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はじめてのヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の飼い方

なんとも言えないユーモラスでかわいらしい爬虫類、ヒョウモントカゲモドキ。トカゲモドキ(もどき)というくらいですから、トカゲではありません。それならいったい何者?
一応ヤモリの仲間ということになっています。
だけどヤモリの特徴である趾下薄板(しかはくばん)がなかったり、トカゲにある瞼(まぶた)があったり。
じゃ結局、ヒョウモントカゲモドキってなんなの?
(※趾下薄板(しかはくばん)は、ヤモリの手足の裏にあるもので壁などに貼り付くことのできる器官のことです。)

不思議なヒョウモントカゲモドキの人気の秘密と飼い方を、我が家の家族の一員である景虎くんとの体験談を交えながら、ご紹介させていただきます。


ヒョウモントカゲモドキの生態・特徴

謎多きヒョウモントカゲモドキですが、まずはその生態から紐解いていくことにしましょう。

今はペットショップに行けば簡単に手に入れることのできるヒョウモントカゲモドキですが、もともとはどこに生息していて、どんなものを食べてどんな一日を過ごしていたのでしょうか?


  • 分類:爬虫類 有鱗目 トカゲ亜目 ヤモリ下目 ヤモリ科 トカゲモドキ科

  • 学名:Eublepharis macularius

  • 英名:Leopard gecko

  • 別名:レオパードゲッコー、レオパ

  • 分布:インドの北西部からパキスタン、アフガニスタン南部の荒野や平原、砂漠地帯などの乾燥地に生息


ヒョウモントカゲモドキの容姿

ヤモリ科の中でも大型で体長は全長20~25㎝ほどです。頭部が大きく手足は短い、ぽってりとした体格をしており太い尻尾の中には栄養を蓄えておくことができるようになっています。基本的な色は、淡い黄色から黄褐色。それを下地として全体に黒い斑文が散らばっています。
(現在は品種改良された個体が流通されており、様々な体色や模様の個体が見られるようになりました。)

ヒョウモントカゲモドキの身体の中でかわいい部分のひとつが、手のひらです。
ぽってりとした体格とはアンバランスな小さな手のひら。よーく見ると、人間の手によく似ているんです。は虫類みたいに異常に長い指ではなく、ちゃんと五指が人間の指みたいに良い感じの長さなんです。しかも肌色だから、本当に小さな小さな人間の手のひらみたい。

ヒョウモントカゲモドキの行動

趾下薄板を持っていないため立体的な行動は苦手です。岩壁とか木とか、登ることができませんので、ひたすら平らな地上を走りまわっている感じになります。

ヒョウモントカゲモドキは手のひらに趾下薄板はないけれど、小さな指の先には鉤型の爪がついていて、素材によってはそこに引っ掛けながら登ることができます。例えば網戸。
ただ、身体はぽってりちゃんで重いため登れば登るほど重力がかかります。ある程度まで登ったらついに身動きが取れなくなって、ぽいっと手を離しちゃうので要注意です。
疲れたら諦める。その潔さは見習わなくちゃいけないかなとも思うけど、後先考えないところは危険です。

ヒョウモントカゲモドキの鳴き声

ほとんど鳴くことはありません。子どものころに「きゃっ」と破裂音のような、乾いた鳴き声を発することがあります。
驚いた時や怖いと感じるときに鳴くようです。
景虎君も幼いころ、よく鳴いていました。「きゃっ」というよりは「かしゅっ」という感じ。時々なにもしていないのにゲージの中から鳴いていました。

ヒョウモントカゲモドキの食性

肉食で主に昆虫類や節足動物を食べます。比較的大きい獲物も丈夫な顎を使って飲み下すことができます。

小さい間に乾燥フードを食べさせておけば、生き餌をあげる必要がないので楽です。景虎はうちにやってきた時にはもう2歳だったので、乾燥フードには見向きもしません。
生きのいいコオロギオンリーです。
大きなコオロギでも頑丈な顎で潰しながら食べています。


