ぐおお、金がねぇ!!…うん?「コラッツ予想」?……ちょ!問題が解けたら1億2,000万円ゲットだとぅ……?! や る し か ! ! !
こちらは昨年小説家になろうにて公開したエッセイになります。
昨年7/7に懸賞金が公示されたので、まるっと一年記念にnoteさんでも公開しておきます。
なお、私は数学の専門知識のないただの一般人なので、本格的に研究していらっしゃる方には呆れてモノが言えなくなるどころか怒り心頭になる可能性がございますので、閲覧の際はお気を付けください(-_-;)
どうも、どうもどうも。
いつもおかしな物語を書いては、後悔間違えた公開している者です。
日々、ぼんやり過ごす中で執筆のヒントになるようなものはないかしらと常にへっぽこアンテナを張り巡らせている者です。
いきなりですが、皆さん裕福ですか!
お金はいっぱい持ってますか!
私あんまり持ってません、常に確実で安全でクリーンなお金を求めてさまよっております。
そんなとある日の事でございますですよ。
仕事帰り、家族とへらへら話している時に、ものすごい話を聞いてしまいました。
なんと、とある問題を解くと、1億2,000万円が手に入るというのです!!!
これはネタにせねばなるまい!!!
なんとしてでも問題を解いて金持ちにならねばなるまい!!!
数学の問題には、懸賞金がかけられることがあるそうなんですよ。
答の出ていない、未解決の問題・難題に対して賞金をかけ、世界中に関心を持たせることが目的のようです。研究者・識者の思いつかないような自由な発想と着目点から、思いがけず問題解決の糸口が見つかることもあるって感じでしょうか?
……なるほど。
ならば、金に目がくらんだ私が、遠慮なく手を出させていただいても、問題はございませんね?
……やったるわ!!!
と、言う事で、1億2000万円を狙ってみようと思います!!
まずは、その懸賞金がかかっているという問題を確認する事から始めてみましょう。
数学の未解決問題「コラッツ予想」
任意の正の整数 n をとり、n が偶数の場合n を 2 で割る、n が奇数の場合n に 3 をかけて 1 を足す、という操作を繰り返すと、どんな初期値から始めても、有限回の操作のうちに必ず 1 に到達するという予想。
……うん、よくわからんな。
ちょっと自分レベルに問題を書き直してみよう……。
適当な数字を一個用意して、それが偶数だったら2で割る、奇数だったら3倍して1を足す、というルールを繰り返すと、最後は必ず1になるという予想。
ふーん?
ホントかいな。
なんか占いでこういうのやったような気がするな。
生年月日の数字全部たしてって、最後に残った数字がどうたら、こうたら。
まあいいや、まずはやってみましょうか……。
21を用意します。ちなみに私の誕生日。
奇数なので3をかけて1を足すよ、21×3+1=64
偶数なので2で割るよ、64÷2=32
ルールを繰り返すよ、32÷2=16
ルールを繰り返すよ、16÷2=8
ルールを繰り返すよ、8÷2=4
ルールを繰り返すよ、4÷2=2
ルールを繰り返すよ、2÷2=1
うおお!!!ほんとだ!!
ナニコレ面白い!!!
たまたまだとマズいので、別バージョンもやってみます。
6を用意します。ちなみに私の誕生月。
偶数なので2で割るよ、6÷2=3
奇数なので3をかけて1を足すよ、3×3+1=10
偶数なので2で割るよ、10÷2=5
奇数なので3をかけて1を足すよ、5×3+1=16
偶数なので2で割るよ、16÷2=8
ルールを繰り返すよ、8÷2=4
ルールを繰り返すよ、4÷2=2
ルールを繰り返すよ、2÷2=1
おへあおえ!!
これマジなやつやん、すげえ!!
一応念のために三桁もやっておこうか。
555を用意します。ノリノリのイメージで選んだだけ。
奇数なので3をかけて1を足すよ、555×3+1=1666
…ちょっと待って、三桁計算やばくない?
