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08 駄菓子と子ども #ハトヤ・アーカイブス
たかピーさんは元自衛官。後方支援担当として、護衛艦「ゆうぐも」に乗り込み、日々300人分の食事をつくっていました。(すごいですね!と言うと、いやーーもちろん1人でやっていたわけじゃないですよー!と笑い返すたかピーさん。)
その後、八木山ベニーランドの職員、ほっぷの森スタッフを経験し、現在はアート・インクルージョンのスタッフとしてアーティスト活動をしています。
「ベニーランドで働いていて、5、6年くらい経ってからかな、ある日帰りにぽーっと(倒れた)」
「脳出血?脳溢血?」
「脳腫瘍ですね。腫瘍とってます、前頭葉」
「じゃあ、命もらったんだ」
「一応軽い方です」
「いくつくらいのとき?もう40代になっていた?」
「そのときはまだ30代ですね」
「前兆とかはなかったんですか?」
「当日までなんともなかったんだけど。その日、歩いているうちに身体が痙攣してきて。いきなり倒れたんです」
「怖いね、脳というのはね」
「それから高次脳機能障害と診断されて」
アート・インクルージョンでは長年描き続けてきた「アルマジロくん」等のキャラクターイラスト、雄勝石を用いた作品、ミュージカルの脚本などさまざまな制作を展開しています。
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そして、2022年10月、アート・インクルージョンに入ったばかりの僕と一緒に、ハトヤで「昭和のおもちゃで遊ぼう!」というワークショップを企画しました。ハトヤに繰り返し滞在し、店主のノブ子さんからベーゴマのレクチャーを受けたり、やって来た子どもたちと一緒におもちゃ遊びをしたりしているうちに、たかピーさんは「ハトヤに通い続けたい」「ハトヤを継ぎたい」と思うようになったと言います。
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彼の描く絵も心情をそのまま表出するような抽象画が基本で、なにか大事な質問をしても「どうだろう…」といつもあまり多くを語らないたかピーさんですが、「たかピーさんにとって、ハトヤのどの辺が面白いんですか」とぼんやり問うてみると、「駄菓子と子ども」というシンプルすぎることばがぽーんと返ってきました。
駄菓子と子ども。たかピーさんが発した2つのキーワードをもうすこし掘り下げてみることが、この活動の僕にとっての目標になりました。
(つづく)