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私が積極的に配布しているものについて少々語ってみる…

 どうも、どうもどうも。

 常日頃、自分のやりたいことを躊躇しないでやっては、しょっちゅうやらかしているものです。

 本日は、私が常備しているものについて少しばかり紹介しようかなと思います。よろしければお付き合いくださいな。

 ええと、まず初めに…。

 人というのは成長するにあたりまして、いろんなことを経験し、影響され、学び、知識として蓄え、己の生きざまに反映する…という流れのようなものがございます。いわゆる『みつごの魂百まで』とかいう感じのやつです。

 あれですよ、自宅にほのぼのした絵本が大量にある家庭に育った人はなんとなくほわほわした感じの穏やかで平和な大人になるような…、小難しい文学書に囲まれて育った人はどこそこ幼稚な表現を鼻で笑うような憎たらしさを備えた大人になるような…、そういうのってボチボチありませんか?

 今回はですね、幼い日に何度も見た、たった1コマ2コマの映像が長きにわたって私を突き動かしているという、やや壮大なお話でございますです、ハイ。

 私は、国民的四コママンガ(日曜18:30にやってるアニメのやつ)の単行本を読んで育ちましてですね。

 自宅に全巻揃っていていつでも自由に見ることができた背景もあり、何が書いてあるのかさっぱりわからないころから絵本代わりにしておりました。

 ひらがなや漢字を早々に覚えたのは単行本のおかげと思えるほどに何度も何度も読んだ一番身近な漫画でして…、わりとかなり相当やらかしがちでおっちょこちょいなところとか、どう考えてもあのユニークな髪形の若奥さんの影響だとしか思えないほどに仕上がってしまいました。まあ、それはさておき。

 そんな私には…、全68巻の中で、特に印象深いエピソードがあったんですよ。

 今現在手元に単行本がないので、何巻の何ページだとかタイトルだとかは不明なのですが、細かい描写やセリフに自信がないなりにザックリ紹介しますと、磯野家を訪問した客人の背広の胸ポケットに入っているものを引っ張ったら何が出てくるか?という内容のものでしてね。

 1コマ目

 独特のヘアスタイルの若奥さん?が客間に通されてザブトンの上に座っているおじさんの背広の胸ポケットから飛び出ている布を「素敵なハンカチ!」といって引っ張ってみる…

 2コマ目

 布はネクタイとハンカチを兼ねていた(背広の胸ポケットに穴が開いていて、ネクタイの端っこをそこから出せるようになっていた)ので、おじさんの首が締まってしまう

 ※【ケチケチ型】の表記があった気がする

 3コマ目

 スカートの丈の短い女子だったか可愛いチビッ子のボクちゃんだったかが、客間に通されてザブトンの上に座っている人の良さそうなおじさんの背広の胸ポケットからほんの少し飛び出ているものをみて、これは何だろうと思って引っ張ってみる…

 4コマ目

 飛び出していたのは折り紙のやっこさんの一部で、子ども大喜び、おじさんは満足そうな笑顔

 ※【こども好き型】の表記があった気がする

 めちゃめちゃ面白いわけでもギャグ的に秀逸なわけでも何でもない、平凡な回なんですけれども…私、この3、4コマ目が…めちゃめちゃ気になったんですよ。心にぶっ刺さったというか忘れられないというか…、とにかく印象に残って、私が生きていくうえでかなり相当ド真ん中の位置に君臨するエピソードになりましてですね。

 あれですよ、子どもの時にしつこく勉強しろと言われて辛かったから、自分が大人になった時は絶対に子どもに同じ思いをさせないんだと誓う的な…、小さいころ甘いものを一切食べさせてもらえなくて悲しかったから、自分が親になったら子どもには好きなだけお菓子を食べさせてあげると決める的な…、一切ゲーム機を買ってもらえなくてヒドイ目に遭ったから、自分は子どもが望むままに欲しいものを買い与えてあげるんだと涙を拭う…みたいな系統のやつですかね。

 私の周りには、ユーモアにあふれる子供好きな大人が1人もいなかったので、いつか自分が大人になった時に絶対にこういう事をするんだと意気込んで…年月を重ねていくことになったんですよ、はい。自分が大人になった時絶対に同じことをやるんだ、いつか背広を着たならば必ずその胸ポケットにやっこさんを忍ばせて好奇心旺盛な子どもを喜ばせるのだと張り切っておりましてですね。

 ところが、いい大人になっても背広はもちろんスーツのような堅苦しい衣服を着用する機会にてんで恵まれず、しかも少子化の影響およびわりかしかなり相当ぼっち気質という事もあってチビッ子関連とほとんど縁がなく、いつまでたってもあの4コマ漫画に出てきた子供好きのおじさんのような振る舞いができないまま…どんどん月日ばかりが過ぎ去っていきましてですね。

 わりかし意気消沈していたんですけれども、家庭を持ち、子どもが生まれてしばらくした頃…ちょっとした転機のようなものがようやく訪れたんですよ、ええ。

 子どもって、小さい頃に一回くらいは折り紙にハマるじゃないですか。うちの子も例にもれず寝ても覚めても折り紙に夢中になるような時期がやって来まして、通院や買い物、外食の時など、ちょっとした時間に小さな折り紙をするようになったんです。