だがしかし乗り掛かった舟、やるしかねえ……。
偶数なので2で割るよ、1666÷2=833
奇数なので3をかけて1を足すよ、833×3+1=2500
偶数なので2で割るよ、2500÷2=1250
ルールを繰り返すよ、1250÷2=625
奇数なので3をかけて1を足すよ、625×3+1=1876
偶数なので2で割るよ、1876÷2=938
ルールを繰り返すよ、938÷2=469
奇数なので3をかけて1を足すよ、469×3+1=1408
偶数なので2で割るよ、1408÷2=704
ルールを繰り返すよ、704÷2=352
ルールを繰り返すよ、352÷2=176
ルールを繰り返すよ、176÷2=88
ルールを繰り返すよ、88÷2=44
ルールを繰り返すよ、44÷2=22
ルールを繰り返すよ、22÷2=11
奇数なので3をかけて1を足すよ、11×3+1=34
偶数なので2で割るよ、34÷2=17
奇数なので3をかけて1を足すよ、17×3+1=52
偶数なので2で割るよ、52÷2=26
ルールを繰り返すよ、26÷2=13
奇数なので3をかけて1を足すよ、13×3+1=40
偶数なので2で割るよ、40÷2=20
ルールを繰り返すよ、20÷2=10
ルールを繰り返すよ、10÷2=5
奇数なので3をかけて1を足すよ、5×3+1=16
偶数なので2で割るよ、16÷2=8
ルールを繰り返すよ、8÷2=4
ルールを繰り返すよ、4÷2=2
ルールを繰り返すよ、2÷2=1
ギョえええええええ!!すっげえ―――!!!
でもひどい目に合った、もうやらん!!!
どうやらこのコラッツ予想、正しい法則くさい。
三つの数字でやってみただけだけど、どんな数字が出てきたところで1に収束する気配がプンプンする。でも現状証明されておらず、法則性があると思わせているだけのただの偶然である可能性も否定できないというわけなんですね、ううむ。
終盤の1につながる黄金パターン(16→8→4→2→1)、地道にわり続けてたら出てくるとしか思えない。そうか、ずっとわり続けているだけでは、いつか割り切れない奇数が出てきてしまうから1をたして偶数に持って行こうとしているのか。
そもそも偶数だったら半分に割るという行為、これは一気に数字の桁を減らせるチャンスだ。なんだかんだで半分にし続けていけば、少しづつ数は減っていくわけで、そうしたらどんな莫大な数もやがて1にたどり着くのでは?
いやしかし奇数だったら×3しなければならないんだぞ……。いやいや、しかし×3したところで、1を足すんだから奇数は偶数に変化するんじゃない?そしたら次のターンは半分になるから…って、ちょっと待って、×3したら必ず奇数になるわけじゃないことない?
数字は、偶数も奇数も二倍したら必ず偶数になるんだけど、三倍にしたら偶数にも奇数にもなるぞ。
あれ??
6×2=12は偶数、7×2=14も偶数。
6×3=18が偶数、7×3=21は奇数。
つまり、選んだ数字が6だった場合、×3することで偶数になり、それに1を足すので奇数になってしまうではありませんか。
いや、ちょっとまて!!
選んだ数字が6だった場合は、そのまますんなり2でわるのだから、わざわざ×3する作業は不要だった…。
そうか、そもそも奇数に奇数をかけると、奇数になるわけで(※注1)、それに1を足すんだから偶数になるじゃん。つまり、奇数が出た後は、必ず偶数になるってことで、割合的には半分になる可能性の方が高いってことだよねえ。
という事は、やっぱり数は減っていく方向に向かうざるを得ないんじゃん。
なんというか、数字、偶数と奇数二種類しかないのに圧倒的に偶数が出てくる割合が高い、この辺りに1億2000万円ゲットのヒントのようなものが隠されてはいないかしら……。
これを証明したら、一億二千万円……ごくり……。
「コラッツ予想」の証明……。
証明問題ねえ……。
こちとら数学から遠ざかって早四半世紀越え、あいにくと私の中に数学の公式はほとんど収納されていない。
……いや、収納はされたはずなのだ。
されているはずなのだ。
かつていろいろと収納したはずなのだが、理解不足という背景があって無理やり押し込んだためか、脳みその中はとっ散らかっておりいまいち使えない。面白そうな算数パズルを見るたびに頭の中をひっくり返して見つけて引っこ抜いては、ポンとどこかに放り投げてしまうので、欲しい公式がはるか彼方に出張したままになっており、スッカスカなのだ。
……そもそも。
公式を学び、頭の中に収納していた若い時代においても、ずいぶん残念な結果しか残してこなかったのだなあ、私ってやつは。
数学嫌いじゃないけど、どうも成績に繋がらなかったんだよねえ……。
図形問題を解く時に、計算じゃなくて精巧な絵を描いて角度を目測で当てるという暴挙を繰り返していたようなへっぽこでさあ。
グラフの問題で、計算式書かずにxとyに数字入れて計算して線引いて済ましちゃうような不届き者でさあ。
数列の時は雰囲気で数字書いて怒られたしさあ……。
円に内接する四角形の、角度を求める問題で華麗に引っかかってたしさあ。
どう見ても直角三角形だから90度って書いたら、答は60度でさあ、計算したら正三角形だってすぐわかるだろってめちゃめちゃ正論で怒られたわ……。
ふわりと思い出すのは、高校の時の数学のテストの事だ。
信じられないくらい難しくて、手も足も出ず……真っ白な空間ばかりの答案用紙を目の前に私は……どうにかして状況を打破しようと頭をひねった。
何一つ書かれていない、未記入の答案用紙を提出するよりも、みっちりと数字を埋めた答案用紙として提出したい。みっちりと書き込まれてさえいれば、40人×10クラス分の採点をし続ける教師の疲れに乗じて、○がもらえる可能性は……ゼロではないのだ!
