居抜き(営業譲渡物件)のトリミングサロンはお買い得なのか!? 譲渡を受けるときのポイント、注意点、心構えとは!? by takaoki
結論・・・お買い得ではない!!
はい。お買い得ではありません。
みなさん、居抜きのトリミングサロンってどうやって探しますか?
ほとんどの方がインターネットで探しますよね。
で、一般的に言えることなんですがインターネットに載せるものって
だいたいリアルで売れないもの、もしくは売らないものだったりするんです。
(※まとめだけ知りたい方は最後だけ読んでください。)
私は昔ネットオークションで中古のバイクを買ったのですが、壊れてました(笑)
バイク屋さんに持っていったら、
「まぁ、インターネットで売るってことは、店頭で売れないってことだからね。」
と言われて、妙に納得した覚えがあります。
で、この話をトリミングサロンの営業譲渡に当てはめては考えると、
人づてに譲渡できるようなお店だったら、わざわざ ”インターネット” で
”知らない人” に売らない。ということなんです。
では、人づてに売れるお店とはどんなお店でしょうか?
それは、『十分な利益が出ているお店』です。
十分な利益が出ていれば、譲り受けたい人なんていくらでも見つけられます。
そして、知らない人には売りたくないお店とはどんなお店でしょうか?
それは、『大事にしているお店』です。
自分が手放しても、大事にしたい。大事にしてほしいお店であれば
インターネットで募集した、知らない人になんて譲りたくありません。
自分の知り合いだったり、誰かの紹介の人だったり、
一定の信頼をおける人に譲りたいものです。
つまり、インターネットで募集されている居抜き(営業譲渡)物件は
ズバリ!!
『利益も出ない愛着もないお店』
ということになります。
もちろん、全てがそうとは限りませんが、基本的に全てがそうだと思って
行動しなくてはいけません。
最初から、利益も出ない愛着もないお店だと思って話を聞いて行動していれば
そうそう大きな失敗はしないはずです。
提示された数字を鵜呑みにしたり、自分で納得できるまで徹底的に確認することを
怠るなどということが無くなるはずです。
営業譲渡物件を安易に考えるのは本当に間違いです。
そもそも、なんで譲渡するんだろう?
と、考えれば自然と答えは出るはずです。
いらないから譲渡するんです。
スケルトンにするのに費用が掛かるから譲渡するんです。
最後の最後まで少しでもお金が欲しいから譲渡するんです。
絶対に忘れてはいけません。
本当に利益の出る魅力的なお店であれば、身近な人が欲しがるはずです。
ちゃんと愛着のあるお店であれば、譲渡する相手もちゃんと自分で探します。
そしてちゃんと相手を選びます。
それでも営業譲渡物件の魅力的な部分はあります。
顧客が付いている。
内装、設備がそろっている。
多くの方が、これらの点で居抜きのトリミングサロンがいいと思っています。
ですが、実はこれがいいとも限りません。
ここも要チェックなポイントです。
顧客が、自分がターゲットとする客層とマッチしているか?
犬の平均年齢は?
単価は?
来店周期は?
次回予約率は?
送迎率は?
設備については、故障していないか?
ガタがきていないか?
まだ十分に使えるのか?
営業期間が長いと、自然とシニア犬も増えてきます。
設備や内装も古くなり、こびりついた臭いは取れなくなります。
こういった数値に表せない、実際に体験しないとわからないことも
本当に多いです。
もちろん、実際に店舗を見ずに譲渡を決める人もいないでしょうが
すくなくとも5回はお店に足を運ぶべきです。
時間帯や曜日を変えて、スタッフの方に話を聞ける場合は出来るだけ聞きましょう。
「で、結局のことろこのお店を買って儲かるの?」
ここが一番気になるところですよね。
まぁ、ここまで読んでいただけたならわかると思いますが・・・
儲かりません!!
もちろん絶対ではありませんが、儲からない!!と思って始めるのが大前提です。
どんなにいい数字を見せられても、儲からないということを想定しておいてください。
最低からスタートすれば、あとは上がるだけなので。
まず儲からないと想定して、どうして儲からないのか?
