完全犯罪のそのあとで
僕は、完全犯罪を、成し遂げた。
気に入らない女を殺して、完璧なアリバイで偽装した。
僕が罪を犯した痕跡は、一つもない。
僕が罪を犯した証拠は、一切ない。
僕が罪を犯した事実は、誰も知ることがない。
僕は、莫大な財産を手に入れることができる。
僕は、自由に自分の人生を謳歌することができる。
……はずだった。
『いやー!まさか殺すとは思わなかったよ、うーん、なんてこった!!』
金の勘定をしていた僕の前に現れたのは…まさかの!!
僕が殺したはずの……ババア!!!
―――春子さん、たまには別荘行きましょうよ、自慢のアンティーク、見せて欲しいな、僕!
―――いいよ~!じゃあ、一緒に行こ!連れてってあげる!
―――春子さん、この鎧の騎士、ちょっと怖いね
―――そうだね、この頭の槍が怖いんだよね、動かないように固定しておかないとね
―――春子さん、あそこの電球、切れてるから変えないと、でも僕高いところ苦手で!
―――大丈夫、私いつも替えてるから!大きい脚立持ってきてー
―――春子さん!じゃあ僕、晩御飯の買い物してくるよ、ひと仕事のあとお酒飲みたいでしょ?
―――春子さん、春子さーん!!!
―――警察ですか!妻が、妻が、大変なことに!
―――救急をお願いします、妻が、妻が!!!
―――ええ、妻が足を滑らせて…!!!
―――これは即死ですね、ご愁傷様です…
―――ははあ…腐った床の上で脚立を立てて…
―――アンティーク鎧の上に落っこちたみたいですね
―――事件性はないですね…運が悪かったとしか……
―――この度はお悔やみ申し上げます…
―――すみません、妻を思い出すので、この鎧はすべて廃棄したいんです
―――すみません、妻を思い出すので、この別荘は売却します…
僕の…27歳年上の、妻!!!
売れない画家をしていた僕に惚れ込んだ、憐れなババア!
ちょっといかした顔の僕がかわいくてたまらなかった、キモイババア!
ぶよぶよの腐れボディで僕のことを独り占めして喜んでいた、醜いババア!
「ちょ…?!ひゃがっ?!ヒャアああ!!!!」
ガタンっ!!!ドガシャッ!!!
作業デスクの椅子の上から、派手にバランスを崩してころげ落ちた。僕の落ちた風圧で、机の上の万札が何枚かひらりひらりと床に落ちて…椅子の上の趣味の悪い刺しゅう入りのクッションの上に、積もる。…くそっ、ババアの作ったやつだ!!
『も~さ~、めっちゃ痛かったよ、背中!あれだね、心臓ってさ、刺されると背中が痛いの!』
腰を抜かした僕を、上から見下ろしている、ババア。
なんだこれは、どうなっている?!
僕は霊感なんてのは一切持ち合わせていないはずだ、今まで生きてきて、一度だってこの類のものは視たことがない、観るはずがない、見えてるはずない!!!
『なんだよぉ~、優君さあ、あたしの事嫌いなら嫌いって言ってよ~、勘違いしちゃったじゃん……』
もともと大嫌いだったさ!
金持ってるから近付いただけだし!
キモい顔も醜い体も腐った根性もぜんぶ我慢してたんだ!
僕がお前に信用してもらうために、どれほど努力を重ねたことか!
『あたしのこと、好きになってくれたと思ってたのに…残念。』
僕がどれほど本音を押し殺してお前に愛を語ったのか知らないだろ?!
僕がどれほど吐き気と憎悪を隠してお前に笑顔を向けていたのか知らないだろ?!
僕がどれほど想像力を頭の中で爆発させてお前に愛を与えていたのか知らないだろ?!
『…殺さなくてもいいじゃん?あと20年もしたらボケて何もわかんなくなるのに、さ?』
お前なんかと20年も暮らせるわけないって思ったから実行に移したんだろうが、ボケェエエエエエ!!!
