人見知りの私の、忘れられない先生。
小学生のときの忘れられない先生がいる。
私は小学校4年のときに転校し、それもあってなのかかなりの人見知りで緊張しいな性格だった。
その先生は小学校5年と6年のときの担任だった。
当時の私は、教科書を忘れても先生に言えなかったのでばれないように必死に下を向いていた。先生は気づいていたはずだが、私をわざと陥れるようなことはしなかった。(良いのか悪いのか......)
2年間何度も私を知らず知らずのうちに庇ってくれているような気がしていた。周りの人からも贔屓されているなんて言われたこともある。
私もなんとなく先生が好きで、よく得意の折り紙を作ってはこっそり先生の机において帰ったりしていた。
一番覚えているのは、卒業式の練習中の出来事だ。ひとりひとり大きな声で言葉を言っていく場面で、私は今回こそ頑張ろうと今までの殻を破って、大声で自分の担当する言葉を叫んだ。
本当にこんなことがあるのか、練習場が一瞬しーん、と静まり返った。
みんなまさか私が叫んだなんて思わなかったらしい。
けれどその先生は、「誰が言ったか分からなかったでしょ?」って笑顔で皆に言った。当時の私には、よく頑張ったね、私は信じていたよと自慢げに微笑んでいたように見えた。
聞くところによると、その先生もかつては私と同じようにかなりの人見知りで、教員をしているというと驚かれるほどだったという。もしかしたら、過去の自分と私とを重ねていたのかもしれない。
その先生と今では繋がりはないけれど、一番忘れられない先生であるし現在も元気でいることを願っている。