チーズ

とろんとろんにとけた、のびーんのびーんのチーズが好き
アツアツの、びよんびよんの、あむあむしなきゃいけないチーズが好き

銀紙に包まれた、アーモンド入りのチーズが好き
裂いて食べる、チーズが好き

チーズを使った食べ物はだいたい大好き
チーズ味のお菓子なら何でも好き

子供の頃は、あんまりチーズが好きじゃなかった
チーズは、私にとっておいしくないものだったから

給食で出てくる、動物の形をしたやつは・・・伸びなかった
すっぱいような、プラスチックのような・・・変な匂いがした
ねちょっとして、油粘土みたいな・・・嫌な歯ごたえがあった

食べる時、かなり気合を入れなければいけなかった
食べなきゃいけない日は、気が重かった

いつ頃から、チーズを好きになったのか・・・思い出してみる

たぶん・・・外食に行ったことがきっかけだと思う
うちは、チーズを食べない家だったから

たぶん・・・ピザがきっかけだとは、思う
長期の休みにレストランに連れて行ってもらった時は、いつもミックスピザを頼んでいたから

おそらく・・・ピザのチーズがビヨーンと伸びたあの瞬間、私はチーズのとりこになったのだ
おそらく・・・外食でグラタンを食べた時に、上に乗っているのがチーズだと知った瞬間が転換期だったのだ

温かいチーズの、柔軟性
焼いたチーズの、香ばしさ
揚げたチーズの、カリカリ感

熱とチーズの出会いが、私にとんでもないミラクル効果を与えたもうた

チーズの匂いを嗅ぐと、俄然食欲が増すようになった
チーズのフレーバーに、とにかく目がない人になった

給食のチーズは苦手なままなんだろうなと思っていたけど、ふと気が付いたらおいしく食べられるようになっていた

恐るべし、チーズの底力
侮る事なかれ、チーズの神髄

今でも・・・チーズが伸びる瞬間をみると、私のテンションはあがる

何度見ても、飽きることのない、魅力的な・・・チーズの伸びる姿
何度見ても、何回でも見たくなる、魅惑的な・・・チーズの芸術

びんよよびんよよと伸びに伸びるチーズに、あらあらまあまあと困った声を出しながら・・・大喜びしている

思い出すだけで・・・よだれが出そうになってしまう
こうして文字にしたためているだけで・・・腹がぐうと鳴りだす有様

ああ、今日は・・・チーズをたっぷり使った、マカロニグラタンを作ろう
ああ、明日は・・・久しぶりにチーズボールを大量に揚げよう
ああ、あさっては・・・生地から作るマルゲリータを焼こう

私は、三日間におよぶチーズパーティーを、心行くまで楽しむため・・・近所のスーパーへと、出向いたのだった