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第75回NHK紅白歌合戦出場者の人選について

毎年、紅白出場歌手(バンドも出るし、インスト系アーティストが出ることもあるのに歌手と呼ぶのはどうかと思うが)が発表されるたびに、その人選に対する批判の声が巻き起こる。

80年代前半くらいまでは一部のマニアを除けば音楽情報をゲットする手段なんて地上波のテレビ放送かラジオ、雑誌くらいしかなかった。でも、80年代後半以降は、外資系CDショップ(今は外資系に限らず機能しているCDショップはほとんどないが)やJ-WAVEなどの従来とは異なるタイプのFMラジオ局(いつの間にかAMラジオと変わりない内容になったが)、SPACE SHOWER TVなどの音楽専門テレビ局(最近は新着ビデオをチェックするためのメディアではなく単なるプレイリストの映像版になっているが)などといったもののおかげで幅広いジャンルの音楽に接することができるようになった。
さらに、ダウンロードやストリーミング(サブスク)の登場により、CDショップに行かなくても、ラジオやテレビをつけなくても、スマホやPCで音楽を視聴できるようになった。
だから、みんな、自分が聞きたいものを勝手に聞くようになり、家族揃って同じ音楽を聞くことなんてまずなくなった。
なので、老若男女あらゆる人に知られているヒット曲なんてなかなか誕生しない(最後の国民的ヒット曲は2013年のAKB48“恋するフォーチュンクッキー”だと思う)。

誰もが知っているその年を代表するアーティスト(紅白流の言い方だと歌手)なんてほとんどいないから、紅白は何年もヒット曲が出ていないベテランに歌手に懐メロを歌わせるようになった。

しかし、これはさらなる紅白離れにつながることになった。

なので、近年は言い方は悪いが、若者に媚びた人選にシフトしつつあった。いつ死ぬか分からない高齢者に媚びても受信料を払ってくれる期間は残りわずか。これから、50年、60年と払ってくれる20代に媚びようというのはビジネスとしては正しい戦略だろう。

もっとも、事実上の国営放送であるNHKがビジネスに走るのはどうかと思うし、そもそも、本来は両者の合意によってのみ成立するはずの契約を強要して、強引に受信料を取り立てるNHKのシステムはおかしいが。

しかし、若者に媚びると今度は中高年がガタガタ文句を言う。特にネット上でガタガタ言う中高年には嫌韓のネトウヨが多いから、K-POPや K-POP風の邦楽グループが出ると“日本人を出せ”と文句を言う。

また、ネット発で人気を集めたアーティストを出すと、“知らない奴ばかり”とほざく。

こんな老害ネトウヨどもの意見なんて無視していいと思う。

連中は国内外の音楽トレンドを知らず、20年(2000年代)も30年(90年代)も、下手すると40年前(80年代)以上も前で思考が止まっている。そんなのは放っておけばいい。

とはいえ、トレンドを把握している側の人間が見ても、あの人が入っているのにこの人が入っていないのはおかしいよねというのが多いのも事実。

演歌歌手を中心にしたベテラン歌手は大幅にリストラされたはずなのに、石川さゆりや坂本冬美、天童よしみ、ヒロミ・ゴーなんて辺りは相変わらず出続けている。

特に石川さゆりなんて2曲をローテーションで歌っているだけ。その年にヒット曲はなくてもいいけれど、せめて、プラスαの話題がある人を選んで欲しいと思う。

まぁ、今年に関しては“石川”という名前は時事的ではあるが…。

でも、選ばれなかったアーティストに関しては、ファンは納得いかないかも知れないし、K-POPやネット発のアーティストが嫌いな人は“こっちを出すべきだ”と叩くかも知れないが、大抵は説明がつくんだよね。

