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「malus/九条林檎」自己解釈と解けない謎

ごきげんよう。しがないディナー(人間)です。
noteはたまにハートを押すくらいしか使っていなかったのですが、今回は推しの曲の考察を長文で書きたくて初記事を作ってみました。ふせったーとかも考えたんですけどせっかくなので。

さて、何はともあれお聞き下さい。

https://twitter.com/ringo_0_0_5

バーチャルタレントにして吸血鬼と人間のハイブリッドティーンエイジャー九条林檎様のオリジナル楽曲「malus」が12/10、デビュー1周年の日に公開されました。

もうね、最高ですよ。一発で引き込まれる彼女の世界観と「跪けよ」の強烈なインパクト。何度も繰り返されるキャッチーなフレーズに赤い背景の中で舞い踊る林檎様。まさに心臓を鷲掴みにされました。

曲は作曲家のこおろぎさん。ミックス・マスタリングはatelier AUTH_QUIDさん、作詞と映像制作は九条林檎様ご自身が行っています。

もう何十回とヘビロテしているんですが公開から約2日が経ち、少し落ち着いてきたところで自分なりの曲解釈をまとめようとnoteを開いたわけです。(Twitterの#RINGO_thingsハッシュタグでファンの考察が続々と投下されているのを見て刺激を受けたのもあります。)

それでは目次をどうぞ

「malus」とは

曲のタイトルはmalus。直訳すると植物のリンゴ属を表します。そのまま九条「林檎」を指すと解釈できますがなぜappleではなくmalusなのか。単に中二なのk…ゴホンゴホン 失礼。

実はappleという単語はかつて「すべての実」を指していたことがあります。パインアップルもアップル。みかんもライチもあんずもナツメも桃も、じゃがいもや野菜類までアップル。ぐぐったら出てきました。

これではリンゴそのものを指すには程遠いかもしれません。なので学名に使われているmalusの単語を選んだのかもしれない……という自己解釈。林檎様が本当にそう思っていたかどうかは分かりませんなぜなら林檎様は我々人間の上位存在だから。

また、malus(マルス)という発音は最後に出てくるメッセージの中にあるMarkhorte(マルクホルテ)と最初の音が似ています。何か関連があるのかもしれません。これは謎の一つ。

歌詞の意味について

これは既にファンの間で何度も考察されています。「饗宴を始めよう」=「九条林檎の食卓(※SHOWROOM配信)を始めよう」あたりが有名ですが、ここで改めて自分なりの解釈をまとめていこうと思います。以下、歌詞の引用が含まれます。

と、その前に。
12/11の配信中に「malusは曲が先か歌詞が先か」というリスナーからの質問があり「曲が先だ。作ってもらう際に仮歌詞を渡したが、出来上がった音源に合わせると長文だったので削って削って芯の部分だけにした(意訳)」と林檎様が答えて仮歌詞の一部を披露してくださったため、その内容も含んだ解釈となります。
(今後公開された時のために内容は控えます。ちらっとは出てくるかも)

では、1番の歌詞から。

感じるかこの鼓動
内臓響くfanfare
見透かして 嗚呼 隠せぬ業

鼓動、fanfareともに音に関する単語です。fanfareは一般的に「華やかな(トランペットなどの)吹奏」と訳されます。つまり楽しいこと、わくわくドキドキを感じているのでは。

それを見透かすように高鳴る鼓動。嗚呼、隠せないな……と思っているのかもしれません。(※個人の解釈です)

夢現の頭を
鷲掴みにするemotion
知っていただろう
本能が

夢現の頭=ここは林檎様でなくサビに登場する「ある人物」の頭を指していると見られます。
そして詞にはありませんが歌を聴くと「知っていただろう本/能が」と能のところで切れるように音を当てています。つまり能=脳。脳を鷲掴みにされています。

月夜に眼を向ければ
此の手の中

Bメロにあたる部分。月の出ている夜の時間=21時のSHOWROOM配信を指していると思われます。かなり言葉を削っている様子なので動画の仕草のように「此の手の中に絡めとってやろう」くらいの意味は入っているかもしれません。