「ごめん、ごめんなさい!!僕が別荘にこようなんて言ったから、春子さんがこんなことになったんだよね、あれは不幸な事故だったんだ、南無阿弥陀仏、成仏しておくれ、僕の愛する、妻……」
僕は、手を合わせて、宙に浮くババアに懇願した。
こいつはちょろい頭の悪いババアだから、困った顔をして頼めばすぐに僕の言う事を真に受けて……
『優君、全部筒抜けだから、何も言わなくていいよwwwすごいな~、幽霊になったあたしにも、そういう表情で接することができるんだぁ♡』
にっこり笑うババアの顔に…怒りの表情が見える。
なんだ、なんでだ、何なんだよ、全部筒抜け?!だから…僕の完全犯罪の真相を知ったってことか?!
めんどくせえな、死んだんだからとっととあの世に行けよ、何ブサイクのくせに未練残してんの?!
さっさと見た目のかわいい虫にでも生まれ変わっとけよ!みっともねえんだよ!!
くそっ、年上のくせに、なんて大人げないんだ、幼気な僕を追い詰めて満足しようっていうのか?!
ふざけた野郎だ、キモババアはキモババアらしくしおらしくイケメンに媚び諂えよ!!
さんざん良い思いさせてやっただろ?!
『そんなに憎しみをぶつけられちゃあ、ねえ?あたしも、本気を出さないと、ね?』
その日から、僕は悪霊に憑りつかれた。
24時間、悪霊が僕のそばを離れない。
『優君おはよ~♡今日も勘違いイケメン、実はブサイク顔だね!』
『優君朝のお散歩いこ~、今から犬のフン踏ませるね~♡鳥の糞も落としてあげる!』
『優君今日のお昼ご飯の回転寿司、トイレから出て手洗わないで調理したお寿司だったね~、運悪~い♡』
『優君が選んだ服、この前風俗で問題起こして叩き出されたおっさんと同じデザインだ~!センスそっくりなんだね!』
『優君ぼんやりしててウケる~!いいなあ、何も考えないでいられる脳みそで♡』
『優君真面目に勉強しててウケる~!いいなあ、ドンだけ学んでも覚えられないやりがいのある脳みそで♡』
『優君の今日抜けた髪の毛は112本、普通の人より多めだね~もうじきかなあ、う~ん、何でもないよ!』
『優君今日も一緒に夢見ようね、ヒーローになりたいんでしょ?あたしが悪になってやっつけてあげるね!』
何をしていても。
何もしなくても。
何をしようとしても。
常にババアがついていて、常にババアが何かしら言っている。
常にババアが気分の悪い事を言い、常にババアがいい気分をぶち壊す。
四六時中、僕のことを否定するババア。
何をしてもきっちりとダメ出しをし、コケにする。
良い事をしても、悪い事をしても、何もしなくても、毎日毎時間毎分毎秒、僕を見て何か言っている。
金はたんまりあるのに、使っていても楽しくない。
金はたんまりあるのに、使いたいと思えなくなってきた。
頭がおかしくなりそうだ。
ババアの声は僕にしか聞こえていないから、誰にも相談できない。
霊能者を何人も訪ねた。
しかし、ババアは悪態こそ垂れているが基本僕を守っている存在であり、こんなに素晴らしい守護霊はいないと言われた。
ならば悪霊に呪われてみようといわくつきの所に行ってみたが、逆に悪霊が恐れをなして消え去る始末だった。
『今日はキモい夢見てるんだね~夢の中で解放されたいっていつでも欲望丸出しのくせに何言ってんの?』
『うわあ、そんな体に悪いもん食べるんだ、ホント人間レベル低~!』
『新聞も読めないくせにいっちょ前に社会批判するとかwせめて一般常識を身に付けてから手をあげましょうね~』
『誰も自分の意見に賛成してくれない?お金出したら味方なんて作れるじゃん、良かったねえ、あたしのお金たんまり使えてw』
