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ブラックナイトパレード

久しぶりに福田雄一映画を見た…。

コロナ禍に入って最初の年である2020年は「ヲタクに恋は難しい」、「今日から俺は‼︎劇場版」、「新解釈・三國志」と3本も公開され、いずれも興行的に成功を収めた。
「今日から俺は‼︎」はこの年の実写映画としてはトップとなる興収53.7億円。「三國志」はこの年公開の作品として実写日本映画2位の40.3億円(映連では翌年度作品扱い作品なので21年度の年間ランキングでは順位を下げてしまっているが)と記録的な数字を上げている。「ヲタ恋」だって13.4億円とヒット作と呼べる立派な成績を上げているが、それがかすんでしまうほどだ。

「ヲタ恋」はコロナ禍に入りはじめた頃の2020年2月公開で映画館の客足が鈍くなりつつあったということを考えれば大健闘と言っていいと思う。

「今日から俺は‼︎」(7月公開)と「三國志」(12月公開)に関しては完全にコロナ禍の公開なので記録的大ヒットと言っていいと思う。

コロナ禍になって映画館にやってくる客層は完全に変わってしまった。一言で言えば、映画ファンや時間潰しで映画を見る人たちが映画館に足を運ばなくなってしまったという感じだろうか。

世界的にその傾向はあるけれど、特に日本はそうだ。だから、ヒットするのはテレビドラマやテレビアニメの劇場版、もしくは、その延長線上にあるような作品ばかりになってしまっている。

上映時間が長い作品が敬遠されるのもその影響だろう。

マーベルやDC原作のアメコミ映画がかろうじて興収10億円に到達できるかどうか程度の数字しかあげられないのも、130以上の国と地域の中で日本だけが「アバター」続編が興行ランキング首位に立てなかったのもそうだ。最近のハリウッド大作は上映時間2時間半以上の長尺が多いからね。

音楽に関してはタイムパフォーマンスを求める若者を中心に海外でも日本でもイントロや間奏が短い曲、全体尺の短い曲が好まれるようになっているのに、映画に関しては、時短を求めるのは日本だけというのは不思議な現象ではあるが。

そんなわけで、テレビドラマの劇場版やテレビドラマの延長線上にある作品ばかり、要はシネフィルや批評家の批評の対象にすらならない内容のものが多い福田雄一作品というのは、コロナ禍の日本人にはピッタリなコンテンツということになる。だから、ヒットしたのだろう。

でも、丸2年も新作映画が公開されていないというのは驚きだ。ぶっちゃけ、福田雄一作品なんて「銀魂」シリーズ以外は低予算だしね。「三國志」は一見、大作に見えるけれど、よく見れば、ちょっとだけ予算の増えた「勇者ヨシヒコ」シリーズだしね。だから、量産できそうなのに量産されなかったんだよね。かといって、この2年間、テレビや舞台の仕事が多発していたわけでもない。

そうなると、やっぱり、コロナ禍における制作環境の変化が大きいんだろうなという気がする。
福田雄一作品って、ゲスト出演を含めて、登場人物が多いし、常連俳優も多く、そういう人は脇役でも毎回のように出てくるからね。
でも、コロナ禍ではなるべく俳優同士の接触時間を短くして撮影しなくてはいけないから、キャストの多い福田雄一作品は作りにくいのだと思う。かと言って、ブルーバックを使って合成するほどの予算もないだろうしね。

そう言えば、ハシカン出演映画を見るの今年4本目だ…。結局、福田雄一作品をさらにみすぼらしくしたような(=テイストは福田雄一風だけれど登場人物が少ない)日本映画が量産されているから、ハシカンの出番は減らないってことなんだろうね。

そして、ハシカンと言えば、最近話題になっているのが本作の共演者である中川大志との恋愛スキャンダルだ。まぁ、酒好きアピールをしている若い女性のほとんどは男がいると見て間違いないから、別に驚きでもないけれど、相手が同世代というのはちょっと驚きかな。
酒が好きな若い女性というのはオッサンに好かれやすいからね。福田雄一がお気に入りにしているのもそういうオッサンキラーなところだと思うしね。

ただ、お世辞にも演技はうまいとは言えなので、アイドル的な人気でもっている部分は否定できないと思う。だから、うわさされているように結婚となるとファン離れは避けられないのでは。

もっとも、可愛い顔なのに変顔ばかりしているということで芸人みたいな扱いを受けているところもあるから(本作では唐突に峯岸みなみみたいなスキンヘッド姿まで見せている)、意外と恋愛スキャンダルの影響はないのかもしれないけれどね。

そんなわけで大して期待せずに本作を見た。

福田雄一作品にきちんとした脚本を求めても仕方がないんだけれど、ツッコミどころだらけだった。
主人公は12月25日にサンタ業を行う企業にスカウトされたのに、何故か、職場見学している際には、小学校でテストが行われている場面が映っている。また、この企業に入って、それなりの日数が経っているはずなのに、昇格のための実技試験として配り忘れたクリスマス・プレゼントを子どもに届けたりもする。一体いつの話なんだ?脚本がデタラメなんだよ!もしかしたら、原作の時点でデタラメなのかな?それとも、サンタ世界では何ヵ月も経っているが、人間世界では数時間しか経っていないとか、そういう設定なのか?だったら、きちんと、そういうことは説明しないとダメでしょ。

まぁ、福田雄一作品につじつまの合ったストーリーを期待してはいけないんだろうが…。

ところで、製作委員会にローソンが入っているのに、作中ではポーソンという紛い物みたいな名前に変わっているのは何故?あと、コンビニなのにタイムセールやっているんだ…。

《追記》
そう言えば、クリスマス映画のハシゴをした。ハシカンが出ている実写映画と、ハシカンで実写化されたこともあるアニメの新作だけれど。


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