そしていよいよ登場です。

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この言葉は歌詞には登場しません。しかし間違いなく林檎様の口が動いていますし、ライブ等では間違いなくコールアンドレスポンスにされるだろう掛け声です。(むしろしたい)
いにしえの個人ホームページなら白文字で伏せてマウスドラッグするとバレる系です。分厚いブックレットならあぶり出しかも。

饗宴を始めよう
無慈悲な程美しく
I always standing for the darling darling you

無慈悲な程の美しさを備えた上位存在の饗(もてなし)の宴。あるいは無慈悲な程美しくまだ人類が知らない饗宴を始めよう。それが九条林檎の食卓です。林檎様はいつも最愛の者の側にいます。このstandは単に立つ以外にも様々な意味があると考えられます。

stand forで「~の味方をする/~の代わりとなる/~を支持する」となり、林檎様が支配する人間への想いと重なります。そして日本、いやおそらく世界で一番有名な「darling darling」が出てくる歌詞といえば「Stand by me」です。この歌詞も非常に良いので知らない方は是非調べてみてください。

舞い踊るwine red
甘美な呼吸喰らえば
I always starting for the darling darling you

動画内で舞い踊っているので誤解しそうですが、九条林檎様はハイブリッドティーンエイジャー、つまり未成年です。アルコール入りのワインはまだ飲めません。

じゃあノンアルコールならいいのかというと疑問ですが、おそらくは最近のバーチャルキャスト配信で飲んでいらした「血のワイン(輸血パックからグラスに注いでいるアレ)」と推測されます。つまり舞い踊るのも甘美な呼吸を喰らわれているのもリスナーです。わぁい。(※超解釈)

ここでサビが終わり、嗚呼、という声と共に間奏が始まります。嗚呼というのは林檎様の口癖のようなものです。Twitterのツイートでも頻繁に登場します。

血に喚ばれ目を覚ます
麗しき此の化生が
振り出す脚
千の賛美を詰めて

2番の歌詞。血に喚ばれ目を覚ます麗しきこの化生=吸血鬼たる林檎様のことですね。振り出す脚には(腕にも)リスナーからの千の賛美が詰まっています。そして化生(けしょう)は化粧(けしょう)とも掛かり伏線が張ってあります。

余談ですが林檎様が作曲作詞された別の曲「九条商事社歌」には「黄色い瞳にサラサラヘアー 手足長々スタイル抜群」というフレーズが出てきます。そう、スタイル抜群なのです。

絡めとり
眼を合わせば
此の手の中

絡め取るのは何か。1番のBメロと続いていると見られるこの部分は「月夜に目を向ければ/絡めとり眼を合わせば/此の手の中」と読み取れます。つまりサシで見つめ合っています。目と目が逢う~♪

饗宴を始めよう
比類なき雅気高く
I always standing for the darling darling you
(跪けよ)
廻り廻るwine red
気品迄が目眩む
I always starting for the darling darling you
(嗚呼)

サビの部分です。比類なき雅、気高き存在と廻り廻ることで目が眩んでしまうのかもしれません。ちなみに「廻る」とは「ある点や軸を中心にして円形の軌跡を描くように移動する」ことを表します。地球の自転は「回る」で公転が「廻る」です。つまり林檎様とwine redでダンスを踊っているのかもしれませんね。

もしかすると「跪けよ」は林檎様にダンスを申し込むポーズでは……?
(※ただの妄想です)

さて、2番が終わり、林檎様が画面から消えて蝙蝠型の器に赤い液体が溜まっていきます。蝙蝠は九条家の由緒正しき紋章です。これが何を意味するのか……謎が一つ増えました。

神のつくり給うた貴様は
完璧で価値があり唯一つの愛しき命だ

一挙手一投足を見ていろ
目くばせ呼吸爪の先々まで

全て貴様にくれてやろう

ラスサビに入る前の台詞は元々仮歌詞になく入れる予定ではなかったそうです。しかし送られてきたラフ音源(完成前の音源)を聴いてみたら仮歌で入っていたので「あーじゃあやろうじゃないか」と急遽入れたとのこと。

