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Photo by
chari_lele
生きる力と死への向き合い方
前回の投稿を読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
今回は、私が経験した看取りケアの中でも、特に心に残っている千寿子さんという女性のお話をお伝えしたいと思います。
千寿子さんは90代👵
白血病を患い、余生を過ごす場所として、新設された地域密着型特別養護老人ホームに入居されました。
彼女は余命を宣告されており、その事実を自分でもしっかりと受け止めていました。
千寿子さんは気高く、車椅子での生活でしたが背筋をピンと伸ばし、身だしなみに気を使い続ける素敵な方でした☺️
入居当初は、見守り程度から軽い介助が必要な状態で、意思もはっきりしていて、お喋りが好きな明るい性格が印象的。
しかし、千寿子さんの口癖はいつも決まっていました。
「ご先祖様に元気なうちに早く迎えにきてほしい、一緒のお墓に納めてほしい」とお墓参りしてご先祖様にお願いしに行きたいの
そう、彼女の願いは、故郷の京都にあるお墓参りをしたい!
しかし、その言葉が当初、スタッフの間ではどこか“死を望む”ような内容に聞こえ、私たちはどう受け止めていいのか戸惑いました。
正直なところ、「またそんなこと言って」と軽く流してしまったこともあります。
死を語ることを、私たち自身がどこかネガティブに捉え、避けていたのです。
しかし、千寿子さんの言葉の意味を知り、私たちが少しずつ彼女の思いを理解するようになった経緯には、多くの学びがありました。
死を負のイメージとして捉えていた私たちが、どうそれを変えていったのか…。
次回は、千寿子さんとの日々のやりとりや、彼女が見せてくれた「生きる力」と「死に向き合う姿勢」を通じて私が学んだことをお話しします。
彼女のエピソードが、皆さんの心に何かを届けられることを願っています。