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映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ

基本的にネット民、特にアニオタ系のネット民がSNSで大絶賛している時は信用してはいけないというのが大前提だと個人的には思っている。
それは、彼等は無知だから簡単にステマに引っかかってしまいやすいということに起因している。

自民党の言うことを何でも正しいと思ってしまうのも、読売と産経以外の大手新聞社やテレビ東京以外のキー局をマスゴミと呼んで喜んでいるのも、自民党によるネット情報操作、要はステマに簡単にだまされてしまっているからだ。

海外発のニュース(日本語に訳されたものを含む)をチェックしてにれば、自民党のやっていることがいかにアホなことかは誰だって分かる。というか、わざわざ、海外メディアの記事を読まなくても、一般紙の国際面を読んでいるだけだって、そんなことは分かる。

結局、ネトウヨが無知なのは、そして、無知な人たちがネトウヨになるのは海外のことを何も知らないからなんだよね。

それと同じことが、ネトウヨとリンクする思想を持つ者が多いアニオタに対しても言えると思う。

彼等のほとんどは海外アニメーションを見ていない。欧米の賞レースを賑わせるような政治性・アート性の強い作品どころか、ディズニー・ピクサーの作品だって、まともに見たことがない連中がほとんどだ。せいぜい見たとしても、日本語吹替版に自分のお気に入りの声優が参加していた時くらいなのでは?

洋画や海外ドラマだって吹替版でしか見ない。やはり、吹替版に参加している声優が目当てだからだ。

というか、日本の実写の映画やドラマだって、まともに見ていない人も結構いる。

日本のアニメの世界のことしか知らないから、ちょっとでも面白い話や力を入れた演出・作画などがあると、こんなの見たことがない、こんなのを作れのは日本だけだなんてほざくんだよね。

2006年にテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の文化祭のシーンについて、アニオタは“ハルヒの演奏シーンで音に合わせて作画されていた。素晴らしい!”みたいにマンセーしていたが、そんなのはアニメーションを作る上では当たり前のことなんだよね。
日本のアニオタが大嫌いなディズニーは、「ハルヒ」よりも66年も前に、というか、太平洋戦争勃発よりも前の1940年の作品「ファンタジア」でそれをやっていたんだよね。

結局、日本のアニメしか見ないから知らないだけでしょ?

そもそも、こうした思考が昭和で止まってしまったアニオタに媚びて、いまだに手描きにこだわっているせいで(もしくは、CGで作画しても手描き風に見せているために)、日本のアニメは海外から比べて技術の発展が遅れてしまっているのが現状なんだよね。

しかも、老害思想の連中が多いから政権批判的なメッセージも極端に嫌うしね。だから、ジブリ以外の作品でアカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた作品が細田守の「未来のミライ」しかないんだよね。

技術面でも、政治面でも語ることがない作品なんて、アカデミー賞にノミネートされるわけがないしね。

結局、狭い世界のことしか知らないから、広告代理店など関係者が一般のファンのフリをして、特定の作品を絶賛したりすると、簡単にそのステマに引っかかってしまうんだよね。

「アナと雪の女王2」のステマは日本のアニオタが大嫌いなディズニー絡みだから簡単にステマに気付いたのだろうし、「100日後に死ぬワニ」はさすがにグッズ販売や映画化の話が進むのが不自然なくらいにはやかったので気付いただけで、大抵の場合は気付かずにステマにのせられているのが現状なのではないだろうか。

「PUI PUI モルカー」なんて、単なる暇つぶし動画の類なのに、あれを絶賛できるなんて余程、これまで良質のエンタメやアートに接してきたことがなかったんだろうなとしか思えない。アニメーション技術だって、素人がちょっとお金を集めて挑戦してみましたってレベルだったしね。

そして、ここ最近で最も酷いステマだと感じたのが、2019年に劇場公開された「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」だ。