つまりここに詰まっているのは林檎様が一番伝えたい言葉です。

8/5~8/11に新宿ユニカビジョンで放映されたプロモーション動画でも「忘れちゃいけないのは 貴様は生まれながらに高価で 大切にされる価値があること」というメッセージがありました。林檎様のメッセージは現在も過去も変わっていません。

饗宴を始めよう
靴音響かせ踊れ
I always standing for the darling darling you
(跪けよ)
甘美なるwine red
溶じ込めたこのグラスに
I always starting for the darling darling you
(跪けよ)

wine redをグラスに溶じ込めた林檎様は靴音を響かせ踊っています。独り占めですね。なんだかヤンデレっぽくなりましたがきっと気のせいです。

廻り廻れ(嗚呼)

ここで回転しているのは林檎様を映すカメラです。廻っているのは誰?

卆わらぬ歌を
世界にさあ見せてやろう

終わらぬでも卒わらぬでもない、卆わらぬ。

なぜこの字を使ったのか。それは九十(くじょう)だからに他なりません。(林檎様のFANBOXにも910円の支援コースがあります)

卆わらぬ九条 終わらない九条 九条家は終わらないのです。

(余談ですがバーチャルタレントとしての2019年の抱負は「不死」でした)

饗宴を始めよう
粧し襟を正せば
I always starting for the darling darling you
(嗚呼)

お粧しして襟の付いたドレスを着た林檎様は配信で逢うことができます。化粧をすると人は化けるといいます。まさに化生。伏線を回収しました。


というわけで歌詞を全体的に見ていきましたが「我と月夜に踊ろうじゃないか」みたいな解釈になりました。全然違いますね!
「我はそんなこと言わん」と言われても致し方なし! 残念!(べべーん)

動画から読み解く

ところでmalusには歌詞には載っていない「跪けよ」や「嗚呼」があったりアウトロにメッセージがあったりと、歌以外にも様々な演出が施されています。動画は林檎様が自ら製作なさったので何かが込められていてもおかしくありません。さあ読み解いていきましょう。

1.イントロ部分

林檎様の足元からカメラがゆっくりと上がっていきますが、途中で2回ほど背景が白に変わります。これは自己紹介動画「1分でわかる九条林檎」と「1分でわかる九条林檎No.5」のセルフオマージュです。ポーズも腰に手を当てて合わせています。

また、オルゴールの音色が使われていますがこれは林檎様が配信のBGMに流すオルゴール曲を表していると言えます。(最近はもっぱらジャズ曲ですが)
作曲家のこおろぎさんはデビュー前から林檎様を知っていたそうなので、オルゴール曲が耳に残っていたのかもしれません。

2.Aメロ冒頭

楕円形の窓の中で横向きに登場する林檎様。まるでカメオのようです。
なお楕円形はここにしか登場しません。

3.Bメロ冒頭

満月を見上げながら積み上がった謎の白い箱に腰掛けている林檎様。箱のようにも角砂糖のようにも見えます。数は5つ。……ウトカン?

4.darling darling you

耳に残るサビの部分。このyouのところで林檎様は必ずこちら側を指差します。つまりdarling darling youとは他でもない、動画を見ている貴様(you)だぞ、と言っているのです。

5.間奏の四角い黒枠

「I always starting for the」で登場したかと思うと間奏時には若干くしゃっとした姿で登場し、ラスサビ時には大量に出てくる謎の四角い黒枠。何でしょうね?
(林檎様の動画にはよく赤い丸と黒い四角が登場しますがそのオマージュ?)

6.絡めとり眼を合わせば

林檎様ご謹製のLive2Dで動く両眼と動画を見ている貴方(you)の目がガチで合います。林檎様に見られてるよ!

