記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―(少々ネタバレあり)

コロナ禍で中高年の映画ファンがシネコンを避けるようになり、映画ランキングはアニメばかりがランクインするようになった。

そんな中、本作は上位にランクインしている数少ない実写作品となっている(自分が本作を鑑賞した時点の最新ランキングでは実写作品最上位)。

しかし、その一方でネットの声は酷評ばかりとなっている。最近の風潮では、ランキング上位の邦画作品(実写、アニメ問わず)を批判すると老害映画マニア扱いされる傾向があるのに、本作に限っては異例ともいえる酷評の嵐…。

なので、鑑賞するかどうか非常に迷った。

これまでに劇場で北川景子出演映画を20本見ているが、主演だろうと、助演だろうと、結婚前の出演作品だろうと、結婚後の作品だろうと、ツッコミどころだらけの映画ばかりで、お世辞にも傑作と呼べるものは一つもなかった。

そして、決して演技は下手ではないと思うが、ほとんど変わらない彼女の表情はやはり、突っ込まざるをえない部分があり、それが彼女の出演作品の評価を下げている部分はなきにしもあらずだとは思う。

ただ、その彼女の無表情なルックスが、「謎解きはディナーのあとで」や「悪夢ちゃん」のような漫画的描写のある作品や、「スマホを落としただけなのに」のようなスリラー的要素のある作品にはハマったりもするので、出演作品全てがクソ映画かというと、そんなわけでもなかった。

 そんな不安とわずかな期待を胸に鑑賞に臨んだが、途中までは、“コレって、北川景子出演映画の最高傑作じゃないのか?”と思うほど、良く出来ていた。ほどよく社会的メッセージも盛り込まれているし、スリラー的要素もある作品だから北川景子にも合っているしと思った。

まぁ、ツッコミどころは多かったけれどね。

主人公の刑事は、娘が大病を患っているのに平気で人前でタバコをプカプカ吸うのは理解できない。仕事にかまけて娘の見舞いとかが疎かになっているという設定ならまだしも、そうでないのにヘビースモーカーというのは娘の病気のことを考えていないとしか思えない。それに、大家の許可を得ずに勝手にアパートのドアを壊したりとか、遺族に話をする前に勝手に火葬場でボタンを止めたりとか、病院で走り回ったりとか、身勝手な行動ばかりで全く共感できない。

 柄本明演じる“謎の医師”の似顔絵を作る際に、聴取された人たちが、“特徴のない顔”と言っていたのは笑うところなのか?それとも、“柄本明は何人もいるのでは?”疑惑が出るほど、彼がやたらと次から次へと色んな作品に出ているのは、特徴がない顔だから、どんな役でもできるってこと?んなワケねぇだろ!あと、今回の柄本演技は違和感あったな…。

予告などでは、患者を安楽死させたキボーキアン博士にインスパイアされた作品みたいなことをうたっていたのに、本編には全く、その名前は出てこず、何かよく分からないロシア系米国人の名前になっていたのは何?しかも、それを伝えるニュース番組が、この医師を呼び捨てにしていたのもおかしいでしょ。死んで何十年も経っているならまだしも、そうでないなら、ニュースでは呼び捨てにしちゃダメでしょ!キボーキアン博士がモデルだとしたら、まだ、歴史上の人物扱いではないんだしね。

といった具合に色々と文句を言いたくなる作品ではあった。でも、この程度のツッコミどころならご愛敬レベルだった。

しかし、“真犯人”が明らかになってからは、本当、ご都合主義だらけで、そりゃ、酷評されるのも納得という展開になっていった。もう、これは酷すぎる!

主人公の娘が目を覚ました瞬間に、突然、ホームページ掲載の動画が動き出すのは何?

“真犯人”が簡単に娘の入院先に入り込めるのは何?

主人公の相棒の女性刑事が簡単に娘の監禁場所にたどり着けたのは何?

映画のタイトルは「ドクター・デスの遺産」なのに、作中の事件を伝えるニュース番組のスーパーが「ドクターデス」となっていて中黒がなく、統一されていないのは何?

というか、もうツッコミどころ満載って笑い飛ばせるレベルではないほど、次から次へと、ご都合主義や、いい加減な演出が出てきて呆れてしまう。

それはさておき、今回、聴覚に障害がある人などに向けた日本語字幕付き上映で鑑賞したが、今まで、この手の上映で見た時って、結構、台詞はまとめられていたりしたのに、本作の字幕は一言一句、そのまま書かれていて驚いた。“うっ”みたいなものも、そのまま表記されていたのにはビックリした。

ところで、本作のオープニングタイトル部分の作りもそうだし、出動シーンになるといかにもな音楽がかかったりするが、本当、テレビドラマの作りだよね。まぁ、日テレ映画だからテレビドラマのスペシャルみたいなものなんだろうが。というか、映画ではなくドラマでやった方が良かったのでは?原作はシリーズものだから、ドラマで続編をやるのかな?過去にこの原作シリーズはドラマ化されているようだが、綾野GO!で新たにシリーズ化できそうな気はするな。

いいなと思ったら応援しよう!