意外と見られるハシカン映画「湯道」
また、ハシカン出演のクソ映画を見てしまったと途中までは思っていた。
ジャニーズメンバーの股間を写真で隠すとか、子どもの頭でヤクザの股間を隠すなんて画作りを、令和の時代にやっていることにまず呆れてしまった。
そして、黒人と日本人のハーフの子どもが犯罪者になるとか、日本人女性と付き合う白人男性の風呂マナーがなっていないなどのステレオタイプすぎる人種描写も令和の時代ではやるべきではないものだ。
それから、しょうもないほどくだらないダジャレがちょいちょい出てくることにも辟易してしまった…。
銭湯という昭和の文化を残そうという主張をノスタルジックに訴える作品として考えれば、そうした老害どもが喜びそうな描写を盛り込むのは必然なのかも知れないけれどね。
そういう意味ではいかにもバブルの栄光から抜け出せないフジテレビが作った映画という感じだ。
トリビアっぽいものを入れたがるのもフジテレビ映画あるあるだしね。
それから、ツッコミどころだらけというのもコメディ系フジテレビ映画にはよくある欠点だ。
入浴マナーを指導する“湯道”の達人たちがタオルを腰に巻いたまま湯船につかっているシーンなんて意味不明でしかなかった。
死んだ妻と露天風呂につかるサルを間違えるなんてのも失礼の極みだしね。
450円の入浴料を取っておきながら、わずか数百円と言っているのもダメ!
でも、本作のメインターゲットって生田斗真のファン、つまり、ジャニオタだよね。だから、40代以上が好みそうな昭和は良かったネタ、今のポリコレはクソだみたいな展開ではジャニオタに好かれないのでは?まぁ、ジャニオタはどんなに酷い出来の映画やドラマでもジャニーズメンバーが出ていればマンセーするけれどね(「舞い上がれ!」を除く)。
そして、生田斗真に次ぐ本作のターゲットはハシカンのファンだと思うが、彼女に関しては酒飲みキャラで実質オッサンみたいなものだから、ハシカンのファン向けということであれば、この老害向けな内容でも問題ないのかも知れない…。
そんなわけで、この作品は確実に今年のワースト映画候補になるんだろうなと思いながら見ていた。
ところが後半になると、ベタベタではあるけれど、結構、ハートウォーミングなシーンが次から次へと押し寄せてきて、ついウルっと来てしまった。
クリス・ハート演じるハーフの青年が、ムショ上がりで訪れた銭湯で久しぶりに母親と再会し、その帰りに手を繋いで帰るところなんて感動的で仕方なかった。
なので、今年のワースト映画候補入りは免れてしまった。というか、ここ最近のハシカン映画の中では彼女がかなり可愛く感じる作品になっている。それだけでも満足できる。
というか、この映画に出てくる温泉街ってゆいゆい主演の単発ドラマ「ADオグリの事件簿〜草津温泉ミステリー〜」と雰囲気が似ていないか?気のせいかな?