FRUITS ZIPPER(“わたしの一番かわいいところ”、“NEW KAWAII”など)が選ばれなかったことをおかしいと思った人は多いと思う。

というか、超ときめき♡宣伝部(“最上級にかわいいの!”など)、CUTIE STREET(“かわいいだけじゃだめですか?”)場合によっては、高嶺のなでしこ(“可愛くてごめん”)辺りとセットで、SNSでバズった“かわいい”ソング・メドレーをやると思った人も多いのではないかと思う。



というか、真っ当なディレクターならそういう演出を思い付く。

でも、そんな年末らしいベタな演出を放棄してしまった。それはふるっぱーを出すわけには行かないと考えたからだろう。

そして、“かわいい”楽曲ムーブメントのフロントランナーであるふるっぱーを出さなければ、この企画は成立しないから、とき宣もキューストもたかねこも選ばれなかったのだろう。

ふるっぱーを出したくない理由として考えられるのは、ファンの中にいわゆる最前管理と呼ばれる連中がいて、こいつらによる暴力行為が問題視されていたからではないだろうか。

何故、この考えに至ったかと言うと、それは、旧ジャニーズの紅白出演を再開させる方針を一度は明らかにしていたNHKが、その考えを撤回したからだ。

同局のNHKスペシャルでジャニー喜多川による性加害及び旧ジャニーズ事務所の隠蔽体質に対する検証番組が放送されて以降、NHKの旧ジャニーズ解禁方針に対する批判が高まった。
さすがにこの状況で解禁するのはまずい。受信料支払い拒否が相次ぐと判断したのだろう。
このNスペは、報道局から音楽・バラエティ班及び局上層部への事実上のクーデターであり、グッド・ジョブと評価できるものだ。

同番組は名前だけ変えて体質が何も変わっていない。藤島ジュリー景子の影響力がなくなっていない。結局、ジャニー喜多川の性加害やジャニーズ事務所の隠蔽体質を反省していないと指摘した。

つまり、旧ジャニーズは依然として反社会的勢力だということだ。

だから、同番組との整合性を取るためにミリオンセラーを記録していようと、旧ジャニーズを出すことはできなくなった。

それと同じようにファンの暴力行為が問題となっているふるっぱーも出せないとなったのだろう。

そして、この流れで行けば、NewJeansが出ないのもYOASOBIが出ないのも納得だ。

確かに今年、というか去年から今年にかけて日本で最も盛り上がったK-POPはNewJeansだと思う。今年は日本語曲(実際は韓国語や英語とのチャンポンだが)もリリースしたしね。でも出演は実現しなかった。

TWICEやLE SSERAFIMは日本人メンバーがいるから選んでいるだけだ。TWICEについては本当は日本人メンバーだけによるユニット、MISAMOを出したいが、それだと人種差別と批判されるから全体で出場させているだけだと思う。

また、NiziUが落選したのは同じようなK-POP風邦楽グループ、ME:Iの方が今年は話題になったから、そっちを選んだだけの話。

本来なら、TWICEやLE SSERAFIMよりNewJeansを出させたかったが、所属事務所やその親会社を巡るゴタゴタが、メンバーや育ての親に対するいじめとみなされていて、彼女たちを出すことは場合によってはブラック企業に利益を与えることになるといった旧ジャニーズと同じような判断をしたのだと思う。

YOASOBIは今年、NHKの五輪テーマ曲を担当したのだから、普通なら出るはずだ。また、去年の特大ヒット曲“アイドル”も依然としてヒットを続けている。政府絡みのイベントにも顔を出している。そう考えれば出ないのはおかしい。
にもかかわらず落選したのは、最近のAyaseのタトゥーを見せびらかす態度にあることは間違いないと思う。いくら擁護する人が出ても、日本ではタトゥーは反社のシンボルと見られる。薬物との繋がりを疑われても仕方ない。だから、選ばれなかったのでは?

そう考えると、今年の落選基準ははっきりとしている。“反社との縁を切る”だ。

なので、各アーティストのファンやK-POP嫌いのネトウヨは黙っていろと思う。
まぁ、ジャニオタも最近はネトウヨ化しているしね…。






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