最終回:「認知症ケアって」
ついにやってきました、英雄さんとのエピソード完結編!
ここまで読んでくださった皆さん、ほんまにありがとうございます♡
これまで、唾を吐かれる事件や怒りの理由を紐解きながら、私自身の介護への向き合い方が変わっていく過程をお話ししました。
今回は、英雄さんが私たちに教えてくれた「ケアの本質」、そしてそこに隠れた大切な気づきについてお話しします。
私たちに突きつけた「ケアの在り方」
英雄さんが唾を吐いたり、怒ったり、不機嫌になったりと私たちを困らせる行動を取った理由。
それは、彼がただ気難しい人だったからではありません。
むしろ、その原因を作り出していたのは私たち介護職員だったんです😨
例えば…
•無理やり起こすことで、彼の「心地よい日常」を壊してしまった。
•「認知症だから」と決めつけて、彼自身の意思や気持ちを軽視してしまった。
•安全や効率を優先するあまり、彼の「権利」を奪ってしまった。
これらの積み重ねが、英雄さんの「怒り」や「不満」として表面化していたんですよね。
喜怒哀楽を体現する理由
英雄さんは、言葉での表現がうまく出なかったので、表情や行動でその時々の感情を全力で伝えてくれました。
たとえば、怒りの時は大声を出して唾吐く🤬
悲しさや不安を感じた時は黙り込む🙁
そして、嬉しい時には、子どものような笑顔😆
そんな風にして、彼はいつも感情を体現していたんです。
でも、私たちがその感情の背景に気づかず、単に「問題行動」として片付けてしまっていたら、彼のSOSを見逃してしまうところでした
正直、見逃していました🥲
英雄さんが体現してくれたのは、「感情に寄り添うケア」の大切さ。
言葉ではなく行動で、私たちにその重要性を教えてくれたんです。
「認知症だから」の枠を外す
英雄さんのエピソードを通じて、私は「認知症だから」という決めつけの恐ろしさを知りました
•「認知症の人=記憶が曖昧だから何でも仕方ない」
•「認知症の人=自分で考えることができない」
そんな固定観念が、彼の権利を奪い、彼自身の感情を無視するケアにつながっていたんです😔
でも、認知症の方々は「記憶」は断片的でも、「感情」は残っています。
そして、その感情の裏には必ず「理由」があるんですよね。
たとえば…
•怒り=自分の意思が無視された
•不安=環境が変わって戸惑った
•喜び=大切にされていると感じた
こういった感情の背景を探り、丁寧に向き合うことで、私たちのケアの質は大きく変わると気づかされました。
権利を奪わないケアとは?
英雄さんとのやりとりを通じて、私が学んだ一番のことは、「ケアはその人の権利を守ること」ということです。
たとえば…
•「自分で選びたい」という権利を尊重する。
•「自分でできることは自分でやりたい」という意思支える。
•「自分のペースで生活したい」という希望に寄り添う。
これらを大切にするだけで、ケアの現場が驚くほど穏やかになるんですよね😊✨
【100%でなくて良い!直ぐに結果はついてこない!だって一人ひとり違うから。スムーズにいくはずがない。だって、知らない人の人生を取り扱う仕事なんだから】
英雄さんからの卒業
最後に、英雄さんが私に教えてくれた最大のギフト🎁
それは、ケアとは「人と人との向き合い方」そのものだということです😌
彼の怒りや困らせる行動は、ただの問題行動ではありません。
それは彼なりのSOSであり、「もっと人として見てほしい」というメッセージだったのでは?
この気づきを得てから、私はケアの在り方を根本から見直すようになりました。
そして、どんな人とも「人として」向き合うことの大切さを学びました。
読者のみなさんへ伝えたいこと
この記事を読んで、「あ、うちの施設でもこんなことあるかも」と思った方、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
利用者さんの行動や感情の裏には、必ず理由があります。
それを探ることで、見えなかったものが見えてくるかもしれません💡✨
そして、もしあなたが介護に悩んでいるなら、こう考えてみてください。
「この人がこういう行動を取るのは、どんな感情があるからだろう?」と
その一歩が、ケアの質を大きく変えるはずです😊🌟
英雄さん、ありがとう。
あなたが教えてくれたこと、これからも忘れません。
そして、この記事を読んでくださったあなたにも感謝です。
次回の記事でまたお会いしましょう~!✋✨