです。しかし、セアカゴケグモの巣は枯れ葉や虫の死骸と言った様々なゴミが絡まっていることが多いので一見するとクモの巣であると解りづらい見た目をしています。
この枯れ葉等はセアカゴケグモの住居となっていて、この中にセアカゴケグモが潜んでいることが非常に多いので注意が必要です。
上記の写真は建物のヒサシ部分から虫の死骸が垂れ下がっています。垂れ下がった死骸はセアカゴケグモが捕食した獲物です。その上には家主であるセアカゴケグモの姿も認めます。この様な建物のヒサシ等の隙間もセアカゴケグモの格好の住処となります。建物のヒサシや壁の割れ目と言った空間は複数のセアカゴケグモが巣を作ってコロニーの様になっている場合もあるので注意が必要です。
これまでご紹介してきたセアカゴケグモの巣は余り人が触れない様な場所に巣を作っていましたが、時には人が手を触れやすい場所に巣がつくられる場合もあります。上記の写真は駐車場のポールに巣を作っているセアカゴケグモです。張り巡らされた糸の奥に潜んでいる雌のセアカゴケグモが確認出来ます。
セアカゴケグモの特徴としてはとにかく人口物が好きであると言う特徴があります。建物の壁やブロックの割れ目、ベンチの支柱の隙間と言った人工物の陰に巣を作ります。特に掃除やゴミ処理等の際にこういった物に手を触れると潜んでいたセアカゴケグモに意図せず接触してしまい咬まれると言うことが考えられます。
現在、日本全国に分布が拡大している状況なので、身近な危険の1つとして十分注意する必要があります。