徹底的に分析してください。
経費がかかりすぎ。
顧客が少ない。
単価が低い。
来店周期が長い。
大きく分けるとこんな感じです。
どれかに当てはまっているのか、いくつか当てはまっているのか、
それとも、全部当てはまっているのか。
これらの問題が見つかれば、さらにそれを細分化していき
解決できそうかどうかを検討します。
ここで確認する数字は、売上、利用頭数、総顧客数です。
できるだけ詳細に。
最低でも3年分は確認しましょう。
そのほかに、予約表やカルテの確認は必須です。
ここで特に注意したいのは、エクセルのデータしかない場合は
信ぴょう性を疑うべき。ということです。
エクセルデータだけであれば簡単に作れます。
そして、データがそれしかないというのは違和感があります。
なかなか細かい情報をもらえなかったり、判断を急かされたりする場合は
さらに注意が必要です。
そもそも、営業譲渡を受けるというのは、人生において非常に大きな決断です。
それに対して十分な時間を与えず、正常な判断ができないようにするというのは
人としてどうかと思います。
ちなみに、十分な時間を与えずに結論を迫るのは詐欺師の常とう手段です。
本当に落ち着いて、冷静に、しっかりと、気になることは徹底的に確認しましょう。
最後に、私は過去に業務上で受けた営業譲渡、関わった営業譲渡が何件もありますが、そのすべてに問題がありました。
中には問題を解決できたものもありましたが、それが出来なかったものもあります。
ただ、その問題も、条件が合う方なら問題にならないというケースもありました。
中には、数字をごまかしてふっかけてくる人もいましたよ。
譲渡後の売り上げの一部を抜かれたりもして。
とにかく、営業譲渡物件はじゃじゃ馬です(笑)
安易に考えているなら、本当にやめておいたほうがいいです。
いいことばかりではありません。
むしろ、苦労することの方が多いです。
前のオーナーが苦労したけど、一生懸命頑張ったけど
どうにもならなかったから手放すお店ですから。
でも、中には極まれに掘り出し物の物件があるのも事実です。
ですが、ちゃんと利益の出てるお店なので、個人が手を出せる金額では
ありませんでした。
今考えれば、私が欲しかったくらいです(笑)
まぁ、そんな譲渡物件こそ表には出てきませんし、
インターネットに載せるなんてことは絶対にないんですけどね。
世の中、そんなに悪い人はいないっていうのも分かってます。
でも、それとこれとは別だと考えています。
どんなに良い人でも、長年頑張ってきたお店を手放すときに少しでも高く売りたいと思うものですし。うまくいっていればなおさら。うまくいっていないならいないで、少しでもお金が・・・。ってなりますからね。
どっちにしろ、営業譲渡物件を高く売りたいというのは、売る側の強い願いであることに変わりありません。
全てを疑えというわけではありませんが、しっかりと最悪の状況を想定しておければ、判断を間違わないですし、後から対応に困るということもありません。
居抜きのトリミングサロンを買うというのは、独立するのに手ごろ感がありますし、実際スタートダッシュも切れます。
その分、リスクがあるということを覚えておいてください。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
私自身の考えとしては、今の譲渡は好きではありません。
やはり条件が悪いものが多すぎます。
ただ、この譲渡がトリマー、オーナートリマーの新しい卒業のカタチに。
と同時に、もっと信頼できるスタートダッシュの独立のカタチにできたらいいなと考えています。
ベテランから若手へとバトンを繋いでいけると素敵ですね。
【まとめ】
居抜き(営業譲渡)トリミングサロンは儲からない。
それでも居抜きがいい場合は、徹底的に確認して、問題点を探し、解決策を考えた上で購入を検討する。
焦って決めない。
売上、利用頭数、総顧客数、予約表、カルテは過去3年分は確認する。
各種データの裏を取る。(自分で確認する)
5回はお店に足を運ぶ。
できればスタッフからも話を聞く。
細かい情報を提示しない、簡単なエクセルデータしかない、急かすなどは特に要注意。
takaoki
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