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先天性トキソプラズマ症


自分があまりに無知だったために
一生の後悔となりかけた話を書きたいと思う。


タイトルの通り、
今年の初めに産まれた娘は私の食生活のせい
先天性トキソプラズマ症」の疑いがあった。

今こうしてnoteに書き綴ることができるのは
娘を妊娠中から抱えていた疑惑を
先日ようやく晴らすことができたからだ。
(つまり、娘は陰性でした)


このnoteはこれから妊娠を考えている女性や
その家族、

また妊娠とは関係なくとも
食を愛する人たちに予備知識としてでも
知ってほしい内容を書きたいと思う。



お恥ずかしながら、
私にとって娘を妊娠したことは
計画的とは言えない出来事だった。

当時、交際関係にあった夫とは
近いうちには結婚することはないだろうと
いろいろ身辺整理をした頃で
(長男が私の連れ子なので色々考えること山積)

さらに結構しっかり腹を括って(?)
覚悟を決めて打ち込まなければならない
仕事とも直面していて
そんな時に分かった妊娠だった。



今の時代、不妊治療をしている女性も多い中、
私は幸運なことにも娘を授かることができたが
心も身体も妊娠を受け入れるには
かなり準備不足だったことは間違いなかった。


妊娠を希望する女性のほとんどは
その数ヶ月前から
葉酸などのサプリメントを摂取したり
食生活を改めたりして
健康な母体作りに邁進する。

断酒したり、生ものを絶ったり。

でも私は全く何も気にしていなかった。
むしろ当時の仕事上、会食が続くことが多く、
その内容に制限はしていなかった。
また持病の自己免疫疾患の治療のため、
ステロイド剤も服用していた。
(そのため断酒していたことは不幸中の幸い?)



妊娠がわかったあと、
ステロイド剤を見直したり
もちろん食生活も見直したりした。
(とはいえ、悪阻が酷すぎて何も食べられず)


だいたい妊娠12週〜15週あたりだったか
産院での「妊娠初期健診」を受けた時、
私のカルテを持った助産師さんが
少し険しい表情で私の耳元へ
小声で話しかけてきた。

トキソプラズマの項目が陽性でした


なんですの?それ。

聞いた瞬間、頭の中はハテナだらけで
まさか発覚後から一年以上も
胸の奥にずっしり重たい鉛のような息苦しさを
感じながら過ごすこととなるとは
想像もしていなかった。





記事上部の画像にもあるように
先天性トキソプラズマ症は
母体から胎児に感染してしまう指定難病。

妊娠中に「初めて
トキソプラズマ原虫に感染した場合、
発症してしまうものなのだ。

では「初めて」じゃなければ大丈夫なのか?

というのも、実はだいたいの人が幼い頃から
トキソプラズマ原虫に触れる機会が多く、
感染していることがほとんどあるそう。
(症状がほぼ出ないので無自覚らしい)

その原虫は土の中にいたり、
猫の糞尿に混ざっていたりする場合がある。

幼い頃、公園でお砂場遊びをしたり
家に飼い猫がいれば幼い頃から触れていたり
多くの人がトキソプラズマ原虫に対する免疫を
獲得する環境にあるわけなんだけど
もちろん、そうじゃない人もいるわけで。

「そうじゃない人(免疫を獲得してない人)」が
成人してから土いじりをするわけでもなく
猫と戯れることもなく過ごしていても
トキソプラズマ原虫に出会う可能性が
あともうひとつある。

ヤツら、
「生食用の肉」に存在するの。


私はレバ刺し、ユッケなるものが
本当に本当に本当に大好き。

港区女子は「映え」のために
食べるかもしれない肉寿司を
私は写真を撮らなくとも食べる。
むしろ食べてから「撮り忘れた…」とさえなる、
それくらい前のめりで食べるくらい大好き。

ただ私の世代って、
子供の頃にBSEが蔓延して吉野家の牛丼を
泣く泣く食べられなくなったり、
生肉に対する提供基準が厳しくなったり、
何かと「危なさ」を感じつつも
幼い頃から美味しく食べていた記憶も
色濃く残ってるから
やはり、欲には勝てん…!ということで
どこのお店でも食べてたわけじゃないけど
それなりに良いお値段のするお店で
生肉が提供されていた場合のみ、
私は美味しくいただいていたわけです。


だけどさ。

なーにを思ったか知らないけど、
やっちまったわけです、私。

お店の名誉もありますし、
何の根拠もありませんので店名は控えますが

確実」に「その時食べたユッケじゃろが!

という、テーブルも床もギトギト系の
ジンギスカン&モツ鍋のお店でね、
食べちゃったんです、生肉を。
(ほんと自分に疑問しか湧かない)

その後、娘の出産予定日や私の最終月経日から
排卵日はいつだったんだろうな〜とか
この日に妊娠したんだろうな〜とか
(生々しくてすみませんw
計算すると
やはりその日に食べた「ユッケ」しか
思い当たる節がなくてですねぇ。


心底、自分を恨みましたし、
その店を選んだ取引相手のことも恨みましたヨ


ここまで「原因は生肉説一択」で
話を進めてきたけど、
お気づきの方もいるかと思いますが
私は愛猫家で自宅には飼い猫もいるわけで。

飼い猫のことは疑わないのか?!という意見も
あたりまえにあると思う。





これはお医者さんの見解も含めだけど、
飼い猫と暮らし始めて8年、
このタイミングで猫の糞尿原因で
私がトキソプラズマ初感染の可能性は
限りなく低い。
逆に言えば、とうの昔(猫飼い始め)に
感染していて免疫獲得しているだろう、と。

その説を確かめるべく、
7年前に息子の出産でお世話になった
東京の産院まで電話で問い合わせまでした。
もし娘の妊娠前に私が免疫獲得していれば
息子を妊娠した時の検査項目で
すでに「陽性」と出ているはずだから…!

しかし、当時の妊娠初期検査の項目に
トキソプラズマがなかった…
まさかまさかの結果。
(7年で医療の常識は変わるものだなァと感心)



結局、私の感染経路は確定しなかったけど、
9割9部コイツのせいだと私は確信。





コイツ呼ばわりしたけど、
今も変わらず愛しているよ、生肉。


ただ、ほんとにね、
いくら美味しくたってリスクがあることを
広く認知されてほしいなと思ったのだ。

娘は産まれるまで先天性トキソプラズマ症に
感染しているかどうか確かめることができない
と妊娠中に言われ

私は産まれる直前まで発症を抑える抗生剤を
一日3回飲み続けた(めっちゃ高いし💰

だけど確実に感染しないとは言いきれない
って曖昧な回答しかもらえなくて
本当に本当に病んだ。泣いた。暴れた。


仮に先天性トキソプラズマ症で産まれたら





上の画像のような症状や疾患に
生涯向き合わなきゃいけない、
最悪の場合、命を落とすことだってあるのだ。

我が子がそんなことになるなんて
心が痛まない親はいないと思うの。




娘は生まれてすぐ、
瞼をかっぴらかれてライト当てられて
検査するようなことがあったり

何度も採血とされたり

先天性トキソプラズマ症を疑うことなければ
しなくてよかった検査もあった。

産まれたばかりの小さな身体が痛んだり、
針を刺されたり、
母親としてはいたたまれなかった。

でもそれは事前に防げたのよ。
知識があれば。


だから多くの人に知って欲しい。

当時、絶望の淵に立った自分の感情を
今なら冷静に振り返ることが出来て、
だからこそ同じ思いを誰にもして欲しくない。


食を安全に楽しむと共に
大切な人の健康も守りたい高岡でした。





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