なかなかのクソ映画「貞子DX」

老害世代はデラックスと読みそうだが、ディーエックスというのが正しい読み方のようだ。デジタルトランスフォーメーションってこと？

まぁ、デラックスとデジタルトランスフォーメーションのダブルミーニングだとは思うが。

それにしても、「リング」シリーズと呼んでいいのか、「貞子」シリーズと呼んでいいのかよく分からないが、なんだかんだ言って、このシリーズは続いているよね…。

原作「リング」の続編「らせん」は1作目の同時上映作品として映画化されているが、実質、2本で1作みたいな扱いと言っても良かった。
3D上映のために2作品が作られた「貞子3D」シリーズほテレビ放送時は2D放送なのに、3Dの文言が入ったままで、さらに、このシリーズとは別に「貞子」という作品も作られた。
「呪怨」シリーズとコラボした「貞子vs伽椰子」なんてのも作られた。
米国リメイク版シリーズの2作目「ザ・リング2」は日本版シリーズ1作目「リング」や「らせん」とパラレル的な内容の「リング2」、日本版シリーズの前作にあたる「貞子」のメガホンをとった中田秀夫が監督している。
なので、どの作品をシリーズにカウントすべきか否かなんてのはよく分からない。
というか、自分は全作品を見ていないし。まぁ、日本版の1作目と米国リメイク版の1作目以外は特に語るべき作品でもないと思うけれどね。

なので、たまたま、スケジュールに余裕があったので、本作を見ることにしたけれど、公開が1週でも2週でも遅ければ、他に見たい作品が目白押しとなるから、おそらく、見に行くのを断念することになるのではないかという程度の興味しかなかった。

そして、実際に見てみると予想通りというか、予想以上に酷い映画だった。

小芝風花が可愛いから怒りがおさまっているけれど、もし、主演が自分のタイプでない女優だったら、大酷評していたと思う。

おそらく、DXというサブタイトル？は、次から次へと貞子ウイルス感染の被害者が増えるという量的な意味でのデラックスと、SNSなどネットを通じて拡散する＝貞子がデジタル化に対応しているという意味を重ね合わせているのだろうが、それにプラスして、デジタルトランスフォーメーションのトランスフォーメーションの部分を何も考えずに映像化したって感じのようにも思えた。
貞子がほとんど貞子の姿では登場せず、呪われた人の周囲の人物の姿になって現れるというのは変化・変身、つまり、トランスフォーメーションってことでしょ？

ナメてんのか！

というか、その貞子が変化・変身する姿が、故人だったり、遠くに住んでいる人だったり、すぐそばにいる人だったりと、全く規則性がないのはなんなんだ！せめて、思いを伝えられていない人とか、何らかのルールを提示してくれよ！

それから、過去作では呪いのビデオを見てから7日後に死ぬという設定だったのが、24時間後に短縮された明確な理由が提示されていないのもいい加減にしろと思った。ウイルスの進化みたいな話でごまかすんじゃねぇよ！

しかも、呪いから逃げる方法が24時間以内に再度、呪いのビデオを見ることって、本当、いい加減にしろって感じだ。

もしかすると、いつまで経っても、コロナワクチンを打ち続けさせようとしている国や自治体を揶揄しているのか？

進化する貞子ウイルス＝新株や派生株が次々と出てくる新型コロナウイルス、呪いのビデオ＝ワクチンってこと？
だったら、もっと、社会派な描写も入れろよ！

そもそも、作中のニュースを伝えるシーンもデタラメだから、全然、社会派作品にもなっていないしね。芸能人リポーターならともかく、局の報道部に所属している記者が、“本日”なんて言葉は使わないからね！
それから、都市伝説ネタを取り上げる生放送番組でフォローコメントのスーパーが出ているのおかしいだろ！台本通りのコメントしか話していないのか？

まぁ、心霊現象の真偽を頭の良い地味な女性が暴くまでを小ネタをまじえながらコミカルに描くというテイストから察するに、「TRICK」がやりたかったんだろうね。
でも、杉山清貴と言ったあとに、“君は1000%”を歌うのは違うでしょ！小ネタも全然仕込めていないよね。

過去の「貞子」シリーズは、一応、貞子を一時的とはいえ退治して、登場人物たちも呪いから解放されるという終わり方になっていたと思うが（実は解決していない的な匂わせはあったが）、本作は全然、呪いが解除されないし、それどころか、身近な人の姿をした貞子と共に暮らす世界になるというオチはなんなんだ！

同じ内容でハシカンが主演なら超絶クソ映画と言われていたと思う。スタッフは小芝風花に感謝しなさい！

そういえば、ハシカン最新作のホラー「カラダ探し」もクソ映画だったな…。

ところで、ラストの実は映画館で見ていた観客も貞子に呪われていたみたいなメタなヤツって、角川映画時代の劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」（旧劇）っぽいことをやりたかったのかな？