ヒョウモントカゲモドキの飼い方

ヒョウモントカゲモドキはペットの中でも飼いやすく人気のある動物です。見た目の可愛らしさもありますが、動きも緩慢でユーモラス。鳴き声を発することもほとんどありませんし、匂いもなく噛みついたりすることも滅多にありません。
病気にもなりにくいため安心して飼うことができます。
初めてペットを飼う人におすすめのペットです。


飼育に必要なもの

  • ケージ

  • 床材

  • ヒーター

  • 温湿度計

  • 証明

  • シェルター

  • 水飲み皿

  • 餌入れ・ピンセット

  • レイアウトグッズ

まずケージを準備します。ヒョウモントカゲモドキは同じケージの中で複数の飼育には不向きなため、単体での飼育となります。繁殖の際にオスとメスを一時的に同居させることはありますが、基本的には同居は避けます。

ヒョウモントカゲモドキは乾燥地帯で生息していますので、温度などの管理を行うようにします。そのためにヒーターや温湿度計が必要です。飼育に適度な温度は、25~30℃です。
また日中は暗い岩穴で生活をするヒョウモントカゲモドキのためにシェルターを用意します。安心できる場所を作ってあげましょう。

太い尻尾に栄養がたっぷり入っているヒョウモントカゲモドキですが、きれいな水は必要です。浅い水飲み皿を置いて、常にきれいな水を入れ替えてあげるようにします。

レイアウトグッズは様々な種類があります。自分好みのレイアウトでお部屋のインテリアとして楽しむこともできます。


ごはんの食べさせ方

ヒョウモントカゲモドキは3、4日に一度程度の割合で食事を与えます。

主食に向いているのは、コオロギやローチなど生きた昆虫類。ケージの中に何匹かを放ち入れておくと自分で捕食します。その際にカルシウム剤と総合ビタミン剤をまぶしておくようにしましょう。
成長期の頃は1日に3匹程度。ある程度落ち着いてくると3日に3匹が適量です。個体によって違いますので調整しながら与えるようにします。

なかには捕食が苦手な個体もいて、いつまでも自分で捕食できない場合は、ピンセットでコオロギをつまんで一匹ずつ食べさせてあげるようにします。
コオロギをケージの中にそのまま放置していると、ヒョウモントカゲモドキに噛みついたりして怪我をさせてしまうことがあるので注意してください。
景虎はこのタイプです。のんびり屋さんでどんくさい景虎君は、もう絶対に野生では生きていけません。

ヒョウモントカゲモドキのごはんには、人工フードなどもあります。固形や粉末、ゲル状タイプなどもあり、保存食として便利です。捕食させる場合も簡単ですし罪悪感が少ないのも魅力ですが、栄養的には活き餌と併用するのがおすすめです。


餌となるコオロギ

コオロギはペットショップで餌として売られています。我が家では100匹くらい購入してコオロギにも餌を与えています。

コオロギって秋にしかいないのかと思ったら年中いるんですね。そして夏になると、ころころ鳴きます。あんまり寒かったり暑かったりするとすぐに死んでしまうので、家の中でゲージに入れて飼っています。
100匹のコオロギはいつも半分くらいは死んでしまうので、もう少し購入の仕方や育て方などの工夫は必要かなと思っています。
ちなみにコオロギは、Webでも購入できます。送料とかがどうしても割高になってしまいますけど。


ヒョウモントカゲモドキを飼うときの注意点

ヒョウモントカゲモドキは気が弱くデリケートなところがありますので、注意しなければいけないことがいくつかあります。

脱皮は命がけ

ヒョウモントカゲモドキの特徴のひとつである、脱皮。
季節は関係なく年中定期的に脱皮をします。

全身がうっすらと白くなってくると、そろそろ脱皮をする頃。そのうち、白い部分が浮き上がってきます。ヒョウモントカゲモドキはあちこちに身体をこすりつけたり、浮き上がった皮膚をくわえて剥がそうとします。

