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トランスフォーマー/ONE

本作はスティーブン・スピルバーグとマイケル・ベイが組んだ「トランスフォーマー」シリーズの8本目の映画であると同時に初のCGアニメーション映画となる作品だ。
通常、ハリウッド製のCGアニメーション映画はピクサーやイルミネーションの作品ですら字幕版の上映館及び上映回数は少ないのに、本作に関してはある程度確保されているのは、「トランスフォーマー」シリーズという一定の人気を得ているコンテンツだからなのだろう。

本作がこれまでの7本の映画と異なるのは地球が舞台となっていないため、変形するロボット生命体のトランスフォーマーしか登場しないということだ。もっとも、本作は過去の7作品よりも前の時代を描いた前日譚なので人間が出てこないことには何の違和感もない。

ただ、地球が舞台でない&人間が出てこないという設定のため、アニメーション映画を見ている気分にはならないという問題点はある。過去の実写7作品の画面から地球と人間を消し去ったらほとんどがCG・VFXだからね。それって、ほぼアニメーションだしね。つまり、過去作のトランスフォーマーだけの出番のシーンを見ているのとそんなに変わらないということ。

そして、地球の風景も人間も出てこないことにより、画面もストーリー展開も単調になっているのも事実。なので、退屈に感じてしまった。

まぁ、その後の実写作品の主要キャラの人格(人間ではないからトラ格?)がどのように形成されていったのか、あのキャラとあのキャラが対立する理由は何故なのかというのはきちんと描かれていたので、シリーズを途中から見た人にも分かりやすかったのではないかと思う。

それから、生活を苦しくしているのは為政者≒政権与党なのに、市民はそいつらに洗脳されてしまい、政府は正しいと思い込み、反抗しなくなっているという世の中は良くないという明確なメッセージを伝えていることに好感を持てた。

民主党というリベラル・左派が政権与党の米国ではこのメッセージはきちんと受け取ってもらえないかも知れないが(米国のメディア・エンタメ界では民主党批判は御法度だしね)、日本ではきちんと自民党的なものに対する批判と受け取ることがてきると思う。まぁ、「トランスフォーマー」というコンテンツは元々、日本発のものだから、自民党批判のメッセージが込められていてもおかしくないんだけれどね。



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