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【メタ勉02】メタバースの歴史と近未来

記事執筆日 2022/5/14

メタバースは現時点では体験できるサービスが少ないことに加え、市場ポジションは「イノベーター理論」で言うところのイノベーター期です。ですので現在ではなく未来を予測することが重要です。

【時間軸は筆者の勝手予測】
現在  ↓ イノベーター2.5%
03年後↓ アーリーアダプター13.5%
06年後↓ アーリーマジョリティ34%
10年後 ↓ レイトマジョリティ34%
15年後 ↓ ラガード 16%

未来予測をするときに「未来」は「過去の延長線上にある」ことから今までの経緯(過去)を今一度振り返っておく事が重要だと思っており「メタバースの学校」ではメタバースの「歴史」の解説をいつも行なっております。

以下よりポイントを解説した上で未来予測につなげていきます。

【ゾーン1〜SF最盛期1990年代】
1992年に発刊されたSF小説「SNOW CRASH」の中で使われた近未来の風景が「メタバース」の語源になっていることは承知の通りですが、95年には「攻殻機動隊」、99年には映画「マトリックス」が公開されるなど90年代は未来を掻き立てる作品が多く出ているのが特徴です。

この時に、多くの作品が未来を読み解く際の資料にしたのが「ムーアの法則」です。インテル創業者のムーア氏が1965年に発表した「チップの性能は毎年指数関数的に伸びていく」という予測資料です。

要は1965年当時から見て50年後、60年後、つまり2020年以降くらいの時間軸ですね、スーパーコンピュターを1人1台保有する未来の姿です。この資料が1970年以降、未来をイメージする際の基礎資料として活用されたと言われています。予測としても3D表示が可能になるハイスペックなスマホが行き渡っている現在、予測は実現したと言って良いですね。

ちなみにムーア氏は指数関数的なチップの性能拡大は2017年で止まったと言っているようですね。次は量子コンピューターのフェーズになっていくのだと思います。

【ゾーン2〜Facebookのメタバース戦略の始まり】
2014年、現在のVRデバイスを発明したと言って良いOculus社をFacebookが2300億円で買収しました。ここからFacebookのメタバース戦略が始まっています。

2018年には現在のVRデバイスに繋がるスタンドアローン型を発売。現在のQuest2は3代目となります。

Oculus Quest2 の外観

【ゾーン3〜サービスレイヤーの始動】
4G-5Gへの進化。そしてwifiの高速化と普及といった高速通信の普及と、VRデバイスや高性能PC、高性能スマホの普及がインフラとなってその上で動くサービスが生まれてきます。

有名なVRchatやThe Sandbox、Clusterといったメタバースムーブメントを牽引するサービスが登場してきたのもこのタイミングです。

【ゾーン4〜パンデミックによりメインストリームに躍り出たメタバース】
とはいえ、ここまでの流れはITやゲーム業界では一般的な話であっても、一般社会の視点で見ればかなりマニアックな動向でしかありませんでした。

そこにパンデミックが起こります。ステイホームが強制され、それまではマイナーな存在であったテレビ会議での活動を余儀なくされます。

この「リモートで働く」、「リモートで学ぶ」と言った半ば強制的なライフスタイルの移行によって、オンラインでのコミュニケーションが日の目をあたることになります。

このオンラインコミュニケーションへの移行によって注目されたのがアバターコミュニケーションやメタバースという分野であり、長年研究開発を続けてきたVRデバイスが注目される事をきっかけにマークザッカーバーグはメタバースにフォーカスする宣言を出します。

Meta PlatformsのCEOマーク・ザッカーバーグ

それが2021年10月の社名変更であり、向こう10年間、毎年1兆円の投資を行う宣言により世間が「メタバース」への注目がはじまり世界的なバズワードになったという経緯となります。


【これから起こる事の整理】
「メタバース」といっても基本はネットビジネスです。「メタ勉01」での解説の通り、「2Dインターネットから3Dインターネット」へのマクロトレンド移行期の始まりが現在のメタバースムーブメントです。

ネットビジネスの基本はGAFAMおよびシリコンバレーのテックベンチャーや大資本が作ってきたので、今後もこの流れは変わらないと言って良いので彼らの動向こそメタバースの未来になります。

発表されてるトピックとしては以下のようなニュースが並びますが、未発表ながらもFortnite率いるEpicや、バンダイナムコやスクエアエニックスといった日本勢が現在水面下で準備しているサービスの登場により一気に勢力図が変わる可能性がある点が興味を湧き立てます。

<キラーサービスの登場>
2022年
・HORIZON Worlds (Meta社)の世界リリース
*現在は一部の英語圏のみ

HORIZON Worlds

ただ、メタバースの基本はネットビジネスであることは前述の通りですが、ネットビジネスの構造はSNSに大きく左右されている、という構造からしてやはり世界のSNSを牛耳るMeta社の動向が基本軸になっていくと想定されます。この点がメタバースの未来の解釈の時に「ゲーム的発展なのかSNS的発展なのか?」の解釈の分かれ目になるポイントですが私は後者の意見です。

加えて、独自の仮想通貨を断念した(させられた)マークザッカーバーグが仕込んでいる通称Zuck Bucksと呼ばれるメタバース通貨(実質はポイント)の登場も大きな転換点になる可能性を秘めています。

<ハードウェア>
VRデバイスの分野においてもMeta社1強の時代が続きます。現時点でも3年分の新デバイスリリース計画を打ち出しています。恐らく3年後の2025年までにより軽量(サングラス型)で、より安価な(1万円台?)VRデバイスの実現が視野に入っているのだと思います。

この流れにTikTokのバイトダンスが買収した中国産VRデバイスメーカーPicoの新デバイス登場や、噂先行ですがAppleのXRデバイスが出てくるとより盛り上がるでしょう。

2022年*発表データのみ記載
・Playstation VR2のリリース
・VRデバイスCambria (Meta社)のリリース
2023年
・Meta社の新VRデバイスのリリース
2024年
・Meta社の新VRデバイスのリリース

【この章のまとめ】
・Meta社のVR新デバイス攻勢によりVRデバイスの普及が見込まれる。同時にPlaystationVR2の登場により改めてVRブームが来る予感。
・Meta社のキラーアプリHORIZON Worldsのリリースにより世間一般の注目度が高まる。失望と期待含めて。
・大手ゲーム会社のメタバース系新サービスに期待がかかる。

<この章のポイントと結論>
think it globally, act locally
「グローバルに物事を考え、地域的観点で活動する」
→ただしGAFAMが作り出すのはグローバルトレンド。メタバースはテーマパークの意味合いを持っているので日本での取り組み、いわんや中小事業者の取り組みの発想起点はこの言葉に集約されます。2Dインターネットよりも表現の幅が広がる3Dインターネット(メタバース)の方が小規模事業者へのチャンスは多くなりますね。

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