見出し画像

【メタ勉03】メタバースの現在地を整理してみました

記事執筆日 2022/5/12

メタバースは3Dソーシャルネットワーク(以降3D-SNS)が基本になると定義しています。その上で、3D-SNSをどのデバイスで体験するのか?がポイントになるので現状を整理してみました。

マップの解説をします。
「縦軸」がターゲットとするデバイスになります。
「横軸」がストア経由で提供されるアプリケーションとウェブ上で展開されるブラウザ型の3D-SNSというざっくりとした整理をおこなっています。

ゾーン1の解説

スマホ向けメタバースでAppストアなどからアプリをダウンロードして提供するゾーンです。有名なところではRobloxがあります。*ROBLOXが3D-SNSと言うのかは一旦おいときましょう。

ゾーン2の解説

パソコン向けでSteamやAppストアなどからアプリをダウンロードして提供するゾーンです。このゾーンの特徴はClusterやDMMVRなどマルチデバイス型で対応しているサービスですね。

恐らく、スマホとパソコンをまたぐクロスデバイス型のメタバースが主戦場になってくると推測できます。FORTNITEやスクエニが準備するサービスがこのゾーンの台風の目になることが期待されています。

*ちなみに縦長の点線はクロスデバイス対応を示しています。

ゾーン3の解説

VRデバイス向けにアプリをダウンロードして提供するゾーンです。ほぼQuest2の独壇場ですね。VRchatやMeta社のHORIZON worldsなどがこのゾーンになります。余談ですが、HORIZON worldsはブラウザでスマホとパソコンに対応する計画を表明しています。

ゾーン4の解説

このマップではストアから提供されるアプリケーション版とWeb版と大きく区分けしている理由としてNFTや暗号資産の活用の有無があります。

基本、どこのストアもNFTや暗号資産によるマネタイズは禁止しておりますので、アプリ版では実施できないません。よって否応なくWeb版のゾーンになります。

このゾーンで有名なのはThe SANDBOXやDecentralandですね。現在はパソコンでのブラウザベースでの提供となります。NFTゲームもこのカテゴリーになります。

*Second LifeはNFT/暗号資産非対応であり、Web上からアプリケーションをダウンロードする独自の形式ですが置く所がないのでここに掲載しています。

ゾーン5の解説

このマップではストアから提供されるアプリケーション版とWeb版と大きく区分けしている理由のもう一つの理由は「対応デバイス」です。

アプリケーションでの提供は基本となるデータをあらかじめダウンロードする事から表現の幅が大きくなりますが、デバイス特性に細かく対応する必要があることから手間やコストがかかります。

ブラウザ型はスマホでもパソコンでもVRデバイスでもデバイスを問わずブラウザで表現するのでデバイスを問わないのですが表現の幅(表示するデータ量)が制限される側面を持ちます。

ここではブラウザ型3D-SNSのプラットフォームとして多くの採用実績を持つ Mozilla社のhubsを事例として掲載しております。hubsはオープンソースでカスタマイズも可能な事から最も多くの事例を作り上げているメタバースと言えます。

*参考資料は下部にリンク掲載:Mozilla Hubs Cloudを使用した国産バーチャルSNSまとめ

<この章のまとめ>

ひとくちに「メタバース」と言っても、対応するデバイスやビジネスモデルによってこれだけの区分があると言う事を理解しておくことが重要です。

VRデバイスで体験する3D-SNSは「体験値」は高いです。しかし、保有者が少ないと言う課題を持ちます。

スマホで体験する3D-SNSは「体験値」は低いです。その代わり保有者が多いと言う特性を持ちます。

NFTを組み込みたいとなればウォレットとの相性が良いブラウザベースのパソコン向けと言うのは定番のゾーニングになります。

この様にどのゾーンが良い悪いというのではなく、それぞれの事業課題やターゲット、実現したいサービス、そしてコストやビジョンによって目指すべきゾーンが変わってくると言うことです。

このマップは作り手側の思考を整理したものですが、メタバースを一歩踏み込んで理解する時の必須知識でもありますので、ユーザー体験する際にはこのマップを思い出してみてください。

【学びポイント!】

メタバースの現在地評価としてしては「システム環境」と「集客環境」の二点から評価を行えると考えてます。

「システム環境」とはメタバースをキャンペーンやイベントで採用したい企業や、参加したい個人へ向けてメタバースの「仕組み」がどの程度バリエーションが出揃ってっているか?と言う点です。プラットフォームと言い換えてもいいですね。

と言う観点では海外ではVRchatであり、Recroomなども人気のプラットフォームになっています。国内ではClusterが頑張ってますね。

ただ、現時点で多くのプロジェクトが水面化で開発中である事から近い将来乱立してくる事は容易に想像できる領域です。

もう一つの「集客環境」という観点ではまだ十分とは言えない状況があって、日本でリリースされたバーチャルタウンはどこも人がいなくて、ガラーンとした空間でアバターでトコトコ歩いてそそくさと出てしまった記憶があるのは私だけではないと思っていて、やはり最後は「賑わい」がポイントになると思っています。という意味でもSNSとの繋がりがポイントなりますね。

という観点で言えばやはり特筆すべきなのはMeta社のHORIZON Worldsの日本上陸が一つの転換点になると考えています。転換点というよりも出発点でしょうか。最初から「システム環境」と「集客環境」が揃った大本命になります。

Clusterの頑張りは目を見張るものがあって応援しているのですが、2008年当時、日本でのSNSの隆盛を誇っていたミクシィとカブるイメージがあって、Facebookが日本上陸した途端一気に形勢が変わった時と同じようにならないように独自の世界観を作っていってもらいたいと思っています。

このように3D-SNSのプラットフォーム競争は世界戦であることも現在地を見るポイントになりますね。

====

参考:Mozilla Hubs Cloudを使用した国産バーチャルSNSまとめ

====
合計2万人越えの業界最大のコミュニティ「メタバース2.0チャンネル」
毎日メタバースやVRなどの情報をお届けしていますので、興味のある方はぜひ参加してみてください。

■今話題のVRを体験できる「メタバースの学校」
VRの体験にプラスして、メタバーストレンドを「技術・歴史・ネットビジネス」の観点から学習するセミナーを受講できます。開催回数50回超、すでに500名を超える方々が体験し、30社を超える企業研修に採用されたカリキュラムです。
https://metaverse.hp.peraichi.com/?fbclid=IwAR2LAwm4MBYIV0vWucHXj1H8RClDLbeXKdlvgGHs7fmQ-NUQMiuVx6b-Ffs

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?