『あたしのお金で優君は生きてるんだよ~♡嫌いな女が稼いだお金で生きていくのって幸せでしょでしょ♪』
『おはよ~、今日もイイ健康青年だね、体の反応は正常でよかったね、サイズはずいぶんあはは、言わないでおいてあげるけど!!!』
『うわぁ、いっちょ前にビジネス本読むの?一ミリも理解できないくせに形から入る僕チンかっちょいいかあ、ぎゃはは!!!』
『すご~い、頭悪すぎる~!丁寧語も知らないでよく大人になれまちゅたね♡税金のこと知らなすぎるでしょ、おバカちゃん!』
『ヤダー、顔がいいだけが取り柄なのに二キロも太ってるね、ああそっか、デブキャラで人気集めるの?きんも~☆』
『へんなとこで几帳面だよね、いちいち同じ回数左も右も舐めなくてもいいのにwwウケるwwwDTかよwww』
『うわあ、その台詞カッコイイと思ってるの?こりゃあ同じセンスの人探すの大変だね☆』
『めっちゃいい女の子寄ってきたからさあ、守護霊に優君の本性教えてあげといた♡無事別れることできたね良かった♡』
『なに、整形するの?いいと思うよ~あたしが手術中に執刀医に乗り移って根元から切り落としてあげるから安心して♡』
『ねえねえ、あの女頭の中で優君のこと鼻毛マンって呼んでるよ、ちゃんと身支度しないからこうなるんだよ!』
『あのおっさん優君の事絶対に妻殺したって思ってるよ、真実に気付いてる人、これで87人目~♡いつ告発されるかな?』
『な~に~、毎食パンだけ?細かい金勘定してるから儲けることができないんだよ~!100円ケチる事よりも1000円投資すること考えればいいのに!みみっちい~!!ホントあちこち小さい人だね、ぎゃはは!!!』
『ええ~、金に物言わせて選んだ嫁がこれ?思いっきり殺人計画たててるじゃん、めっちゃ節穴www』
『ええ~、金に物言わせて選んだ愛人がこれ?思いっきりヤンデレじゃん、すぐ事件起こすんじゃない?』
『あーあー、嫁殺されちゃったじゃん、悲劇のヒロイン乙☆』
生きているのに疲れてしまった僕は、豪邸に引きこもるようになったが。
「大丈夫ですか!」
やっと死ねると思ったところで、毎回助けが入る。
「極度の衰弱ですね、入院しましょう」
元気になって退院して、また無気力になって入院して。
「安心してください、ここにはあなたを傷つける人はいませんよ」
傷つける人はいないが、傷つける幽霊はいる。
「何があなたをそんなに苦しめているんですか?」
もうどうなってもいい、全てを告白してしまおうと思った。
「実は僕は、犯罪を犯しました。妻を殺して、財産を奪い、そのせいで」
僕が罪を告白し、罰せられれば、きっと。
「ああ…錯乱されているんですね、薬を飲みましょうか」
どれほど僕が罪を告白しても、誰も聞き入れてくれない。
「はいはい、そうなんですね、悪い事をしましたね、でも今あなたは生きていますから」
どれほど罪を償いたいといっても、誰も聞き入れてくれない。
「奥様を愛していらしたんですね、それほどまでに」
それほど伝えても、誰も聞き入れてくれない。
『ヤダー、優君、弱ったふり面白くな~い!』
『優君そんなにあたしのこと好きだったんだね!も~素直じゃないんだから♡』
『でも~あたし、優君タイプじゃないんだ~』
『だって~お金目当てで奥さん殺しちゃうような人だし♡』
『あ~あ、こんなキモい男じゃなくて、かっこいい人と恋がしたいな~』
「もう…僕に、構わないで下さい……。」
「何も心配しなくていいんですよ、さあ、お部屋に戻りましょうね。」
体中拘束され、24時間点滴を受け、身動きする事すらできず、地獄のような日々が続く。