 私も子供の頃、折り紙がわりとかなり好きで比較的喜んで作っていたんですけど…、親が作った端からすぐゴミ箱に突っ込むようなタイプだったんです。非常に不満を感じていたこともあり、自分は大人になったら(以下略)という事で、作った端からカバンの中に押し込むようになりましてですね。まあ、捨てずにいれば…どんどんたまっていくわけで、財布やら診察券やらが折り紙に埋もれるようになりましてですね。

 これはいかんと思って、かばんの外に小さなきんちゃく袋を下げるようになったんですよ。作ってはきんちゃく袋の中に入れ、頃合いを見計らって処分していく感じですね。

 ……折り紙のレシピがずいぶん身について、やけにきんちゃく袋がもっこりしてきた頃でしょうか。

 珍しく混みあう時間帯に保育園のお迎えに行ったら、同じクラスのお友達の弟君に声をかけられたんですよ。

「これ、なに?」

 保育園に入って二ヶ月くらい経ったころでしたか…、わりと自営業が忙しい時期だったこともあり、朝一登園・預かり時間ぎりぎりのお迎えになってしまう日が多く、他のお子さんや親御さんたちとのコミュニケーションに飢えていたと言うか、欲していたと言いますかですね。よそのお宅のお子さんとどう接していいものか正解がわからない焦りと、おかしな動きをして親御さんたちに怪しい人認識されやしないかという恐れを胸に、明らかにひきつった笑顔を向ける事になりましてですね。

「こういうモノがいっぱい入っているのです、ぐふふ・・・」

 ぎこちなくきんちゃく袋を広げて、中身を見せて…折り紙をひとつ、手渡したんですよ。

「うわあ!!すごい!!」
「なにこれ!!」
「ほしい!!ぼくも!!」
「ねえ、これもらっていい?」
「つくりたいー!!」

 近くにいたみんなが集まってきて…ちょっとした大騒ぎになりましてですね。

「え、これどうやって折るんですか?」
「うちの子にも折り紙やらせてみよう…」
「もらっていいんですか?ありがとう!」
「わあ、お母さんスゴイですねえ!!」

 折り紙は、信じられないレベルでぼっちオーラを吹き飛ばしてくれましてですね。
 折り紙は…子どものみならず、大人をも笑顔にするのだと知りましてですね。
 折り紙きっかけで、先生ともずいぶん距離感が縮まることになりましてですね。

 以降、なんとなく、コミュニケーションツールとして折り紙を持ち歩くようになったんですよ~。

 気さくに声をかけてきてくれたちびっこにプレゼントしたり、小児科で泣いてるお子さまに差し出してみたり、バスで不機嫌なオーラを放っている園児におすそ分けしてみたり、公園で一緒に遊んでくれたお友だちにお礼として手渡したり……。

 で。

 ふと気がつけば、わりと自分が…、昔あこがれて誓っていた、あのマンガの中の子ども好きのおじさんと似たような事をしていると、我に返ったと言いますかですね、ハイ。

 自分の子どもが飽きてしまったあとも、もともとの折り紙好きがあるもんですから、時間を見つけてはせっせといろんなものを折り続けております。子供会や地域のイベントなんかで配ると、けっこう喜んでもらえるんですよね。

 中でも特に喜ばれるのは、ごく普通の折り紙作品ではなくて、キャラクターものです。

 10年くらい前からですかね…きんちゃく袋を下げるのをやめて、キャラクターのダイカットポーチを下げるようになったんですよ。

「わあ!コレ…ドラ◯もんだ!」
「ド◯えもんの中からドラえ◯ん!」
「◯ラえもんは青いんだよ?」
「ピンク、かわいい!」

 ちびっこならみんな大好き、お腹にポケットを備えた…どら焼きが大好物のあの二頭身のキャラクター!そのデザインのポーチの中から、折り紙のカラフルなドラえも○が出てくると…これがもうハンパなくオオウケするんです!!!

 多少なんか違う感じでもOK!
 微妙にへたくそでも大丈夫!!
 出来が怪しくてもすごいって言ってくれる!!!

 大はしゃぎするチビッ子が目の前にいると、こちらもテンションが上がってきて…嬉しくなってくるんですよ!!!

 ここ数年は、ほぼほぼこのキャラクターの折り紙ばかり補充している感じです。

 たぶん私、ヨボヨボになってもずっと折り紙を折り&配り続けると思いますです、はい……。

 ↓ちなみにこんなの↓

カラフルな折り紙ドラえもん(リバーシブルタイプ)

 地元はもちろん、全国各地に遠征した時もわりかし積極的に配っているので…、もしかしたらもらった事がある人もいるかもですねw


「子供好きなんだね」と言われることもボチボチあるのですが…、そのたびになんとなく違和感を感じておりましてですね。

なんでかなと思ったら、自分は『子ども好き』なのではなく、『子供みたいな人』なんだという事に気が付いたという事です、ハイ…。

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たかさば
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