東向島駅前の謎の喫煙所
自販機店という言い方が正しい言葉なのかどうかは知らないが、東向島駅前に自販機が並んでいるだけの店舗のようなものができて約2年半の年月が経過した。
ここは元々、セブンイレブンだったが2020年の初夏に何の予告もなく突然閉店してしまった。
コロナ禍に入り客が減ったことによる大幅な収入減が理由であることは想像に難くない。
現在の自販機店状態の写真を見ても分かるように売場面積はかなり狭かかった。だから品揃えも良くない。店員も限られた人員しか配置できないからセブンの売りであるホットスナック(フライ類など)だって、ランチタイムの数時間しか売っていなかった。当然、バイトテロ問題がネットニュースになる前ですらおでんは取り扱っていなかった。、
でも、いつも混んでいた。そりゃ、駅のほぼ真ん前だから、通勤通学で東向島駅を利用する人が出社や登校前に買い物するし、地元在住者は改札を出て目の前にあるから、帰宅時についふらっと立ち寄ったりするよね。
だから、何の努力をしなくてもある程度の売り上げは確保できていたのでは?でも、コロナ禍に入り、テレワークが増えたり、休校になったりして利用者が激減してしまった。そりゃ、潰れるよね。駅前の一等地にある以外、何の取り柄もない店舗だからね。
そして、セブン閉店後、ここで店舗や事務所を開こうとする事業者が出てこないのも納得だ。
駅前の一等地だから賃料は高いと思われる。でもこんな狭いスペースではできることは限られているからね。
少なくとも、ここでまたコンビニをやろうなんて思う人は出てこない。
この土地の所有者は誰にも使われない状態にするのはもったいないというか、無収入になるのは困るので、とりあえず、自販機を並べてわずかでも収入を得ようと考えたのだと思う。
でも、普通の感覚なら駅前の一等地にあるのに暗くて怪しい自販機が並んでいるだけのスペースになんて入ろうとは思わないよね。だから、自販機で売っているドリンクなどの売り上げはイマイチふるわなかったのでは?
そこで、自販機で売っているものを買わせるために喫煙スペースを設置することにしたのだと思う。タバコを吸っているうちにコーヒーも飲みたくなってくるに違いないという喫煙家連中の需要を期待したのだろう。
でも、こんな所に喫煙所を作るなんてありえないよね。
駅の出口のほぼ真ん前という立地もそうだけれど、向かいにはドラッグストアの福太郎があるんだよ。薬局の向かいが喫煙所ってありえないでしょ。しかも、両隣はオリジンとマクドナルド。食べ物を扱う店にタバコの煙をまき散らすなんて非常識もいいところだ。さらに、福太郎の裏には保育園があるし、近くには小学校もある。子どもの健康や教育の面でも悪影響を与えていることは言うまでもない。
結局、こうしたものを作って金儲けをしようと考えるのは東向島駅周辺が栄えていないからだと思う。23区内にある全ての鉄道駅を利用したことがあるわけではないけれど、東向島駅ほど周辺に店がない駅はJR・私鉄・地下鉄問わずないんじゃないかと思う。
何故、そうなっているのかと言うと、東向島から比較的移動が楽な買い物や飲食に適した街が周辺にたくさんあるからだと思う。
90年代までは東向島駅周辺は栄えていたように見えたが、そうでなくなったのは東武スカイツリーラインで両隣にあたる曳舟駅と鐘ケ淵駅周辺が再開発されたことが影響しているのではないかと思う。
どちらも東向島住民にとっては、徒歩もしくは自転車で容易に移動できる範囲だが、鐘ケ淵駅周辺にはベルクス、ライフ、業務スーパーがある。また、曳舟には墨田区の上半分(旧向島区)では最大の商業施設であるイトーヨーカドーがある。
また、曳舟の隣(東向島から2駅)のとうきょうスカイツリー(押上)にはスカイツリータウンがある。
さらに、とうきょうスカイツリーからもう1駅行けば浅草、押上からもう1駅行けば錦糸町という繁華街だ。
曳舟から準急に乗れば次の停車駅は北千住だし、そのまま準急に乗れば北千住の次は西新井だ。
数駅の範囲内にこれだけ、買い物や飲食ができる街があれば、そりゃ、東向島で買い物なんてしないよねって思う(このうち、錦糸町と西新井にはTOHOシネマズもあるしね)。
あまりにも周囲の街への移動が容易すぎるから東向島は取り残されてしまったんだろうね。スカイツリー開業で家賃が高騰したのも曳舟駅周辺までで東向島駅周辺にはほとんど影響がなかったしね。自宅マンションなんて自分が住みはじめてから17年近く家賃が全く変わっていないからね。まぁ、駅周辺が栄えていないおかげなんだけれどね。
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