『も~、優君だんまりはダメだよ~、言いたいことは言わなきゃ!』
『ああー、でも昔から言いたいこと言わない主義だったから、今更無理かも?』
『排泄物は元気よく垂れ流す癖に、お口はずいぶん固いんだね♡』
「もう、死にたい……。」
「ずいぶん血圧が低いですね、体調が悪いからそんなことを言ってしまうのかな?血流をよくする薬を増やしましょうね。」
『よかったね!血がサラサラで血流もばっちりだから、脳みそが活性化して年の割に記憶力も鮮明だし理解力も落ちてないもんね!』
『毎日規則正しく食事も取れてるし、手厚い介護を受けてるから長生きできるよ~♡』
「殺して、殺して……。」
「悪い事を考えずに、楽しい事を考えましょうか。奥様の思い出を聞かせてください。」
『何も心配しなくていいから安心してね!あたしの資産がたっぷりあるから、寝たきりでも幸せに長生きできるし!』
「………。」
「優さーん、聞こえてますかー?オムツ変えますよー!」
『ねーねー、今日は何の話しようか、優君があたしにおべっか使って外車買ってもらった時の話にする?』
『ねーねー、今日は優君がお金でエロい姉ちゃん買った時の話しようよ、あのプレイはオオウケだったよね~』
『ねーねー、今日はあたしが死んだ瞬間の話しようよ、肉の抉れる感覚がさあ、めっちゃ痛かったんだけどね?』
ババアの金が、すべてなくなった時、ようやく僕の、寿命が尽きた。
……これで、ようやく、僕は。
『んも~、優君、寿命が尽きたくらいで解放されると思ってるとか、相変わらずのご都合主義♡』
『どうしたらよかったのか…学んできてね♡』
『……命を奪った責任、きっちり、取ってきなよ?』
僕は。
ぼくは。
ぼくは・・・・・・。
僕は、最愛の妻と…向かい合っている。
目の前の妻は、52歳とは思えないほど…若く見える。
僕は、春子さんと、ドラマチックな恋をして…愛を、実らせた。
「春子さん、たまには別荘行きましょうよ、自慢のアンティーク、見せて欲しいな…。」
「いいよ~!じゃあ、一緒に行こ!連れてってあげる!」
愛する春子さんは、莫大な資産を持つ女性だ。
出会った頃は、そんなこと…微塵も知らなくて。
ただの、陽気なおばちゃんだって、思ってた。
人間不信で、人嫌いで、自分の殻に閉じこもる事しか知らなかった僕は、その…陽気に、助けられた。
迷うたびに、僕が出した答えをすべて肯定してくれた、春子さん。
落ち込むたびに、僕の陰気なオーラを弾き飛ばしてくれた、春子さん。
身動きできなくなるたびに、僕を連れ出して笑わせてくれた、春子さん。
……やがて、僕は、春子さんに救いを求めるようになった。
春子さんは、出会いを得ることができず、孤独だった。
お金ばかり得ても、私は一人ぼっちなのよと、笑った。
だから私は、お金を使って寂しさを紛らせるしかないのと、泣いた。
……僕は、春子さんを、救いたいと、思った。
僕が、一緒にいますからと。
僕と、一緒にいてくださいと。
僕に、一緒にいさせてくださいと。
「春子さん、この鎧の騎士、ちょっと怖いね」
「そうだね、この頭の槍が怖いんだよね、動かないように固定しておかないとね」
春子さんの趣味は、西洋アンティークの収集だ。
古い西洋の屋敷をわざわざ取り寄せて再構築したという個人博物館には、50を超える甲冑が並んでいる。実際に戦場で使われたものも多く、部屋の中にはまがまがしいオーラのようなものが…漂っている。
ずいぶん…趣味が悪いと、思う。
こんなものを…揃えるために、一体いくら使ったんだろう?
