スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち
コロナ前からその兆候はあったが、コロナ禍になって、原則予約制の美術館・博物館が主流になってからは完全に美術館・博物館はアートファンにとってアウェーな場所になっているような気がする。
最近、美術館・博物館に行くたびにストレスを感じるようになった。多分、我々アートファンは美術館・博物館のターゲットではなくなったんだと思う。
場内で平気で連れと話し続けるカップルや女性、平気でスマホの着信音を鳴らす女子高生、アートに対して興味がないのに音声ガイド担当の俳優や声優目当てで来場する人たち、同じく対して興味がないのにグッズを買ってくれる中高年女性のグループ、そういう人たちがターゲットなんだろうね。
だから、自分を後回しして、初老の女性グループを優先させて入場させていたのだろうね。
というか、予約制で原則、電子チケットとなっているのに、スタッフが目視で電子チケットを確認した後、再び機械でチケットを読み取るという無駄なことをやっているのは何故?東京都は無駄な人件費を使っているんじゃないよ!
それから、入場の予約時間って、30分ごとに区切られているけれど、それって、30分で見終われよってことだよね?
そんなのでは真剣に落ち着いて美術作品を鑑賞することなんてできないよ。
結局、ポスターとかに使われている注目作品数点さえ見られれば満足という人がメインターゲットなんだろうね。
でも、だったら音声ガイドで俳優や声優のファンを呼び込むというのは矛盾しているんだよね。
彼等は推しの声をじっくり聞きたいから、何度も何度も同じ作品の音声ガイドを聞くわけだしね。
だから、30分では見終えることができない人が続出し、場内は常に混雑してしまう。
しかも、こういう俳優や声優目当ての連中がチケットを予約しまくるから、なかなか、一般のアートファンはチケットを取れなくなっている。
そして、こういう連中は展覧会を舞台やコンサートのようなイベントのように思っているフシがあるから、列を作って順番に見るのが正しい鑑賞方法だと思い込んでいる。
本来の美術館・博物館での鑑賞のしかたをしている者が非常識扱いされるような風潮がある。
本当、美術館・博物館に行くのが嫌になってきた。
とりあえず、今回の「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」で一番見て良かったと思ったのは、フレデリック・エドウィン・チャーチの「アメリカ側から見たナイアガラの滝」かな。迫力を感じた。
勿論、これが展示されているだけでも見に行きたくなるクロード・モネ「エプト川沿いのポプラ並木」も良かった。
あとは、エドガー・ドガの「踊り子たちの一団」とかね。
それから、ジョン・エヴァレット・ミレイの「古来比類なき甘美な瞳」の女子は可愛くて一目ぼれしてしまった。
結局、この辺をじっくりと見てしまったせいで、30分以内では出ることはできなかったんだけれどね。
やっぱり、この予約制って、全然、混雑緩和にはなっていないのでは?
チケットを求める行列はできないけれど、入場待ちの列はできてしまうし、場内は結局、混んでいるわけだしね。
まぁ、美術館・博物館側はふらっと立ち寄るアートファンを排除して、音声ガイドやグッズに金を使う非アートファンを優遇したいんだろうね。
その辺は、毎週通ってくれる映画ファンではなく、年に数回しか来ないけれど、ポップコーンやドリンク、グッズを買ってくれる人たちを優遇するTOHOシネマズとそっくりだよね。
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