この作品をめぐっては、「ジョーカー」をこえる衝撃的な作品という声がネット上であふれかえった。これは、海外作品より日本作品の方が優れているという主張をしたがるオタクに向けたキャッチコピーであることは間違いない。
それと同時に、画柄からほのぼの系のイメージがある作品なのに、実際に見てみると「ジョーカー」クラスの衝撃が待ち受けている作品だということで、“逆詐欺映画”なんてフレーズも出回っていたが、この言い回しも、ある程度マスコミ的思考を持っている人間が考えたキャッチコピーにしか見えない。

結局、海外作品より衝撃的とか、逆詐欺というオタクが喜ぶフレーズをちりばめたステマであったことは間違いないと思う。

実際に見た感想としては、確かに、画柄が想像するような単なるほのぼのストーリーではないし、ブラックなところもある。また、終盤では感動することもできた。だから、駄作とは言い切れないとは思う。

でも、作画が特別優れているわけでもないし、この手のメタ要素を盛り込んで現実の厳しさを伝えるストーリーの作品なんていくらでもある。
それをアカデミー作品賞にノミネートされた「ジョーカー」よりも優れているなんて、とてもではないが映画ファンだったら口に出すことはできないよね。

そもそも、上映時間が60分台なのに通常の入場料金を取るのは、それこそ“詐欺”だしね。

だいたい、それだけ絶賛されていたはずなのに、存在そのものがステマの日本アカデミーのアニメーション作品賞にすらかすりもしないわけだから、この作品はテレビアニメの劇場版レベルにも達していない単なる消耗品であることは間違いないと思う。

というわけで、そんな大ステマ作品の続編はどんな出来なのか気になってしまった。

前作ほどのブーム感はないものの、そこそこの入りだったことを考えると、前作の作られたブームで何となく見てしまい、ファンになった人が一定数いたんだなというのを実感する。

ただ、自分が見たTOHOシネマズ 日本橋では初日なのに小さなスクリーンに追いやられていたので、前作ほどのブームにはならないというのが興行関係者の見通しなんだろうなという気はする。

作品自体の出来はというと、前作よりも酷かった。というかつまらない…。

かろうじて、置いてけぼりにされた未熟な魔法使いとすみっコたちとの交流が始まってからは、多少はうるっとしそうになったけれど(あくまでしそうになるだけ!)、それまでは本当に退屈だった。
前作よりも上映時間は1分短くなっているのに(たったの65分しかない…それで通常料金を取るんじゃない!)、前作より長さを感じるんだから不出来と言って問題ないでしょ!

というか、置き去りにされた異世界の者と交流するというストーリー展開は「E.T.」のほぼパクリだしね。
さらに言えば、そうしたパクリもので、しかも同じくファミリー向け作品である「オトッペ」の劇場版が良作になっていただけに、尚更、本作の出来の悪さを感じずにはいられなかった。

あと、キャラクターは話さずナレーションでストーリーが進行するという設定のはずなのに、ちょくちょく台詞が文字で表示されるのはどうかなとは思った。それらも全てナレーションで処理するか、あるいは、キャラクターにしやべらせるか、どちらかにすべきでは?中途半端なんだよ。

本作の脚本を手掛けているのは吉田玲子で、これまで、アニオタが彼女の脚本をマンセーしてきたけれど(実際に秀作も多いが)、さすがに本作はほめられるものではないと思う。いい加減、うるっとする=名作という考えは捨てようよ!

まぁ、フライ(揚げもの)系キャラの登場シーンで“衣替え”の話をしたり、“そうだ!”というナレーションに合わせてメロンソーダを映す親父ギャグみたいなヤツは嫌いではないけれどね。

あれだけブームになった作品の続編なのに公開初日の午後2時時点では、ヤフー映画のコメント欄に1件も投稿されていないんだから、ブームは終わったって見てもいいのかな?

前作を見て、ステマに騙されたって思った人も多かったのでは?
今後の興行収入次第だとは思うけれど、3作目は難しそう。まぁ、作られても公開規模は縮小されそうだよね。製作委員会にイオンが入っているけれど、イオンシネマとミニシアターでの公開みたいな形になりそうかな。

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