オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

1月期放送のアニメで「着せ恋」に次ぐ話題を集めた作品といえば同じCloverWorksが手掛けた「明日ちゃんのセーラー服」だと思う。
主人公・明日ちゃん役の村上まなつを同作の先行上映イベントで見て、“可愛い！”と思い、思わずファンになってしまったくらいだしね。

その彼女が劇中アイドル役で出演しているということで、テレビ版を全く見たことがないにもかかわらず本作を見ることに決めてしまった。

というか、村上まなつって、DIALOGUE+という声優ユニットのメンバーなんだよね。このグループって、TOKYO IDOL FESTIVALに出るくらいだから、声優ユニットというよりもアイドルグループと言ってもいいくらいだしね。そんな彼女がアイドル役って面白いよね。
そういえば、「明日ちゃん」には「ラブライブ！サンシャイン!!」でスクールアイドルを演じた斉藤朱夏が劇中アイドルとして出演していたっけ…。

よく考えたら、「ひげひろ」のオープニング曲「おもいでしりとり」でDIALOGUE+のことを気に入り、TIFのステージで見ていたんだよね。「明日ちゃん」の先行上映イベントの前から好きだったのか…。

そして、本作の基となっているテレビ版には「明日ちゃん」で明日ちゃんと仲の良い同級生・透子を演じていた鬼頭明里も出演していた。
本作はテレビ版の総集編プラスアルファということなので、あかりんの出番があるかどうかも気になっていたというのも鑑賞の動機であったりする。どうやら、テレビ版では出番は少ないものの重要な役だったらしいのに、今回の劇場版のホームページのキャスト欄などには彼女の名前は載っていなかったからね。

そして、この劇場版を実際に見ても、あかりんの存在は把握できなかった。
それは、テレビ版のホームページやウィキペディアにはあかりんが演じたのが行方不明の女子高生役と書いてあったからだ。なので殺害された女子高生のセリフってないよねとしか思わなかった。

途中で地下から這い上がってきたアイドルグループのメンバーを巡り、事件が起きていたことが判明するが、まさか、そのアイドルグループ内で殺人事件が発生していて、その死んだアイドルが行方不明の女子高生だったとはね…。

自分がそういう話だったというのを理解したのはエンドロールであかりんの名前を発見し、その演じたキャラの名前を見た時だった。
ぶっちゃけ、本編鑑賞中は時系列とか相関図がイマイチ把握しきれていなかった。だから、エンドロールのあかりんのクレジットを見て、やっと、“あれ？その役名って殺されたアイドルじゃなかったっけ？”と思い、どういう相関図だったかを理解できたという感じだった。

つまり、村上まなつ演じるアイドルが殺されたと思い込んでいたが、実際はあかりん演じるアイドルが殺されていて、そのアイドルになりすましていた人物を村上まなつが演じていたってことだったのか。
「明日ちゃん」で友人関係にある役を演じていた村上まなつとあかりんがこういう関係になっていたとはね…。

全然見ていて分からなかった…。
もう1回見たくなった。

ただ、事件を伝えるニュースで記者が“本日未明”と言うのはありえないから！テレビだろうと、新聞だろうと、記者は本日という言葉は使わない！
つまり、本作の制作陣はテレビニュースを見たことも、新聞を読んだこともないってことだよね。

だから、ところどころリアリティに欠けるんだろうね。主人公の病気に関して友人でもある医師が図書館で調べるってのもリアリティがないよね。あまり、モノを知らない人が作ったストーリーなんだろうね。全体の展開は面白いだけに、そうしたリアリティがないことについては惜しいとしか言えないかな。

それから、登場人物が何故、動物なのか理解するのにも苦労した。これは、ディズニー映画みたいに動物を擬人化した世界の話なのかと思ったりもしたが、モブキャラには人間っぽいのもいるし、擬人化されていない猫も一瞬出てきたりもした。だから、一体どういう世界観か理解しにくかった。

でも、先述したように医師が図書館で調べものをした辺りから世界観の背景が徐々に明らかになり、主人公が巻き込まれた事件の真相が明らかになると、実際は人間の世界の話で主人公が病気のせいで、自分や周囲の人々を動物と思い込んでいるだけということが分かるんだよね。
個人的には、もう少しうまく伏線を張っても良かったんじゃないかなって気もするかな。

まぁ、笑えるシーンも多かったし、全体的には嫌いではないけれどね。というか、この作品って、竈門兄妹が共演していたんだね。

ところで、この劇場版のサブタイトルの「イン・ザ・ウッズ」って、もしかすると、藪の中ってことなのかな？色んな登場人物が証言するという構成を取っているが、話す内容に食い違いが生じているしね。