【投資信託の話36】株主優待はいらない?
それでは今晩もはじめましょう。
今回も投資信託シリーズで36話となります。
投資信託ではないのですが、株式投資に関しておもしろい記事があったのでご紹介したいと思います。
オリックス、株主優待を廃止へ 個人株主80万人に影響(日経新聞5/11 WEB版)
有料会員限定ですが、リンク先を貼っておきます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1041U0Q2A510C2000000/
以下概要です。
オリックスは11日、株主優待制度を2024年3月末で廃止すると発表した。全国の名産品をカタログから選ぶユニークな内容で個人投資家に人気だったが、優待の活用が難しい機関投資家からは不公平な制度との批判があった。今後は業績拡大に伴う増配を軸に個人へアピールする。同社の個人株主は足元で国内トップクラスの80万人規模とみられ、個人投資家の間では動揺が広がりそうだ。
●株主優待とは
個人株主を増やす目的で通常の配当金以外に商品やサービスなどを投資家に提供することです。日本特有の取り組みでアメリカにはないようです(そのほかの国はわかりません)。
今回のオリックスではカタログギフトやレンタカーの割引カードチケットなどがあります。私が知っている他社の例として、鉄道会社の優待カード(一定の回数であれば乗り放題)があります。
●廃止の理由
①手間がかかる
②機関投資家からの不満(特に海外)
ということのようです。
①は対象となる投資家すべてに案内や発送をする必要があるためです。オリックスの個人株主は80万人とのことなので、膨大なコストがかかっていると思われます。
②は運用会社や生命保険会社にとっては、優待をもらってもだれが使うの?ということになります(運用会社の投資に対するリターンなので、従業員が使うわけにもいかないのだと思います)。また、量が半端ないので使いきることも難しいと考えられます。海外の運用会社であれば、送ることすら難しいと思います。
それなら、配当で報いてほしい、というのは真っ当な意見です。
以前、日経新聞か日経ビジネスで見た記憶があるのですが、機関投資家に送られてくる株主優待を処理する会社(あるいは機関投資家内の組織?)もあります。
このご時世、ごみとして出すこともできないので、食品であれば子ども食堂に配ることもしている、と記事に書かれていました。
そういった取り組みに活用されるのであればまだいいのですが、株主優待の使い道困っているからそういった活動を支援している、というのであれば、ちょっと違う気もします。
それなら、株主優待にかかるお金を寄付したり、活動を支援したりするほうが迅速かつ効率的です。それが難しいなら、株主への配当で報いたり、将来的な自社の成長につながる種まきに活用します、というのでもいいかなと。
私は個別株投資はしていないのですが、株主優待よりも配当で報いてほしい派です。株主優待があることでコスト(人・モノ・お金)が必要になりますし、それが投資先の成長につながるのかというと、その可能性は低いと思います。本来やるべきことをやって業績を伸ばしてもらいたいなと。
話は飛びますが「ふるさと納税」も根っこは同じなのかなと。
返礼品よりも税制優遇で報いたほうが納税者・地方自治体双方がwinwinになれると思います。
今回のオリックスの動きをみて、ほかの会社でも株主優待を見直すところが出てくるかもしれません。でもそれが本来のあるべき姿なのかもしれません。
今回は以上となります。
それではまた!