見出し画像

臨床状態の評価①

はじめに

『変形性膝関節症に対するエビデンスに基づいた理学療法戦略』シリーズ、第5回目となります。

私自身が現在、変形性膝関節症(以下、膝OAと記載致します)を対象とした研究も遂行しておりますので、そこから得られている現実的・臨床的なことを踏まえ、机上の空論のような話とならないよう、なるべく臨床に活かせる知見をピックアップして、私の見解とともにお伝えしていきたいと思います。

膝OAのリハビリテーションを中心とした領域における評価や治療について、科学的な視点から、あるいは国際的に有名なガイドラインから、日本の臨床でも比較的応用ができそうな有益な情報をお伝えしていきます。

本記事のナレッジレベルについて

私が今回からお伝えしていく情報の難易度に関する“ナレッジレベル”についてご説明致します。

新人さんでもおそらく記事を読むだけで何とか理解はできそうな知識を“ビギナー”レベル、としております。
初学者の方でも、記事を読み、必要に応じて補足勉強なされることで比較的理解しやすい内容ではないかと思います。

いくらか(1〜5年程度)臨床での経験を積み始め、一定の膝関節に関する知識・経験等があれば記事を読むことで理解可能な知識を“ベーシック”レベル、としております。

そして、膝関節を普段から多めにみることが多い方、ありきたりなアプローチで妥協しない、通常以上の改善効果を出していきたい方向けの知識を“アドバンス”レベル、としております。

今回は、“ベーシック”レベルの記事になりますので、よろしくお願い致します。

今回も、質の高い臨床家にとって有益な研究報告等や、視覚的に分かりやすくまとめたスライドなども併記して、紹介しております。

それではcheckしていきましょう。

臨床状態の評価①

膝OAにおける評価は、Osteoarthritis Research Society International (OARSI) guidelineでは“膝OAの特定”“併存疾患の診断”“臨床状態の評価”“情緒的・環境的状態の評価”と報告されています。1)

今回は、“臨床状態の評価”に関する内容を深堀して参ります。

ここから先は

2,688字 / 2画像

¥ 300

サポート、誠にありがとうございます。 サポートは、今後の運営活動資金および家族とのだんらんのために使わせていただきたいと思います。