一次予選終了後の仮想少女あれこれ。仮想少女≒「アイドルものゲーム」?
■はじめに
以前、仮想少女について書いたこちらの記事。
多くの方々に紹介いただけて、予想以上の反響もいただいた。また、他の方々の様々な見解、考察を見聞きすることもできた。この場を借りて皆様に御礼申し上げたい。
さて、仮想少女は一次予選を終え、ついに二次予選に突入した。
「応援する私」の立場ではなく「観測する私」の立場を主にしたものではあるが、一次予選後に考えたあれこれを取り留めなく書いていきたいと思う。
今回のテーマは、端的に言えば以下の通りだ。
仮想少女≒「アイドルものゲーム」?
■前段:一次予選の結果
これから何を話すにしても、最初に一次予選の結果について触れておかねばならないだろう。
まずはクラウドファンディングについて。
こちらのスレッドを見れば分かる通り、クラウドファンディングは不成立になった。しかし、プロジェクト自体は継続され、活動内容などの見直しなどはしつつも、二次予選の上位一名はデビューさせるという。
続いて一次予選結果について。
予定通り、一次予選の上位五名が二次予選に進出した。
特筆すべき点は、一次予選を突破できなかった三名のTwitter上での活動が継続されることになったことだろう。
筆者の予想については以下の通り。
新しいクラウドファンディングはやらない、それゆえ一次予選で不明瞭だったストレッチゴールの再設定もしない(一名デビュー確定という意味では明確にはなったが)、ということで予想とはかなり異なる状況だ。
クラウドファンディングを失敗した場合のブックが用意されている可能性は高いとは思っていたが、それが新たなクラウドファンディングを伴わないもの(=お金による投票ポイントの新規入手手段がないもの)とは想定していなかった。
※ビジネス的に考えれば、そもそもプロジェクトの継続に必要な資金調達は最初から済んでいる、ということでもある。
この前段を踏まえた上で、気になる部分について考察していきたいと思う。
■仮想少女≒「アイドルものゲーム」?
前段でも述べたが、一次予選を突破できなかった三名のTwitter上での活動は継続される。
※「最後というのは音声メッセージをアップするのが、という意味」のような呟きもあったので、本当にTwitterの呟きのみに限定されていそうだ。
そうした状況なども鑑みて、筆者は前提を見直してみることにした。
※Vtuberについて、その中身は「魂」「中の人」「演者」など様々な呼び名で呼ばれ、しばしば論争の種になるが、今回の本論ではないのでわかりやすさ重視で「声優」と記載させていただきたい。
最強バーチャルタレントオーディション極=バーチャル蠱毒と、仮想少女とでは、根幹に大きな違いがある。
バーチャル蠱毒は、あるVtuberキャラクターを演じる声優のキャスティングを決めるオーディションだった。
一方仮想少女は、8人いるVtuber候補キャラクターの中からデビューさせる1~3人のキャラクターを決めるオーディション。
仮想少女では、Vtuber候補キャラクターに対する声優のキャスティングは、公開オーディション開始時点で既に終わっている。
しかも、少なくとも運営は、オーディションに負けたVtuber候補キャラクターをすぐに消滅させる気はない。
これらを踏まえ、先程挙げた前提の見直しをもう一歩先に進めてみよう。
極端に言えば、仮想少女はオーディションとは呼べないのかもしれない。
仮想少女は即ち、魅力的なキャラクターを売り出すための「アイドルものゲーム」と同じ立て付けであり、今行われているのはその人気投票なのではなかろうか?
ここで「アイドルものゲーム」のイメージを大雑把にまとめてみよう。
サービス開始当初、沢山のアイドルがいて、それぞれに声優がキャスティングされていて、一枚目のカード分のボイスは収録されている。
ゲームが流行していくにつれて、特に人気の高いアイドルが生まれる。
人気アイドルになれば、録り下ろしボイスが収録された新カードが追加されたり、一大イベントの人気投票などの結果によっては特別なグッズやキャラソンまで作られたりする。
逆に人気の出なかったアイドルは、最初の一枚目のカードしか出番がなく何の追加も展開もない、ということもままある。
これと照らし合わせると、仮想少女はまさに今「アイドルものゲーム」サービス開始当初の段階にある。
サービス開始当初からいきなり人気投票というのは性急には感じるが、通常のオーディションに比べれば長い期間を確保しているので、キャラクター性の確立も含めてギリギリ成立するかもしれない。
そして何より、人気投票は「アイドルものゲーム」の花形イベントだ。
仮想少女プロジェクトの「公開投票オーディション」「クラウドファンディング」自体を人気投票相当の強力なエンターテインメントコンテンツと見なしているのであれば、その進め方についても色々と腑に落ちる部分が多い。
■おわりに
公式に発表されている内容以外のことは何が真実かを外野の人間が知る由はなく、今回のテーマもあくまで筆者の考察と想像によるものである。
仮想少女は「アイドルものゲーム」と類似しているのではないか
という話には、「応援する私」の「そうであってほしい」という願望が若干含まれているかもしれない。
逆に人気の出なかったアイドルは、最初の一枚目のカードしか出番がなく何の追加も展開もない、ということもままある。
というのは残酷な事実ではあるが、そのアイドルはゲームからは消えずに残り続ける。
何かのきっかけによって発掘され、再評価され、そこから怒涛の追い上げで人気アイドルへの道を駆け上がる可能性もゼロではないのだ。
※もちろん、ゲームがサービス終了してしまえばそれまでだ。ゲームそのものが流行していて、継続できていることが必須ではある。
仮想少女プロジェクトが中長期を見据えた運営を考えているのであれば、将来的には複数のメンバーが活躍し得るような、そんな立て付けにならないだろうか。
「応援する私」としてはそんな未来の可能性を願いつつ、「観測する私」としては淡々と観測を続けていこうと思う。