7.コーラス

台詞の間に流れている「らららら」というコーラスは林檎様のお声をミックスしたものです。「跪けよ」もおそらく。(確証がない)
「らららら」の方はAメロの一部を繰り返しているようです。この辺りはかなりゴシック的で怖さを感じます。ラスサビに向けての盛り上がり部分です。

8.謎のポーズ

MVの中で最大の謎の箇所。モノクロの画面で林檎様が1回転してラスサビに繋がる重要なシーンです。ここに何かが隠れていてもおかしくない!

実はこのシーン、メイキング映像がアップされています。FANBOXの支援者限定で見られるものですが、サムネイルは公開されているのでぺたっと。

こんな感じで林檎様を固定してカメラの方を動かしていたそうです。しかも固定されているのは「我人形」という林檎様の分身ボディです。

だから生気を感じなかったんでしょうか。動画を見返す中で一番怖いシーンでした(今も怖い)ですがメイキングのお陰でちょっぴり安心できました。ありがとうございます林檎様。

さて、このカメラの回転に注視していくとあることが分かります。それは「胴から始まって口で終わる」こと。更にダメ押しのようにドクンと鼓動のような音が冒頭に一つ入っています。そして一回転して口元がアップになった後、ブレスが一つ。全体を通して息が入っているのはここだけ。

つまりこれは「死と再生」を表しているのでは??(大仰すぎる)

だいたいこのポーズが謎なんですよ。なんですかこれ? 古代の壁画に登場する神様みたいなポーズじゃないですか。卍ですか。気になり過ぎて配信中に質問してしまったんですが代わりに出てきたのがメイキング動画でわけがわからないよ。あ、でもとりあえず由来はないっぽいです。

ちなみに動画中の振り付けについては即興と判明しています。林檎様はよく即興で踊る。 なので意味があるとすればダンス全体ではなく仕草の一つ一つと考えられます。

9.跪けよのポーズ

これを確認する為に何十回と動画を見返しました。確実に再生数に貢献しています。それはさて置き見返したおかげで「跪けよ」の時には林檎様がほぼ同じポーズを取っていることが判明しました。

前を向いていようが後ろを向いていようが、前に向かって手を差し伸べています。ラスサビ前は左手、ラスサビからは右手です。

これは何を意味するのか? たぶんカメラワーク的なアレなんじゃないかな。(わからなかった)

大体、跪けと言っている相手に対して優し過ぎやしませんか? 目線も見下しよりむしろ見上げる方が多い(最後だけ目線がちょっと下)

林檎様の語彙的にも「跪けよ」より「さあ跪くがいい」の方が言いそうな感じがします。「ヒザマズケヨ」の語感の良さis何? 我々はその謎を解明するためにアマゾンの奥地へ行ったりするし行かなかったりするかもしれない。

10.謎の古びた音

これは動画というより音楽の方なので林檎様が意図したものではないかもしれませんが、あえて指摘。

音楽系の知識に疎いので具体的には言えませんが、malusにはオルゴールやパイプオルガン、電子音、ストリングス等様々な楽器の音が使用されています。

その中で間奏とアウトロ、そして「廻り廻れ」の所で謎の軋み音が挿入されています。まるで船を漕ぐような、もしくは古びた時計がギシギシと音を立てて回るような、そんな不思議な音がします。間奏とアウトロに入るカン、カン、カン、カンとリズムを刻む音もどことなく時計っぽいです。

作曲家のこおろぎさんはハロウィン音楽を積極的に作っている方なので、もしかするとその要素が入っているのかもしれませんね。


というわけで動画を読み解いていったら謎が増えてしまいました。まあ謎は謎のままにしておいた方が面白いのかもしれません。この記事を読んだ方が新たな答えを見つけてくれるかもしれませんし。丸投げもとい託します。君に任せた!

おしまいに

何文字書いたんでしょうか自分。右上に6757という数字が見えますが。
夜中に書いたから翌朝見返して絶対に頭抱える奴だこれー!

というわけでとあるディナーの勝手なmalus自己解釈文はここまでです。長らくおつきあい頂きありがとうございました。

なお歌詞については引用の範囲を超えていた場合削除いたします。ごめんなさい。

最後にもう1回貼っておこう。
九条林檎様だいすき!!malus大好きです!







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