こんな気味の悪いものを集めるくらいなら。
僕の絵を、飾ってほしい。
僕の車を、買って欲しい。
僕の画材を、揃えて欲しい。
僕の別荘を、用意して欲しい。
僕の助手を、手配して欲しい。
僕の望む、人脈を作って欲しい。
僕の夢を、叶えて欲しい。
金があれば…僕の願いは、叶うのだ。
春子さんがいなくなれば……、金は、全て僕のものになる。
そんなことを考えるようになったのは……、いつ頃からだろう。
「春子さん、あそこの電球、切れてるから変えないと、でも僕高いところ苦手で!」
「大丈夫、私いつも替えてるから!大きい脚立持ってきてー」
たくさんの甲冑が並ぶ、大きな玄関ホールの天井の高さは5メートル。
天井のど真ん中にある、ライトが、切れかかっている。
電球は、3.5メートルの脚立の天板の上に立って、替えなきゃいけない。
自称、高所恐怖症の僕が、去年、震えながら、付け替えた。
……バランスを取るのが難しくて、二度とやりたくないって、思ったんだ。
……それを見て、春子さんは、来年はあたしが替えるねと、笑い飛ばしたんだ。
体力に自信のある春子さんは、いつだって、自分の力を過信して、無茶をする。……それを、いつだって、僕が制して。
最近手足が震えるようになったのに、気がつかないふりをしているね。
……まだまだ若いんだって、思い込みたいんだよね。
こういうところが、いちいち…ウザいんだよ。
己の老いを認めないところとか。
僕と並ぼうとする浅ましさとか。
真実を捻じ曲げようとする根性とか。
重たい脚立を、甲冑群の中に持ち込む。
古びてくすんだ甲冑に囲まれていると、だんだん自身の心がどす黒いものに変わってゆく。
小さな蟠りが、大きなうねりになって、僕の心を鷲掴む。
もっと不満があるだろう?
もっと癪に障る瞬間があるだろう?
もっと苛立たせるような出来事があっただろう?
これからもっと不満が増えるんだぞ?
これからもっと腹の立つことが起きるんだぞ?
これからもっと面倒な出来事に巻き込まれて行くことになるんだぞ?
このババアがいる限り、明るい未来は訪れない。
このババアがいる限り、自由に金を使う事は出来ない。
このババアがいる限り、面倒な会話をしなければならない。
今が、チャンスだ。
今が、チャンスなんだ。
…でも。
本当に、良いのか……?
迷っていたら、チャンスは消える。
迷っていたら、チャンスが消えてしまう。
迷っていたら、チャンスを失い、絶望する未来が訪れる。
今が、チャンスだ。
今が、チャンスなんだ。
今を、逃すな!!!
……ほんのわずかに僕の中に残る、良心が。
甲冑の禍々しいオーラにかき消されて、埋もれてゆく。
自分の中から湧き出した、欲望の渦に巻き込まれてゆく。
甲冑の錆が床を侵食していて、ところどころ腐っている。
……去年、僕が誤って踏み抜いた床は、簡単に、修復、して、ある。
この場所には、甲冑が、所狭しと、置かれている、から。
重たい脚立を、置く場所は、限られている。
……ここしか、脚立を広げる場所が、ないんだ。
……ここで、脚立を広げて、脚立の上に立って、手を伸ばすしか、電球を替える方法は、ないんだ。
「春子さん!じゃあ僕、晩御飯の買い物してくるよ、ひと仕事のあとお酒飲みたいでしょ……」
……今から、大仕事をして。
この世に、別れを告げなければならない、春子さんに。
最後の、はなむけを……。
して、良いのか……?
本当に……?
「うん!あたしねえ、……ほろ酔うシリーズ、全種類飲みたいな♡あとね、ストック用のビールもケース買いしてきてね♡」
酒ばかり飲んで、そのあと片付けは、いつも、僕。
酒ばかり飲んで、そのあと面倒を見るのは、いつも、僕。
高所作業をしようとしている春子さんを、一人、豪邸に残して。
近所の居酒屋に、向かい。
ありったけの酒を買い込んで。
酒屋の兄ちゃんと一緒に、豪邸に、戻って。
「春子さん!春子さーん!!!」
「け、警察…、きゅ、救急車っ!!!」
……僕は、完全犯罪を、成し遂げた。
という事で、呪われていたのは誰なのかなーってね……。