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マスタニの逆襲

帰国して、いろいろな縁もあり、おこしやす京都で夏までの3ヶ月程お世話になることになりました。

3ヶ月という短い期間にも関わらず
温かく迎えて頂いて本当にありがとうございました。

吉武さんの練習は毎日すごく充実していて
頭がパンクするくらい考えることだらけなメニューが多く、今まで言語化出来ていなかった自分のサッカー感やプレーを1から勉強することが出来ました。

なんとなく感覚でやってたポジション取りや
ひとつひとつのパスの意味
止めて蹴るの本質
相手のフォーメーションを見てプレーすること

とにかく頭の部分で成長出来ました。
正直、考えすぎてしまって、試合で自分のパフォーマンスを出せたかと言われると全然そうではなかったけど、自分にとって確実に意味のある3ヶ月でした。

ピッチ外でも沢山の素敵な出会いがありました。


そして7月からヨーロッパへの再挑戦が始まりました。

最初はモンテネグロという国に渡航しました。

現地で日本人選手でトライアウトチームを組み
モンテネグロ1部や2部のチームとほぼ毎日試合を行い、試合で対戦相手にアピールして契約を掴み取るという感じです。

真夏の35℃超えの中、ほぼ毎日90分試合があって
日本とは違う体格の差、身体のぶつけ合い、グラウンドの環境、全てがすごく新鮮で毎日がむしゃらにアピールし続けました。

モンテネグロに来て1週間と少し経ったくらいで運良く繋がりもあり、セルビア2部のチームへの練習参加が決まり、次の日からセルビアに向かいました。

スタジアムから少し離れた練習場

日本やラトビアあたりの北欧とは全然違った環境やサッカースタイルに慣れるまでには少し時間がかかりました。

初日の練習でボコボコのグラウンドに慣れなさすぎて、クロス練習で3連続くらいクロスをミスり、監督のため息が聞こえてきました…笑

落ち込んでてもしょうがないと切り替えてなんとか次の日から立て直せましたが。笑

結局3週間くらいチームに参加して、4試合くらい練習試合をこなしました。

これだけ長い期間、チームに参加して契約が無理だったら時期的にまたチームがなくなるな…

そんな不安はありましたが毎日の練習でとにかく出し切る事だけを意識し、なんとか無事に契約できることになりました。

ラトビアでの事もあったので、紙にサインを書くまではずっとソワソワでしたが、監督から開幕戦にスタメンで出ることが伝えられ、そこでようやく契約を実感しました。笑

2024が始まって半年。ようやくのスタートライン。


こうしてようやくヨーロッパでのプロキャリアのスタートラインに立つことが出来ました。

辛い時期や路頭に迷っていた時期にサポートしてくれた全ての方に本当に感謝しています。周りの支えがなかったからこの契約は叶いませんでしたし、改めて人の繋がりの大切さを実感しました。ありがとうございます。

試合後お決まりのピザ🍕


このようにようやく始まったヨーロッパでのキャリアでしたが、結果的に半年であまり試合に出場することは出来ませんでした。

開幕戦は前半だけで0-4…
開幕戦でそんなボコボコにされるかってくらい結果も内容もボコボコにされました。笑

最初の方はスタメンで使ってもらっていましたが、チームも全然勝てなくて上手くいってなかったし、自分も個人でそこまで違いを作ることも出来ず、気付けばだんだんベンチに座る時間が長くなっていました。

かと言って練習で通用しない訳ではない。
なんなら練習でボールを失うことは少ないし、むしろ気持ち的にはなんでスタメンじゃないのかわからないくらいの気持ちはありました。

でも自分が良いと思ってるプレーが評価に繋がらない。求められてることがそもそも違う。

守備、球際、フィジカル、言語…
ひとつひとつ向き合う必要がありました。

ピッチ外の環境も決して良いとは言えませんでした。

ベットとシャワーだけのワンルームに2人暮らし。

家と食事はチームから提供されますが
レストランのご飯の質は低いのが当たり前でした。
家にキッチンがないので自炊も出来ず…

こんな日もありました。
半年間よく怪我しなかった。笑


給料も平気で未払いなどがありました。
払えないのに、来週給料を必ず払いますって言葉を何回聞いただろうか。笑

アジア人差別もありました。
街をチャリで走ってるだけで、僕たちを見る小中学生の9割は、キネーゼ!(セルビア語で中国人)って言ってきます。笑

学校の前や大通りをチャリで走る時はキネーゼ祭りです。どんな教育しとんねん!笑
日本人ってわかると少し対応は良くなりますが…笑

チームのみんなは優しかったです。
ニックネームはタカかタキツェ〜(原型ない)。笑
毎日ハイタッチする時にすごい愛情をくれる愛人みたいな奴もいました。

ホーム最終戦での久々の勝利。

まぁ振り返るととにかく色々ありましたが

海外でのキャリアのスタートにワクワクしてた8月は遥か昔の話でしんどいことの方が多い半年でした。

それでも年始の苦しかった時期と比べると全然楽だったし、サッカーできるだけでめっちゃ幸せでした。これくらい恵まれてない環境を経験できたのはむしろ良かったです。

練習、筋トレ、勉強、できる限りでの食事。
毎日やれることはやってきましたし、あっという間に1日が終わっていく充実した半年でした。

2024年が始まった時には1年間の中でこんなに色々な場所でこんなに色々な出来事が起こるとは思ってもいなかった。全部良い思い出です。

ですが、まだスタートラインに立って半年。
何も成し遂げてないし何も結果を残せていない。

まだまだこれからやることはたくさんあるし
目標の場所はまだまだ遠くにあります。
年明けにどのチームでどんなチャレンジをしているかはまだわかりませんが、1日1日を無駄にせず2025年も突っ走っていきます。

闇を知らぬ者に光もまた無い!
闇を抱えて生きろ!
一歩ずつ地道に努力していきます。

(引用元:漫画「バガボンド」)

長くなりましたが、読んでいただきありがとうございました。来年はどんな場所でどんなチャレンジをしているかわかりませんが、定期的に更新していきたいです!

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