器用な子は、自分できれいに剥がしながら皮を食べていきます。ちゃんと剥がすことができない子は、剥がれた皮膚に絡まってしまって怪我をしたりしないように、手伝ってあげましょう。

ヒョウモントカゲモドキにとって脱皮は命がけの行為です。そのためこの頃は気が立っているので、必要以上に触れたりしないようにしてください。
軽い気持ちで脱皮を手伝ってあげようと思って手を出したら、景虎に指を噛まれてしまったことがありました。噛まれるまで気がつかなかったんですが、歯はカッターナイフのように鋭いのですね。スパッと深く切れて血が流れ出てきて驚きました。
景虎君は私の指を皮と思っただけでまったく悪くありません。変なタイミングで手を出してしまった私の自業自得。くれぐれもお気を付けください。

ケージの掃除はやり過ぎない

ヒョウモントカゲモドキはきれい好きです。
フンをしたらこまめに片付けてあげるようにします。フンはだいたい同じ場所にします。

ケージの中の掃除は1ヶ月に1度くらいのペースで、全部を入れ替えて掃除をします。頻繁にしすぎると、ストレスになるため適度なペースで行うようにしてあげましょう。

水はこまめに替えましょう

水飲み皿を水は毎日替えてあげるようにします。また乾燥しすぎているときなどは、霧吹きでケージを濡らしてあげます。
特に脱皮をしているときは、少し空気を湿らせてあげると脱皮がしやすくなります。

ハンドリングはほどほどに

ヒョウモントカゲモドキはおとなしく、人間に対して攻撃することはほとんどありません。そのためつい触れたくなりますが、度が過ぎるとストレスをかけて病気になってしまいます。臆病で神経質なヒョウモントカゲモドキですので、ハンドリングはほどほどにしましょう。

また尻尾を強く引っ張ると、自分で切り落としてしまいます。その習性はトカゲと同じです。尻尾はまた生えてきますが、もとの尻尾とは形状が違います。
またトカゲとは違って、特徴のある太い尻尾です。切ったあとの傷から炎症を起こして病気になったり死んでしまうこともありますので注意が必要です。


ヒョウモントカゲモドキの繁殖

希少なモルフのレオパ

ヒョウモントカゲモドキは品種改良により身体の色彩や模様や目の組み合わせは無限で、その変異を楽しむことができます。もともとは野生色(ノーマル)から交配によりモルフ(品種)を変異させていきます。
ヒョウモントカゲモドキは爬虫類の繁殖において入門的な位置となっており、比較的簡単で種類も多いのが特徴です。

このように繁殖に魅了された人たちによって、ヒョウモントカゲモドキの人気があがっていったのも事実です。

ヒョウモントカゲモドキの手に入れ方

ヒョウモントカゲモドキは手に入れやすく、爬虫類専門店はもちろん、ペットショップでも手軽に購入することができます。また珍しいモルフを狙うならブリーダーから直接購入することができます。

値段についてもお手頃で、1万円~5万円くらいが一般的です。
珍しいモルフになると数十万するものもあり、かなり高額になることもあります。ブリーダーとの直接交渉となります。


まとめ

かわいくて飼いやすいヒョウモントカゲモドキ。犬猫が禁止なマンションでも飼うことができるおとなしいペットです。
ペットが初めての方でも比較的簡単に育てることができるのが魅力。

繁殖をさせてモルフを楽しむような高度な飼育も可能ですが、まずは共に暮らすことを楽しまれてはいかがでしょうか。

眠っている姿も水を飲んでいる姿も、いつまでも見ていられるユーモラスなヒョウモントカゲモドキ。喧噪の日々を生きている人の、癒しとなってくれるでしょう


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