追い込まれてとちくるった私は、「これは本当に7なのか、7の見た目をした8なんじゃないのか、そもそも数字に意味はあるのか。あるとない、それだけでいいじゃないか。ここには数字があり、計算式として展開されているではないか。つまり答はあるという事である。すなわち、この答はある、つまり0か1かで答えるのであれば、1である!」…というような、解答を埋めた。
みっちりと数字ではなく文字を書き込んで提出したこの時のテストの点数は34.1点。きっちりと点数は頂いたのだ!!
くそう、粘れ、今回もなんとか粘って、0.1点をむしり取るのだ!!!
一億二千万円の0.1点だったら、120万くらい貰えそうじゃない?!
最後に1が残るのはわかるんだよ、だって結局数字がそこにあるという事は最終的になくなることはないわけで、つまり0か1かで言えば1に決まっているわけなのだ。
くそう、うまくこの考えをまとめて証明せねば!!!
ええとー、数字は、1でも2でも200でも7777でも全部あるものなんだよ。
0は、数字がないという事なんだよ。
数字があるということは、それはすべて1ということなんだよ。
それを踏まえて、コラッツ予想をしてみる……。
存在している、つまり1をこの予想にあてはめてみるよ。
1は奇数なので、3をかけて1を足すよ、1×3+1=4
偶数なので2で割るよ、4÷2=1
1は奇数なので、3をかけて1を足すよ、1×3+1=4
偶数なので2で割るよ、4÷2=1
ループじゃん!!!
ちょっと待て、そもそも数字があるという事は、4÷2も7×3も1425×3も1200000÷2もぜんぶ1って事じゃないの?
つまり……。
(4÷2)=1
(7×3)=1
(1425×3)=1
(1200000÷2)=1
自然数=1
結局1(何らかの数字)があるという事は、1があるってことなんじゃ!!!
という事で、私の出した証明はこちらです。
任意の正の整数 n をとり、n が偶数の場合n を 2 で割る、n が奇数の場合n に 3 をかけて 1 を足す、という操作を繰り返すと、どんな初期値から始めても、有限回の操作のうちに必ず 1 に到達するという予想を証明せよ。
任意の正の整数nは、数字として存在している。
nは0ではない。
数字として存在しているという事は、nはすなわち1である。
n が偶数→n を 2 で割った場合、0になることはない。
n が奇数→n に 3 をかけて 1 を足した場合、0になることはない。
どれほど操作を繰り返そうと、どれほどの初期値から始めても、すべて1として存在している。
つまり、整数nを用意した時点で、1に到達しているといえる。
やったぜ・・・・・・。
答え、だしたったわ・・・・・・。
出した、だけだけど・・・・・・。
0.1点くらいには、なる、はず・・・・・・。
そういえば、0.1点って、意味のない点数だったな。
私が毟り取った34.1点は、小数点以下四捨五入だったので、34点の成績にしかならなかったんだった。成績には何ら影響を与えない点数というなんともむなしい結果に、確かに落胆した自分がいたんだった。
34.1点の、0.1点は、1点になれなかった、点数のふりをした点だった。
34.1点は、35点には、なれなかった。
平均点が35点だったから、すごくガックリきたんだよ。
あと一点あったならってね。
・・・・・・つまり。
0.1点は……0点!!!
グおお!!!私の、私の3時間を、返せ―――――!!!
(この話を書くにあたり費やしたリアルタイム)
という事で、私の証明は解答として存在しない0という事がわかりました。
数学の知識のないやらかしがちな私では解けなかったこの問題、どなたかチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ひょっとしたら一億二千万円がゲットできるかもしれませんよ!!
私はもう力尽きたので、ニューロンとシナプスの活きのいい方、どうか、どうか…私の後を継いで……グふぅっ…げぼぁ……!!!
おしまい。
注1
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奇数を2m+1、2n+1 (m,n:整数)とする。
(2m+1)(2n+1)=4mn+2m+2n+1
=2(2mn+m+n)+1
2mn+m+nは整数なので、奇数×奇数は奇数になる
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なお、私のような金に目の眩んだ愚かな一般人ではない、優秀な皆さんによる研究が多数まとめられております。